【カメラ機材】食べ歩き料理撮影に最強なコンデジはどれ?

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当サイトに寄せられる質問の中で、オススメのレストラン以外に最もよく訊かれることは、料理撮影用のカメラは何で撮っているのですか?という質問です。
自分なりに追求した料理写真に関するその疑問に答える第一回目は、コンデジ編。プロではなく、SNSやブログなどに投稿する方に向けた機材の選び方から考えてみます。

料理撮影最強コンデジを検証!

私自身が使っているカメラは現在、「SONY RX100 M3」をメインに、たまに「SIGMA DP3 Merrill」というスタイルで固まってきているのですが、そこに至るまでには、試行錯誤がありました。

あるカメラを試しては、違うカメラに換えることを繰り返す中で、各メーカー・各機種の特徴がわかってきたので、それらを自分なりに分析してみたいと思います。

 

コンデジ編1-2:食べ歩き用カメラは、1インチ高級コンデジで決まり!

食べ歩きの際の料理を撮るなら、圧倒的にコンパクト・デジタルカメラ(通称:コンデジ)がオススメです。大きな1眼レフで、ガシッと構えて料理を撮るのは、それなりのレストランでは野暮なもの。

サラッと、いい写真を撮りたいものです。

となると、やはりコンパクトなサイズは最大の強みになります。

コンパクト・デジタルの中でも、「高級コンデジ」と言われるカテゴリーのものが良いと思います。

なぜなら、中途半端なコンデジを使うのだったら、iPhoneなど高性能カメラがついたスマホの方が、よっぽど使いやすいから。

その上を求めないのなら、わざわざスマホ以外にカメラを持つ必要はないでしょう。

高級コンデジと書きましたが、値段が問題なのではなく、スペックとして下記の1)〜3)の条件を満たしていることがポイントです。

撮影素子が大きく、レンズが明るいカメラを使うのが、美しくボケる写真を撮る必須条件(最近は、iPhoneなどでも擬似的にうまくボケるポートレイトモードが優秀になってきていますが)。

うまくボケるのが、料理写真を美味しく見せる近道だと考えています。

そういったモデルを選ぶと、当然、コンデジのカテゴリーでは高額なモデルに落ち着きます。新品の価格で、40,000〜80,000円くらいの範囲が中心です。

 

選択ポイント①:撮影素子が1インチ以上であること

撮影素子とはフィルムカメラで言えば、フィルムにあたります。1眼レフで一般的なのは、APS-Cサイズ(23.6×15.8m)というもの。

1眼レフでフルサイズを売りにしているハイスペックのモデルもありますが、これはかつての35mmフィルムと同サイズで、APS-Cサイズの2.32倍の面積があります。

 

ただ、一眼レフで使われているサイズの撮影素子を搭載すると、カメラの躯体も大きくなるので、コンパクトカメラに採用されるケースは稀です。

そこでオススメなのが、1型(1インチ、13.2×8.8mm)のカメラです。

このカテゴリーには、SONYでは「Cyber-shot DSC-RX100」シリーズ、CANONでは「PowerShot G9」や「PowerShot G7」、Panasonicでは「DMC-TX1」などがラインナップされています。

実はニコンも1インチのコンパクトモデル、DLシリーズのリリースを2016年に発表していたのですが、’17年に入るとまさかの発売中止。残念です。

 

選択ポイント②:レンズが明るいこと

レンズのf値の数字が小さければ小さいほど明るいレンズということになります。ズームレンズの場合、焦点距離によってf値が変わってくるのですが、一般的には広角側で明るく、望遠側で暗くなります。

上記の1インチモデルでの各スペックは下記になります。
・SONY DSC-RX100⇒f:1.8-4.7
・SONY DSC-RX100 M3⇒f:1.8-2.8
・CANON PowerShot G7 X Mark II⇒f:1.8-2.8
・CANON PowerShot G9 X Mark II⇒f:2.0-4.9
・Panasonic DMC-TX1⇒f:1.8-5.9

 

選択ポイント③:最短撮影距離が短いこと

要は、撮影対象にどれだけ近づいて撮影できるかということです。料理を撮影する場合、できる限り近づいてクローズアップで撮りたいシーンは多くあるので、この最短撮影距離も重要なポイントになります。

What-is-the best-food-camera?

