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Snow Peakと建築家の隈研吾がタッグを組んだ「LAND STATION HAKUBA」のメインダイニングは、なんと東京の三ツ星店『神楽坂 石かわ』の監修。
豊かな環境を生かし、“自然を食べる料理”をコンセプトにしたレストランが、白馬における新たな食のランドマークになりそうな気配がひしひし。
平均予算:ランチ 1,000~2,000円、ディナー 5,000~7,000円
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店の特徴
2020年5月オープン。
Snow Peakが隈研吾と組んだことで話題になっていた「LAND STATION HAKUBA」。
そのレストランは、東京の3ツ星日本料理店『神楽坂 石かわ』が監修していることでも、話題を呼んでいます。
新潟・三条の「FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS」にある『レストラン雪峰』が良かったので、順序が逆になってしまいましたが、ようやくの訪問です。
コンセプトは“自然を食べる料理”
さて、Snow Peakと『神楽坂 石かわ』が組んで何を目指しているのでしょうか?
その意図を、HPから引用しておきます。
食べることはその土地の自然、人々の営みとの出合い。
悠然とそびえる山々。川の景色。風や土の香り。
自然を敬い、愛する生産者たちの想い。
そのすべてを、一皿に込める。
地域の生産者と深くつながり
吟味して集めた、季節の恵みに
その美味しさが際立つ最高の調理を施した
和と洋の“自然を食べる料理”をご提供します。
和と洋のどちらも行き来するかたちで落とし込むというのは、ここならではなのでしょうが、それまでの前文は、現在のガストロノミーの主流となっている考え方です。
個人的に面白いと思うのは、アウトドアとガストロノミーの接点です。
私自身、どちらも好きなので、一般の方より実感していると自負していますが、食においてローカルガストロノミー、デスティネーションレストランなどを主軸に追っていると、動き方行く場所がアウトドア・ラバーと結構似てくるんです。
なので、業績好調なアウトドアメーカーがその資金力を背景に、ガストロノミーに進出したということではなく、文化としてシナジーが生まれることを期待しています。
セットメニューはランチでも、コースは夜のみ
メニューは全体としては、セットメニューが中心ですが、夜には要予約でコース料理もあります。
ランチのセットメニュー(2023年12月)
メインが単品のセットメニューもあるのですが、ここでは、メインディッシュが集結した「白馬三山」3,960円をご紹介。
最初に、野菜のソースなどがセッティングされます。
左からアンチョビペースト、味噌、蕎麦の実、東名の器の中にはディルなどのハーブ類。
セットメニューだと思っていたのですが、プティコース的な構成でした。
まずは温野菜から、大根、ブロッコリー、かぼちゃ、パプリカ、紫玉ねぎと近隣で採れた旬野菜を。
先のソースなどで食べます。
グリーンサラダは、ハーブ類をトッピングして。
玉ねぎドレッシングで味は付いています。
食べ終わった頃を見計らって、ご本尊の登場です。
信州サーモンの幽庵朴葉包焼き、日本海の蟹クリームコロッケ、信州牛のローストビーフがグランドメニュー。
今日のお刺身は岩魚で、安曇野生わさびとともにいただきます。
プレートランチではありますが、一皿ずつ給されたた、立派にコースとしても楽しめるクオリティ。
さすがですね。
甘味(2023年12月)
カフェタイムなどで食べられる季節の甘味とお茶セットにも力が入っています。
こちらは、期間限定で出ていた「季節のデザートと日本茶のセット」。
冬は「白玉黒蜜しょうゆ豆 ほお葉焼きだんご」でした。
こちらは、ランチ後のデザートとして付けられるコンパクト版ですが、単体の場合は、お茶が2杯、だんごが3本になっていました。
夜のコース(2022年初夏)
今回は、その唯一のコース「白馬 Hakuba」7,590円で。
ざっくり6皿の構成です。
ドリンクはビオワイン中心とのこと。
コースに合わせたペアリングコースも出ていますが、総量が多そうだったので、この日は軽めにグラスワインで。
ニュージーランドの「ノイドルフ」のソービニヨンブラン。
ふくよかな飲み口だなぁと思っていたら、100%自生酵母で自然発酵させたフレッシュなテイストをベースに、一部を古樽で発酵されているそう。
付き出し:大出の岩魚 黒豆 土佐酢 安曇野生わさび 香草
岩魚の刺身に土佐酢のジュレをかけて。は
ほくほくに炊いた黒豆を潜ませています。
