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ラーメン、蕎麦、トンカツと日本を代表する国民食すべてが激戦区と呼ばれる浜松町、大門、芝公園エリア。その中で、今回は「カツカレー」をクローズアップ。勝手にランキングをつけてみました。
とんかつ自体の評価の高い名店・人気店の多くは、主力メニューを2,000円以上の高級とんかつが占めているのですが、「カツカレー」は840~1,300円という価格帯。
限られた予算のなかで、トンカツ自体の旨さ、カレーの質、サイドメニューなどをどう演出していくか。
その店の実力の一端を垣間見ることができる、面白いメニューかもしれません。全部美味しんですけどね。
では、もったいぶらずに1位からどうぞ!
my best 1:『燕楽(えんらく)』
創業は1950年。『池上燕楽』『千鳥町燕楽』だけでなく超人気店高田馬場『成蔵』の店主らを輩出。
東京に有名とんかつ店の総本山の一つです。
同じく人気店を多く輩出している『まるやま食堂』門下の『とんかつ檍』と迷ったのですが、総合力でこちら。
「ロースカツカレー」(1,310円)
ランチのとんかつ定食は950円、ディナーで定食は2,000円以上のメニューしか出ていないのですが、「カツカレー」は昼でも夜でも1,310円。
この値付けからうかがえるのは、使っている肉の質などは、ランチのロースカツとほぼ同等だということでしょう。
最上級ではないけれども、店の名に恥じない質のものだと捉えています。
この薄いきつね色に揚がった衣から、低温で丁寧に揚げられたことが滲み出ています。
まず、とんかつだけ口に運ぶと、その特徴であるしっとり感が歯と舌にまとわりつきます。
肉自体の旨味は、2,000円超えの「ロースカツ定食」と比べてしまえば、ほどほどと言ったところですが、あくまでカツカレー。むしろ淡白さがカレーの味を受け止めています。
舌にまとわりつく辛さはないのですが、結構スパイスを使っていて、身体が火照ってきます。
具は、かたちが残っているものとしては、ジャガイモと豚バラの塊。とんかつと角煮を一緒に食べているようなものですが、これがまた美味しいんです。
足しげく通えるなら、単品の「カレー」(830円)も試してもいいかも。
席に着くと、お手製の漬物が、着丼の前には豚汁が出てきます。どちらも、ハイクオリティ。
ある有名イタリアンのシェフが言っていたのですが、「テーブルの上に出されるものすべてに、無駄がない」という言葉に納得です。
『燕楽(えんらく)』店舗情報
予算:930〜2,350円
営業時間:[月~金] 11:00~14:00 17:00~21:30、[土] 11:00~13:30
定休日:日曜・祝日
電話番号:03-3431-2122
住所:東京都港区新橋6-22-7
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my best 2:『とんかつ檍 大門店(あおき)』
蒲田の超人気店の支店。率直に言うと、1位にした『燕楽』より、こちらのほうがわかりやすい味かもしれません。
「カツカレー」(1,200円)
厚切りの林SPF豚を使ったとんかつの肉々しさが群を抜いているお店ですが、その真骨頂は「カツカレー」でも味わえます。
値段は、平日の昼限定の「ロースかつランチ定食(170g)」と同じ1,200円。トンカツ自体のサイズは少し小さめですが、2cm強の厚みは健在。
ほかの店に比べてカレーは辛め。中辛と大辛の間くらいでしょうか。
肉に力があるので、このくらいガツンとくるルーがちょうどいいと思います。
良い具合に、かつとカレーが闘ってくれている感じ。これは『檍』じゃないとできないことでしょう。
『とんかつ檍 大門店(あおき)』店舗情報
予算:1,200〜3,000円
営業時間:ランチ 11:00~15:00、ディナー 17:00~20:00
定休日:日曜日・月曜日
電話:03-5473-6403
住所:東京都港区浜松町1-11-12 KMビル 1F
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my best 3:『のもと家』
2,000円以上の本気とんかつであれば、『燕楽』『檍』とともにこのエリアでベスト3に入る実力店。
「カツカレー」(1,300円)
鹿児島の六白黒豚を使ったとんかつが名物ですが、こちらはランチのカツ定食と同じ、ノン・ブランドのロースを使ったとんかつです。
皿が大きくて、「あれ、とんかつの存在感が……」とも思ったのですが、食べてみれば、さすがのクオリティでした。
カレーは煮込み系。甘さと、スパイス感がバランスよく同居している味です。
