中国・蘇州『協和菜館(协和菜馆)』蘇州料理 ☆

中国・蘇州『協和菜館(协和菜馆)』蘇州料理

 

ふと訪れた旅先で、地元民で溢れる食堂で絶品料理に出会ってしまったら。
これこそ旅グルメの醍醐味かもしれません。
中国・蘇州の十全街にある『協和菜館(シエホーツァイグァン)』で食べた「豚の角煮」と「タウナギの煮込み」に悶絶!

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地元民には食の楽しみを、旅行者には古きよき中国の雰囲気を提供する街中の佳店『協和菜館』

何らかのギャップがあると、人は感動しやすいものです。そのギャップはサプライズと呼んでもいいのですが、期待しないで良いことがあると通常以上に嬉しくなるは人の常。

食に関して言えば、特に旅先や知らないエリアで、勘でふらっと入ったお店で不意に絶品に出会ってしまった日には! その感動は一塩です。

1ヶ月前に予約した店より、期待に対するハードルがかなり低くなっているのは確かですが、たぶん1週間くらいその嬉しさをおかずに、白米が食べられそうな気がします。

あら、いかん。『孤高のグルメ』がなんで面白いのか?っていう話と変わらなくなってきましたが、この秋に行った中国蘇州でそんな店に出会ってしまいました。

地元民で溢れるレストランに外れなし

場所は、十全街。蘇州のメインエリアからすれば、南のはずれで、観光ではあまり行かないようなエリアかもしれません。

『同得興』の「豚肉入り白湯麺」が食べたくて、この十全街まで足を伸ばした帰り道、地元民で賑わっている店がありました。それが、この『協和菜館』です。

「蘇州麺」や「小籠包」などファーストフードを提供する店なら、行列ができている風景は日常なのですが、中を覗くと、定食屋的なお店だとわかります。「これは絶対に気になる!」とその夜に再訪してみました。



 

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火曜日の夕方17:00ごろ。蘇州の秋は日が落ちるのが早いので、夕日が落ちる付近にある庭園「網師園」を楽しんだ後、早めの時間帯に店に訪問。まだ、がらんとしていたのですが、30分もすると客が入り始め、18:00には7-8割がた席が埋まってしまいます。

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やさしく迎え入れてくれたホールの女性は、日本語はもちろん英語も話せません。メニューも簡体字のみで、英文や写真も付いていなかったので、青島ビールを飲みながら漢字とにらめっこ。

何とか「鱔(→うなぎ)」という字を見つけたので、まずはこの「响油鱔湖」から。

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皿が出てきてからわかるのですが、「湖のうなぎ」はタウナギのことだったんですね。

「响油」というのは、「油かけ」という意味のようで、テーブルに出てきてからアツアツの油がかけられます。スタッフのあまりにスムーズな動きに、かけているところの写真を撮り損ねました…。

刻み生姜が添えられていますが、それを混ぜずに、まずはダイレクトな味を楽しんでみます。そもそもタウナギが大好物なこともありますが、これが抜群。

醤油ベースのタレがいい具合に、タウナギの嫌な臭みを消しています。

ずっとビールを飲んでいられます。

食べ始めた頃、ずっとスタッフが私のほうを向いて、手をくるくる回していたのですが、痺れを切らしてテーブルに来て、強制的に生姜を混ぜ始めます。

苦笑いをしながら食べてみると、確かにと膝を打ちたくなる風味。人によっては、最後に足した油が少しクドく感じるかもしれませんが、生姜を混ぜることによって見事なハーモニーに。

「郷に入れば郷に従う」。これが絶対だとは思いませんが、この「タウナギ」に関しては、違った味を楽しもうなどとせずに、豪快に混ぜてしまうのが正解だと思います。

スペシャリテの『豚の角煮』は800gで1,500円程度!

続いて肉料理のなかから選んだのは、「協和醤方」。店名がメニューについていますし、88中国元(約1,500円)とこの店のメニューの中では高めの値段設定だったので、これはどう考えてもスペシャリテだろうと思い切ってみます。

メニューを指差し、親指を立て「おいしい?」と聞くと、スタッフは親指と人差し指で丸をつくり、にっこり「OK!」と答えます。

実際は指と表情だけの会話だったので、彼女はただ「注文了解」というだけだったかもしれませんが、「これは食え」と言われているような気がしました。

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これが出てきてびっくり! 少なくても800gは超えているだろう豚肉の塊でした。

「こんなに大きいなら教えてくれればいいのに」とか思いながらも、ここは中国。

食べられなかったら残せばいい、という流儀がまだ残っている文化なのは理解しているのですが、個人的には残したくない主義だし…とか、ぶつぶつ一人ごちながら、件の肉を口に入れてみると、「ん? これめちゃくちゃ旨くないか!?」。

コクがあるのにキレがある絶妙な味のバランス

若干野趣というか肉々しさは残しながらも、丁寧に煮込まれた品の良いテイスト。日本では皮付きで出荷できる豚肉が限られるので珍しいのですが、皮付きというのが、また堪りません。皮下のゼラチン部の旨さが存分に活かされています。

先ほどのタウナギでもそうでしたが、この『協和菜館』は、素材の扱いはもちろん、味付け・ソースが絶妙です。コクはあるけれども、クドくなるぎりぎりのところで寸止めしている感じ。

高級料理店の繊細さは求めようがない部分はありますが、家庭料理の豚角煮のなかでは最高峰。少ないながらも私が中国で食べたなかでは、現在のところ1番のものであったことは確かです。

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パリッパリのかた焼きそば「蘇式両面黄」は、パンケーキのようにカットしてサーブしてくれます。

炭水化物も必要だろうと、偶然「かた焼きそば」だと知っていた「両面黄」の蘇州式を頼んでおいたのですが、もう胃袋が付いていかず、もったいないことをしました。

でも、パリッとした麺と爽やかな青菜の浅漬けのコンビが素晴らしい逸品でした。

ずっとこのままでいて欲しいと感じる庶民派レストラン

これだけ食べて、締めて約3,000円。物価が上がっている江南エリアの中で、料金的にも古きよき風情を残していると言えるかもしれません。

店の雰囲気もそうです。運河地区は別として、蘇州でも経済発展に伴ってお洒落でモダンなインテリアに改装している店が増えているようですが、日本で言えば、この昭和な雰囲気は楽しいもの。旅行者の勝手なわがままかもしれませんが、変にリニューアルせずに、ずっとこのままでいて欲しいと思いました。

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ちなみに、冒頭で『孤高のグルメ』を引き合いに出してしまいましたが、1人で食べきれるボリュームじゃありません。1人でもお店の方は温かく迎えてくれますが、できれば大人数で行きましょう。

私は頼んだ半分くらいは持ち帰って、翌日の朝も豚の角煮のサンドイッチになっていました。

 

 

 

『協和菜館/协和菜馆』店舗情報

営業時間:ランチ 9:00-14:00、ディナー 16:30-21:00
平均予算:1,500~3,000円
電話:+86 512 6511 7830
住所:蘇州沧浪区凤凰街15号/15 Fenghuang St, FengHuang Jie, Cang Lang Qu, Suzhou Shi

予約の仕方

オフィシャルHPはないので、電話などで。英語対応も不可ですので、少人数なら飛び込みで。週末の大人数など確実に席を押さえたいなら予約代行サービスの利用が便利でしょう。

 

 

 



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