各モデルの最短撮影距離を比較してみます。

・SONY DSC-RX100⇒ワイド端(28mm)5センチ/テレ端(100mm)55センチ
・SONY DSC-RX100 MK3⇒ワイド端(24mm)5センチ/テレ端(70mm)30センチ
・CANON PowerShot G7 X Mark II⇒ワイド端(24 mm)5センチ/テレ端(100mm )40センチ
・CANON PowerShot G9 X Mark II⇒ワイド端(28 mm)5センチ/テレ端(84mm )35センチ
・Panasonic DMC-TX1⇒ワイド端(25 mm)5センチ/テレ端(250mm )70センチ

細かく見れば違いはあるのですが、この現行の5機種では、いったんは大きな違いがないものとみなして構わないレベルじゃないでしょうか。

 

コンデジ編1-2:食べ歩き用カメラのおすすめ機種

My Best Choice:SONY DSC-RX100 M3

現在私が使っているのは、「SONY RX100 M3」です。当サイトで撮影している写真の半分以上は、このカメラで撮ったもの。

中国で販売されているモデルを中古で買ったものですが、問題なく使えています。

ナビゲーションに日本語表示がないので、中古相場よりかなり安く入手できました。私自身は、英語表示で問題ないので。

 

最新機種はM7まで出ているタイミングで、値段と相談しながら、このM3に決めました。

M4は4K動画が撮影できる、M5はAF機能が格段に上がったというのが、それぞれのバージョンアップの特徴なのですが、基本的な写りの性能はほとんど変わっていないよう。

最新モデルだからといって、必要のない機能に高いお金を出すのもなんだなぁ、と。

 

<気に入っている点>

・写り
後にも書きますが、カール・ツァイスの発色の良さが、食べ物の撮影にハマっていると思います。

・ズームした際のレンズの明るさ
M3以降のRX100は、それ以前のものと比べて、標準〜中望遠が使いやすくなっています。

M2まではレンズの明るさが望遠側ではf:4.7まで暗くなってしまいましたが、M3はf:2.8。どの焦点距離でも、安定して明るくなっています。

・ズームした際の最短撮影距離

最短撮影距離もワイド端(24mm)5センチ/テレ端(70mm)30センチと非常に使いやすくなっています。

それ以前に使っていた「RX100」では、デフォルトのワイド端でピントが合っていても、少しズームすると、近すぎてピントが合わないことがよくありました。

それに比べ、「RX100 M3」では、テレ端の最短撮影距離が20cm縮まっているので、その使いづらさがある程度解消されました。

・wifiが使える
いまや当たり前の機能かもしれませんが、自分にとっては、この機能をもつ初のカメラでした。
スマホなどへ転送して、その場ですぐSNSに投稿できるのは便利ですね。

<残念な点>

・ちょっと大きくて、ちょっと重い
気楽にポケットに入れて持ち歩くには、少し重いですね。

ちなみにRX100シリーズは、縦と横のサイズはほぼ同じなのですが、厚みがモデルによって違います。

重さも機能が改良されるごとに少しずつ増していますが、最新のモデルでは高止まりといったところでしょうか。

・RX100 M1 厚み:35.9mm 重さ:240g
・RX100 M2 厚み:38.3mm 重さ:281g
・RX100 M3 厚み:41.0mm 重さ:290g
・RX100 M4 厚み:41.0mm 重さ:298g
・RX100 M5 厚み:41.0mm 重さ:299g

 

試したカメラ1:SONY DSC-RX100

上記の「SONY RX100 M3」の前に使っていたのは、「SONY RX100」の初代タイプでした。

実はこれを入手したのは、半ば苦し紛れ。バンコクに飛ぶ際、成田空港でカメラを忘れたことに気づいたのです。

成田空港第2ターミナルには、「カメラのキタムラ」があります。

もしかしたら、中古でいいものがないかな?と思って覗いたのですが見つからず、代わりに店員に勧められたのがこれでした。

RX100シリーズもM4がもうすぐリリースされる時期でしたので、この初期型の実売価格は、かなり落ちていたこともあり、衝動買いしてしまったのですが、大当たりでした。