『のもと家』店舗情報
予算:1,2000〜3,000円
営業時間:【平日】11:30~14:30(L.O.14:00)、17:30~20:30(L.O.20:00) 【土】11:30~14:30(L.O.14:00)
定休日:日曜・祝日
電話:03-6809-1529
住所:東京都港区芝公園2-3-7 玉川ビル2
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my best 4:『大門 かつ福』
夜は、ちょい飲みも楽しめるとんかつ屋さん。きれいな店内で、入りやすい雰囲気が魅力です。
とんかつ自体がそうなのですが、「カツカレー」も優等生的なバランスの良さが魅力です。
「濃厚ロースかつカレー」(1,100円)
メニュー名にある、何が「濃厚」かと言うとカレー。具やルーがぎっちり煮詰まっている感が満喫できます。
ここで紹介している「カツカレー」の中で、カレーだけ切り取れば、もっとも安定した美味しさかもしれません。
かつは熟成三元豚をつかったロース。からっときつね色に揚がった衣などが魅力で、シャキッとした面持ちの優等生なとんかつです。
「カツカレー」にも豚汁とキャベツが付きます。これが食前に出てくるところが嬉しいです。
とんかつという、ダイエットの敵のような後ろめたい食べ物を口に入れるのですから、開き直るのも手ですが、野菜を先に食べて、少しでも消化の助けにしたいですから。
ちなみに、この「カツカレー」を含め、ご飯、豚汁、キャベツはお代わり自由。食いしん坊にはありがたいですね。
『大門 かつ福』店舗情報
予算:900〜1,600円(ランチ)
営業時間:11:00~21:00(L.O. 20:00)
定休日:土曜・日曜・祝日
電話:050-5589-4623
住所:東京都港区浜松町1-10-13 福岡ビル1F
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my best 5:『とんかつ まるや 浜松町店』
700円でまっとうな「とんかつ定食」が食べられることで名を知られた『とんかつ まるや』の浜松町店。
「特製かつカレー」800円
グランドメニューには、載っていなくて、壁に貼られた特別メニュー扱いのカツカレー。
これが結構いけます。
おそらくカツは、とんかつ定食と同じロース肉。
定食で食べると、まあ、700円だったらいいか?っていう感じなのですが、カツカレーにしたほうが、かなり良い感じです。
カレーは、よく煮込んであり、具が溶けてしまっているタイプ。かたちがなくなっているものの、素材から出る味もあり、悪くないです。
これで800円だったら、じゅうぶん満足して、お釣りが来るくらいのクオリティだと思います。
『とんかつ まるや 浜松町店』店舗情報
予算:900〜1,600円(ランチ)
営業時間:【平日】11:00~22:00(L.O. 22:00)、【土日祝】11:00~20:00(L.O. 20:00)
定休日:無休
電話:050-5589-4623
住所:東京都港区海岸1丁目2−20 ハマサイト グルメ1F
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my best 6:『カズサヤ (KAZUSAYA)』
芝商店街にある洋食屋さん。カレー、カツ、スパゲッティなどが人気メニュー。
「カツカレー」としては、少し変わり種です。
「ロースカツカレー」(1,150円)
この店のカレーメニューは仕上げに皿ごとオーブンで焼いているのですが、「カツカレー」も同じスタイル。
テーブルに置かれても、まだグツグツ煮え立ってます。
とんかつのカレー煮のような姿ですが、意外や衣のサックリ感は残っています。とんかつ自体がしっかり作られているのでしょう。
ただ、肉の身の味はほどほど。カボチャやジャガイモ、茄子などと具の一つとしてバランスよく入っているイメージです。
カレーは、洋食屋らしく欧風カレーと言えるもの。フォンドボーの味が浮き上がってきます。
芝商店街は、激辛ストリートという別名を持つように、この店のカレーも頼めば相当な辛さのものも出てくるよう。
下から3段目の「激辛」でココイチの7辛は優に超えるそう。苦手な方は気をつけましょう。
カレーの直前に大根メインのサラダと、コンソメスープが付きます。
『カズサヤ(Kazusaya)』店舗情報
予算:850〜2,000円(ランチ)
営業時間:11:00~15:00、17:00~21:30
定休日:日曜・祝日
電話:03-3451-4275
住所:東京都港区芝2-10-6
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