なかなこういったレストランで、岩魚が出てくる機会は少ないのですが、やっぱうまいなぁ、と。
椀物:白馬の野菜 蓼科牛もも 茗荷 大葉 大根 薬膳
蓼科牛モモ肉のグリルの下に、白馬野菜(シイタケ・ナス)の揚出しを。
薬膳の入っだだしを直前にかけてくれます。
焼き物:信濃雪鱒 桜チップ 野菜酢漬 コリアンダー ブレッド
焼き物は信州雪鱒とのことでしたが、おゅ、きました。煙です。
桜チップの燻製煙をテーブルまで届けてくれます。
蓋を開けると、中には鱒にコリアンダーとピクルスを挟んだサンドイッチが。
付け合わせに、小鉢のガスパチョ。
次のメイン料理に合わせて、もう一杯。
スペインのアルバリーニョ。
メイン(肉、 魚料理):信州サーモン シードル 白馬鬼灯 柑橘 季節の貝
ほかに、飯山みゆきポークフィレ肉、信州アルプス牛サーロイン(+2,310円)がセレクトできますが、次のご飯もので豚を選んだので、メインは魚で。
ミキュイな火入れの信州サーモン。季節の貝はホタテの貝柱で。
一般的には白ワインでつくるソースを、長野らしくシードルで代用。
リンゴの甘味の酸味がほのかに香ります。
ご飯又は麺:土鍋炊き生姜ごはん 安曇野吟醸豚しょうゆ麹焼き 安曇野生わさび
〆の炭水化物は、土鍋ご飯か麺。
麺類の場合は、「自家製生麺 信州黄金シャモ 汁蕎麦」になりますが、豚が食べたかったので、土鍋炊きの生姜ごはんで。
安曇野豚の焼き物は、別途出てきます。
これだけで、定食ですね。
ちなみに、ご飯を炊いている土鍋は、Snow Peak製。
アウトドアでの使い勝手を考えて、炊飯釜のような円柱に近い形状が使いやすそう。
デザート又は食後酒
季節のデザートを選択。
上から、スイカのグラニテ、小布施ジャージー乳のソフトクリーム、クレモンティーヌと三層になった冷製パフェ。
食後の飲み物:一保堂茶舗の抹茶エスプレッソ
ほかに、コーヒー、紅茶もセレクトできます。
白馬のガストロノミーを牽引してほしいレストラン
率直な感想としては、ようやく白馬にも、すごく美味しいレストランができたということです。
蕎麦はさすが長野という良店が揃いますし、洋食やオーガニックカフェなどで好きなお店もありますが、安曇野~大町~白馬で、ガストロノミックなレストランで美味しいと思えるお店が見つからなかったんです。
一つの見方としては、そこがリゾート地の難しさなのかもしれません。
ハイシーズンが来れば、客は勝手にやってきます。それをどうソツなくこなすかが、リゾート地の飲食店にまず求められることで、むしろ突出した何かが出てきにくい状況から抜け出せずにいると思うこともしばしば。
その豊かな自然環境を生かしきれていないことに、モヤモヤするのですが、その状況が変わるかも?と希望を感じさせるレストランでした。
メニュー
【ごはん】
※ごはんのメニューには、季節野菜の前菜、白馬大雪渓の水で育まれた炊き立てごはん・信州おみそ汁が付きます。
「蓼科牛のローストビーフ丼 安曇野生わさびの香り」3,190円(10食限定)
「信州サーモンと福味鶏の幽庵ほう葉包み焼き」2,255円
「糸魚川の蟹クリームコロッケ トマトソース」2,200円
「信州牛の特製オムハヤシライス」2,420円
セット「白馬三山」3,960円
信州サーモンの幽庵ほう葉包み焼き/糸魚川の蟹クリームコロッケ/蓼科牛のローストビーフ
大出〆岩魚と安曇野生わさび
【パスタ】
「信濃雪鱒(ユキマス)と安曇野生わさびのスパゲティ」2,640円
「自家製生パスタ リガトーニと信州産ブルーチーズクリームと生ハムとマンゴーソース」2,420円
「シェフのおすすめパスタ」ask
「Restaurant雪峰シェフオリジナル サルシッチャ ディ フィノッキオーナ」1,595円
「信州吟醸豚、信州牛、福味鶏肝の田舎風パテ」825円
【デザート】
「本日の日替わりデザート& 食後のお飲み物セット」770円
「雪峰特製・白馬白プリン」880円
「小布施ジャージー乳のフルーツパフェ」1,320円
*メニュー・料金はあくまで参考になります。季節や食材の入荷状況によって変わることを前提にご覧ください。
予約方法
夜は要予約。昼もハイシーズン、週末は予約がベター。電話にて。
店の地図・アクセス
『レストラン 雪峰』店舗情報
営業時間:<土日祝のみ>モーニング 7:00〜9:00(L.O.8:30)、ランチ 11:30〜15:00(L.O.14:30)、ディナー 17:30〜20:00(L.O.19:30)
定休日:水曜
電話番号:0261-75-1159
住所:〒399-9301 長野県北安曇郡白馬村北城5497 Snow Peak LAND STATION HAKUBA内
オフィシャルHPはこちら
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