 

<気に入っている点>

・とにかく写り
何と言ってもツァイスの発色の良さ。

さらに、RX100は、M2からM3に変わるところで、レンズも変更されているのですが、広角側の描写は、現在使っているM3よりもやや良かったのではないかと思います。

本当に微妙な感覚的な部分ですが、艶があるように思います。

・RX100シリーズの中では、サイズもコンパクト
胸ポケットでは少し無理がありますが、パンツのポケットに入れても違和感がないくらいのサイズと重さ。

 

<残念な点>

・wifiが使えない
SNSなどに手軽にアップするには、今やマストの機能ですので。

・望遠側が暗く、最短撮影距離も長い
料理撮影では、広角側を主に使うので、ほとんど問題はないレベルだったのですが、たまに広角ではパースがつきすぎるのが気になる被写体の場合、少し標準や中望遠にズームすると、やや使いにくくなったな、と。

強いて言うならレベルのものですが。

全体的には満足していたので、もう一台、サブ機を持つとしたら、改めてこの初号機を買い直すかもしれません。

 

試したカメラ2:CANON PowerShot G9 X Mark II

さらにもう一代前に使っていたのが、この「CANON PowerShot G9 X」。

現行のMark IIの前機種でした。何より1インチのカメラなのに、胸ポケットに入れられる、言葉通りコンパクトなサイズに惹かれました。

今振り返ってみると、ツァイス×ソニーよりは、色味がフラットだったかな?と思います。

好みの問題レベルなので、一概に良い悪いとは言えませんが、個人的には、ツァイス×ソニーの色味がハマったので、自然と出番が少なくなっていったカメラでした。

もう一点は、上に挙げた他のモデルよりは、ピントの合うスピードなど取り回しが多少劣ったことも挙げられます。

CANONであれば、「PowerShot G7 X」もありますが、サイズがやや大きいということで候補外にしています。

 

試してみたいモデル:Panasonic DMC-TX1

唯一使ったことがないのが、Panasonicのカメラです。

スペック的には、この「Panasonic DMC-TX1」が対象です。

ソニーがカール・ツァイスなら、パナソニックはライカのレンズを実装。

スペック的にも申し分ないので、このレンズがどんな写りになるかが気になります。

最新機種としては「TX2」になりますが、よりバランスよく何でも撮れるカメラに進化しましたが、サイズが大きくなっているので、私としては料理撮影用には少しつらいなと思っています。

 

コンデジ編2:料理以外の撮影と兼用するなら、少し大型のコンデジでも

1インチ以上の撮影素子のモデルは、コンデジでは稀と書きましたが、ないわけではありません。例えば下記のようなモデルです。

  • RICOH GR  II:APSサイズ(23.7mm×15.7mm)
  • SIGMA DPシリーズ:APSサイズ(23.5×15.7mm)
  • CANON PowerShot G1:1.5型(18.7×14mm)
  • Panasonic LUMIX DMC-LX100:4/3サイズ(17.3×13mm)

これらの機種もカメラ業界的にはコンパクトカメラに分類されているものの、個人的には、コンパクトというには本体のサイズが大きすぎるモデルもあるような気がします。

食事の際に、テーブルの脇などに置いておくには野暮ったいかな?と。

性能に関しても、例えば、A4以上のサイズでプリントして楽しむということなどをしない限り、1インチのモデルと大差ないと感じています。

 

My Best Choice:ハマった時はホームラン級「SIGMA DP3 Merrill」

そうは言うものの、最近の取材では、「RX100 M3」とともに持っていくのが、このSIGMA DPシリーズの中の「DP3 Merrill」です。

メインは、風景やスナップ撮影用なのですが、ときどき料理も撮るといった使い方です。

レンズメーカーであるシグマのこのDPシリーズは、かなりのクセものとして、マニアに時に憎まれ、概ね愛されてきたカメラです。

他のコンデジなどと比べると、とにかく使いにくいのです。

モデルが更新されるにつれ、少しずつ改善されてきてはいるのですが、他メーカーと比べれば取り回しはまだまだだと思います。

まず、このシリーズが発売された初代モデルDP2を持っていたのですが、液晶は小さくて見にくい、ピントが合ったかどうかがわかりにくい、オートフォーカスは遅いし、メディアへの書き込みも時間がかかるので、連写は無理……ほんと欠点だらけのカメラのように思えるのです.

