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ここ数年、台北で行くべき店として、必ずリストアップされる肉火鍋の人気店『肉大人 肉舖 火鍋/Mr. Meat』。
一人ひとりに専用の鍋を用意し、プリフィクスのようなオーダー方式、クラフトビールやワインを揃え、新しもの好きの台北っ子たちのハートと舌を鷲掴みに。
とはいえ、奇をてらったわけではなく、すべてが美味しく、快適に鍋を味わい尽くすために合理的なスタイルであることが、一度でも訪れれば実感できるはず。
平均予算:5,000~7,000円
台北を席巻! 肉火鍋の新たなスタイル
3月に発表された『ミシュランガイド 台北』が予想以上にコンサバなセレクトだったので、少し肩透かしをくらった感のある台北ガストロノミーファンも少なくなかったようです。
そんな方のなかで、「どうして?」だったり、「やっぱり!」だったりと最も話題にしているのが、この『肉大人 肉舖 火鍋/Mr. Meat』(以後、『肉大人』)が、星だけでなくビブグルマンなどにもカスリもしなかったことでしょう。
「どうして?」というのは、それだけこの店の肉鍋を美味しいと太鼓判を押す方が多いから。「やっぱり!」というのは、ミシュランにしてはエッジが利きすぎていたかな?と冷静に判断している方も少なくないこと。端的に言えば、そんな店です。
一般的に火鍋店には敷居が高く感じている方も多いかもしれません。とくに中国語がわからない旅行者には、美味しいのはわかっているんだけど、たくさんある具をどう頼んでいけばいいのかわからないので、行くこと自体を諦めてしまうという声も聞きます。
確かにそういった庶民的な老舗のなかに名店も多いのですが、この『肉大人』は通常のイメージの火鍋店とは違います。
1人ずつ、自分専用の鍋と電気コンロが配されたレイアウト。バルのような垢抜けたスタイルの店内。カウンター席では一人鍋も可。それでいて、肉の質への徹底的なこだわり。ワインやレアなドラフトビールなどを揃えたドリンク。
どこを切っても、この店ならではの新基軸が揃っているのですが、見せかけのアイデアではなく、それらがすべて理にかなっているところが秀逸なんです。
『NYタイムス』で「台北で行くべき店ベスト5」にランクインしたとよく紹介されますが、そういった栄誉も『肉大人』が切り開いた火鍋のスタイルが、客(とくに外国人や若い世代)が求めていたものだったことの副産物でしょう。
・カスタマイズ感覚のオーダー方法
*基本のスープ
日本語で書かれた注文の仕方がありますが、少し説明をしておくと、スープは「発酵白菜鍋」「発酵ニンニク鍋」「発酵唐辛子のピリ辛鍋」の3種類のなかから選びます。ちなみに、冬はニンニク鍋ですが、夏場はトマト鍋にと替わるそう。
どれも“発酵”と付いているように、「発酵」の味がスープのキモです。ただ、酸味が前面にきた味ではなく、隠し味程度ですね。
先進的なレストランで発酵食材に関して見直す気風がありますが、『肉大人』のオーナーの陳さんが選んだのは、もっとプリミティブな理由。店のオープンにあたって台湾の鍋の食べ歩いたものの、結局はおばあちゃんの火鍋スープを超える味には出会えなかったんだとか。
ちなみに、この「発酵白菜」。日本では、東京・湯島にある『味坊 鉄鍋荘』のものがかなり近い味です。ただ、こちらは中国東北地方の伝統料理で出汁にあふれるスープ鍋とは違うので、使い方のニュアンスは少し違います。
*肉・オプション・ドリンク
スープを選んだら、次は具です。基本的な野菜などは、既にセットされていますので、肉とオプションを選びます。
この日一番のオススメは、牛は松阪牛、豚はイベリコ豚と教えてもらったのですが、日本人の私がわざわざ台北で食べるのも何だなと思って、台湾産の豚と鴨にしてもらいました。
ドリンクも台湾産のビールで。メニューを見る限り、ワインのラインナップも秀逸です。
ビールでは、あの『エル・ブジ』のオーナーシェフ、フェラン・アドリア氏が開発に参加した「イネディット」が置かれていることが、通の間では話題にあがっています。
ワインのような繊細な香りが特徴の極上ビールですが、大瓶(750ml)しかなかったので、パス。イベリコ豚と合わせると最高なのは、想像にかたくないです。
外国語での予約が面倒な方は、予約代行サービスなどが便利です▽
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