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突き出し、冷菜でノックアウト
料理はコースというか、おまかせのみ。1人900元(約15,000円)以上で、希望の予算を言えば、それに合わせて料理を組み立ててくれます。2人以上から対応。
巻物になったメニューが用意されていましたが、読んでみても、ちんぷんかんぷん。
ふつうは漢字でだいたいの想像が付きますが、知らない字ばかりで。中国語というか、中国料理をもっと勉強しなくちゃと思いつつも、この晩は身を委ねることにします。
ビールを頼んだ後に、さらりと置かれた高野豆腐と落花生、ザー菜。
洋食で言えばアミューズの位置ですが、それ以前のつまみ、スナックのような役割でしょうか。
「冷碟三味」
そして、冷前菜。店の良さは、突き出しや前菜でわかると言いますが、その意味では、この時点でノックアウト。
仰々しさはないのですが、品を感じさせます。素材もかなり選びぬかれ、調理にも無駄がないことが伝わってきます。
「豆乳」
あっさりめの優しい味。台湾などで飲む、パンチのある味とは真逆の美味しさ。
胃を開く役割があるとのこと。
プレーンのままでも十分美味しいので飲み干してしまいそうになりましたが、杭州スタイルは乾燥海老やザーサイなどの具や薬味と混ぜながら食べるもの。
具のバランスを変えながら、いろいろな味を楽しめます。
見た目の派手さはなくとも、皿の上にのった品格は別格
「慈母菜」
簡単に言えば、豚の角煮の煮卵入り。
どこにでもある料理とも言えますが、どうしてこんなに品格が出るんでしょうか?
「金蝉銀翎」
シグネチャーの一つの鴨と冬虫夏草。
チラ見せのプレゼンテーションの後、取り分けてくれます。
鴨は紹興産、生後3年前後のものだとか。冬虫夏草は、金蝉花。
4時間かけて、じっくり蒸し上げているそうで、見はホロッホロ。
肉も、たっぷりの冬虫夏草も、スープも、全部美味しいところに料理人の腕を感じます。肉に旨味が残っていながら、スープも美味しいって、なかなか出会えるものではないです。
「厚○薄麥」
家庭料理的な根菜の煮物かと思って、気を抜いて食べ始めたら、ナマコが入っていました。
さりげに高級食材。
「无名英雄」
なまずのスープ。コクはありますが、臭みは皆無。
「遺圓蟹斗」
江南、浙江地方では、土地によってそれぞれ蟹の名前が違うのですが、ざっくり言えば上海蟹。
陽澄湖のもの。卵と味噌、身を寄せてあります。わずかな醤油と塩コショウだけのシンプルな味付けで、蟹の旨味が口の中で爆発。
「舎得」
よく紹介されるシグネチャー的な料理の一つで、青菜のごく一部の美味しい部分だけを使った上湯浸し。
これ1皿のために5kgの青菜を使っているとのことなので、10分の1以下ですね。
残りは、まかないや家畜の飼料になっているそうですが、その贅沢さに、罪深さを感得ない……んだけど、たしかに美味しいんです。
料理名の「舎得」とは「惜しまない」という意。
「火腿蒸冬笋」
ハムとタケノコと江南省らしい食材を使った蒸し煮あんかけ。
「金華火腿」が、世界三大ハムに挙げられる理由がわかりました。
脂身は少なめですが、確かにハモンセラーノやプロシェット・ディ・パルマに匹敵する旨味。
蒸しパン。普通に美味しいです。
既にお腹がパンパンだったからということもありますが、これだけは凄みは感じませんでした。
最初の方に食べていたら、感動していたかもしれませんが。
「桃紅燕清」
デザートは、桃のゼリーで〆。
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