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上海のガストロノミー・シーンを牽引してきたポール・ペイレが手がけるフレンチ・ビストロ。
上海を象徴するバンド(外灘)を眺めながら味わう現在の上海の姿とは?
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上海ガストロノミーの中心地、バンド(外灘)にある「Bund 18」、そして『Mr & Mrs Bund』
ある7月下旬の週末。上海を象徴するエリア、バンド(外灘)の黄浦江川岸は、涼みに来るローカルたちでごった返していました。中国経済の斜陽がささやかれる昨今、その姿はアジアの大都市の姿そのもの。マニラやホーチミンの水辺と変わらない雰囲気が感じられます。
一方で、やはり、ここ数年のアジア経済をけん引してきた上海。郷土料理だけではなく、世界に通ずるハイクラスのレストランは充実してきています。
いかにもアジア的なバンドの風景を眺めていたのは、「アジアのベストレストラン50」にも4年連続でノミネートし、上海のグルメシーンを牽引してきた『Mr & Mrs Bund』からでした。
上海グルメの中心地、バンド(外灘)にある「Bund 18」とは?
上海でグルメの中心となるエリアの一つ、ハイエンドなホテルや商業施設が連なるバンドです。その中で、食に関して押さえておきたいのが「Bund 18」。
1922年に竣工した、ギリシャ復古主義の様式が残る歴史的建造物でもあります。
20世紀初頭の植民地建築をリフォームしたこのビルには、3階に『ラトリエ・ド・ジョエル・ロブション 上海』、5階にロンドンから逆輸入され、現地のミシュランも獲得しているモダン広東『ハッカサン』、最上階にはセレブ御用達になっている眺めの良い『バー・ルージュ』と、ホテル系以外では、上海のガストロノミーを象徴するようなお店が、各フロアに連なります。
上海ガストロノミーのキーパーソン、フランス人シェフのポール・ペイレとは?
現在の上海のガストロノミー・シーンを語るのに欠かせないポール・ペイレというフランス人シェフがいます。
1998年にシェフに就任したパリの『Café Mosaic』で頭角を現し、同時に、イスタンブールや香港、シドニー、ジャカルタのレストランでも活躍していた彼は、2005年に上海に移住します。
『Jade on 36』というアヴァンギャルドなレストランを「シャングリラ・ホテル」に手がけた後、2009年に『Mr & Mrs Bund』で独立。2013年には、構想に15年をかけたという『Ultra Violet』もオープンしています。
実は、上海のディナーでの本命は、この『Ultra Violet』でした。毎晩限定10名、映像から香りまでを駆使したまさに五感で味わう総合芸術と称されるこの「ライブ」を体験したいと考えたのですが、1人約10万円という価格に、正直、腰が引けました。
最初からこれは怖い、とりあえず普通の形態の店である『Mr & Mrs Bund』から行ってみようというのが、今回の真相です。それで気に入れば、上海にはなんども行く機会は、またあるだろう、と。
とはいえ、この『Mr & Mrs Bund』も侮れません。
フレンチ・ビストロのジャンルでありながら、件の「アジアのベストレストラン50」では、2013年:No.7、’14年:No.11、’15年:No.21、’16年:No.28と常連です。
「Bund 18」をエレベーターで6階に上り、エントランスを開けると、レセプションの女性が丁寧に席に案内してくれました。「丁寧」というだけで、ここはもう従来の中国ではないんだと実感できます。
店内は、レトロ・モダンと言えばいいのか、シャンデリアが飾られた古きフランスの邸宅のような雰囲気とともに、50~60年代のレトロフューチャーなインテリアも同居。そんな摩訶不思議な空間な中で、ジーンズを履いたカジュアルないで立ちのスタッフが、てきぱきと働いています。
中国語、英語で予約をするのが面倒な方は、こちらが便利です。
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