が、それらのデメリットを補ってあまりあるほど、当たれば相当でかいのです。

その初代を使って、ヒマラヤのラダックで撮影した写真を載せておきます。

かなり圧縮しているので、厳密には伝わらないかもしれませんが、中判カメラでハマった時のような密度の濃い描写に「こんなん、自分で撮ったの?」と驚いてしまいました。

ちなみに、この写真を知人に見せた時に「オシャレな旅行雑誌に使われてそうな写真」と言われたのですが、実際にオシャレな旅行雑誌の取材で使ったもの。でも、打率は低く、他に使ったのは、ほとんど1眼レフで撮影した写真でした。

そして、「DP3 Merrill」です。2013年に発売されたカメラで、すでに型落ちモデルではありますが、全然現役です。

何より気に入っているのは、レンズの焦点距離が50mm(35mm判換算で75mm相当)という中望遠の単焦点レンズを搭載していることです。

コンデジでは、このモデル以外に単焦点の中望遠レンズを使ったカメラはほとんどありません。

そもそも中望遠のレンズ(70-135mm)は、「ポートレイト・レンズ」という別称があるように、人の撮影に向いているとされているのですが、私自身は、風景やスナップをこのカテゴリーで撮るを気に入っています。

視点が散漫にならず、余計なものを省いていく潔さが肌に合うんです。なので、自分にとって風景、スナップ撮影には最適なコンデジだと考えています。

料理を撮る際にも、最短撮影距離は22.6cm、最大撮影倍率は1:3と、本格的なマクロ撮影にも対応というスペックですので、十分使えます。

ただ、DPシリーズの場合、色味が紫系に転びがちなので、JPEG撮って出しなどでは、トーンとしては食べ物に合わないケースもあります。

照明を使ったり、RAW現像できちんと色調整をしてあげたりすれば問題ないのですが、まあ、面倒といえば面倒。

また、中望遠だと、座ったまま大皿を全部入れるには少しきつい画角です。

なので、あまり食べながら撮る際には使いませんが、取材などでしっかり撮りたい場合は、コンディションによってたまに使うという感じです。

 

試してみたいモデル:お散歩カメラの延長ならRICOH GR  III」

フィルム時代には「RICOH GR1」を愛用していたこともあり、コンデジでも、やはり「RICOH GR 3」は気になります。

APSサイズ(23.7mm×15.7mm)の撮影素子を持ちながら、コンパクトに納めたボディサイズ。

GRレンズのシャープさはそのままに、デジタルに移行、wifiなど必要な機能は漏らさず装備。素早い起動、早いAF。

と、華美さはないけれども、撮るための道具に徹した質実剛健さには、好感を持たずにいられません。

 

ただ、現在の料理中心の撮影で、一つだけ難点なのが、18.3mm(35ミリ判換算で約28mm相当)の単焦点レンズだということ。

実際には使っていない理由は、それだけです。

ズームレンズを搭載している「SONY RX100」にしても、ほとんど広角域しか使わないので、思い切って、28mmだけでもなんとかなるような気もするのですが、思い切れないでいます。

デフォルトでは、少し固め、青みがかった色合いのイメージがある描写ですので、色味調整などでどれだけ料理仕様、自分仕様にアレンジできるかは所持していないのでわかりません。

WEBなどでの作例を見ると、日常のスナップカメラとしては最強の一つだというイメージを持っています。

料理に関しても、その延長線上の中で、うまくいい雰囲気を切り取っている写真は顕著にみられるので、そういった使い方をする方には、要チェックなモデルでしょう。

 

他にも、口コミサイトの人気レビュアーなどの中には、「Panasonic LUMIX DMC-LX100」などの利用率も高いと聞きます。

選択肢は、他にもいろいろあるとは思いますので、この記事を参考に、自分が求める方向性にあったカメラを見つけていただければ嬉しいです!

 

 



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