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東洋のベネチアと称される運河の町・蘇州。
いろいろ美味しいものはあるのですが、手軽に食べられるものとしては蘇州麺がおすすめです。
中国のラーメンの中でも評価が高い蘇州麺
中国のラーメンというと、適当な店選びをしてしまうとハズす可能性が高かったりもします(その反動で、日本のラーメンチェーンが現地の人にも人気を博しているようですが)。
私も、中国でさんざんハズしまくった結果、やっぱり麺や具よりも基本的にはスープが決め手だなんだな、と。
改めて言わなくても日本のラーメン店やベトナムのフォー店でもそうですよね。
ちゃんと調べて行かなかった私が悪いのでしょうが、中国では個人的に、なかなか美味しいスープに出会えなかったのです。
鍋料理でもワンタンでも小籠包でも、美味しいスープを楽しむ食文化なのに、なぜラーメンにはいかされないのだろう?という疑問ばかりが募っていました。
そんな中で、もちろん例外もあって、お気に入りの2店が蘇州にあります。
具体的な店の紹介に入る前に、蘇州のラーメンの特徴をざっくり挙げておきます。
蘇州麺(スージョウミェン)とは?
基本は鶏がらスープ。白湯もありますが、醤油を加えたスープもあります。
麺は、博多ラーメンと同じくらいの細麺が基本。
茹で具合は、博多より少ししんなりした状態で仕上げがってきます。
写真で見ると想像がつきにくいのですが、丼の下までびっしりと麺がつまっているので、結構な量です。日本のラーメンの1.5~2倍くらいの麺の量でしょう。
具は、様々です。
チャーシューも肉の塊から薄切りまで、そしてこの地方の名物の蟹まで。
①:『同得興』の「豚肉入り白湯麺」
まずは白湯麺です。もっとも定評があるのが『同得興』で、まったく異論なしのクオリティでした。
蘇州市内には2店舗ありますが、中国語ができない私のような人には、十全街の支店をおすすめします。
本店のほうは、中国語で口頭でオーダーするのですが、十全街店では、写真のようなオーダー表にチェックする方式。漢字なので概ね理解できると思います。
白湯と赤湯がベースになっていますが、朝ということもあり、白湯にします。肉は当然として、青菜もオプションで加えます。
麺類は、やっぱりスープが大切と言っておいて何なのですが、このチャーシューは秀逸。
結構なボリュームで1cmほど厚みもあるのですが、ホロッと箸で切れます。どうしたら、こんな火の入れ方ができるのだろう?と単純に感心してしまいました。
食べてみても、豚肉の旨みは残しながらも、しつこくない絶妙なバランス。
さすが、豚肉の扱いに関しては、庶民のものも含めて中国料理の技は奥深いですね。それがラーメンにちゃんと活かされているところが素晴らしいです。
スープは、基本すっきりで、その裏にきちんとコクが隠されているイメージです。あっさりめのスープに、最初、飽きるかと思ったのですが、最後まで楽しめました。テーブルには、豆板醤が備えられているので、飽きた場合は、これで味に変化をつけることもできます。
訪れたのは、平日の朝7時。行列ができるほどではないですが、ほぼ席が埋まっている賑わいぶりでした。
日本の人気蕎麦店のように、麺とスープがなくなる、昼過ぎ13:00にはクローズ。ランチタイムは混むので、行くのは朝食がベストでしょうか。
それほどこってりではないので、朝でもスルッと満足できると思います。
②:『朱鴻興麺館』の「蟹粉麺」
一方、町の中心部・双前街にある『朱鴻興麺館』。
こちらのほうが、ビジネスに長けたオーナーがやっているのか、蘇州の街なかにかなりの店舗数があります。
メニューも、豚肉入りや野菜メインのものなど、幅広く揃えているのですが、もっとも面白かったのが、「蟹粉麺」です。
スープは醤油ベース。高山ラーメンのスープがもっとも近い印象です。麺は、『同得興』よりは少し白めで、素麺寄り。
現地の人からすると、揚州、蘇州など地域別に蟹の種類も違うということなのですが、日本人から見れば、上海蟹ということでいいと思います。
そんな上海蟹の産地で、よく出されているのが、この「蟹粉」です。この蟹粉、豆腐とともに煮られた「蟹粉豆腐」などが定番の名物として多くのレストランで提供されています。それのラーメン版ですね。
別々の皿に盛られているので、まずは蟹糞のみ味わいます。レストランなどで出されているものに比べると、香辛料などは抑え目でかなりシンプルかつストレート。
うまいですね。これだけで酒のアテになります。
そのまま楽しんだ後は、カニを麺の上に流し込みます。
醤油ベースのあっさりスープから、カニの独特な風味とコクが加わり、これが当たり。二度美味しさを楽しめました。
15:00くらいの中途半端な時間に行ったら、かなり空いていました。
ランチ、仕事終わりの夕食時はかなり混んでますので、微妙に外して行くのがおすすめです。