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バリ島でもっとも有名な高級レストランであり続けるだけでなく、アジアを代表するレストランの一つとも称されるウブドの『Mozaic(モザイク)』。
地元の食材をふんだんに使うことさえも、世界の最先端と呼応するようなコンテンポラリーなスタンスに思わせます。
フランスにないフランス料理の、ある種の理想のかたちを実現した重要なレストランでしょう。
平均予算:ディナー 10,000~15,000円/「La Liste 2020」No.675
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ウブドのガストロノミー・シーンを活性化し続けるトップランナー
この10年、バリ島のファインダイニングを支えてきた名実備えたトップランナー、それがウブドにある『モザイク』でしょう。
現地でお会いした旅行者などとどこで食べたかというような話題になり、いくつか店の名前を挙げると、たいていは「へえ、そんな店があるんですね」というリアクションなのですが、この『モザイク』に関しては、行ったことがある方もない方も「ああ、『モザイク』ですね」という反応。
そのくらい高級レストランと言えばここ、ということが浸透していることを実感しました。
おそらく雑誌やガイドブックなどで、知名度の高いホテルチェーンを押さえて、真っ先に紹介されてきたことが大きく影響しているのでしょう。
その裏付けとなっているのは、東南アジアで唯一「Traditions and Qualite」の“Grand Tables du Monde”のひとつにノミネート、「ワイン・スペクテイター」でもたびたび素晴らしいワインリストが表彰、「アジアのベストレストラン50」では、2013年にNo.50にランクインと、数々のランキングで受賞していることに求められます。
・緑に包まれた開放感あふれるガーデンレストラン
場所は、ラヤ チャンプアン通り沿い。ウブドの中心部から約2km、ネカ美術館に行く手前にあります。歩くと王宮からでも30分以上かかるので、ほとんどが車のチャーターしてきているお客さんのようでした。
そんなところに私は、レンタルしたバイクでプラッと訪れたので、警備員の方と妙に打ち解けてしまいましたが、話の本筋からは離れますね。
まるで、ラグジュアリーな美術館のような石造りの建物。エントランスを入ると、出迎えてくれるレセプショニストの丁寧さはホテル並み。
やはり第一印象は大事ですね。着いて2分で、しっかりとした高級店だということが実感できました。
それに比べて、私は……次からはちゃんと車で行きます。
それはさておき、店内には、贅をこらしたインテリアが目を引く室内エリアと、食事前後に軽くカクテルなどを傾けるラウンジエリアも備わっています。が、晴れた日のメインダイニングは、やはりガーデンです。
イベント的にランチ営業が稀にありますが、営業は原則的にディナーのみ。
メニューは、基本的にコース料理で、この日は通常コースと「A Trip Around the World」の2つでした。
通常の6品は700,00ルピア(約5,600円)、8品は1,000,000ルピア(約8,000円)。
アラウンド・ザ・ワールドの6品は1,200,000ルピア(約9,600円)、8品はルピア(約12,800円)。ワインペアリングのコースもあり、6品用のレギュラーは650,000ルピア、プレミアムは990,000ルピアからです。
この店のワインストックの質と量には定評があり、ワイン部門で何度も受賞しています。そのことを忘れていました。こんな良質なリストを前にして、今晩は飲めない……次は、ちゃんと車で来ます。
ちなみに、糖質制限メニューにも対応してくれます。
・バリ島の食材をコンテンポラリーなフレンチに昇華
まずはアミューズで、プチ・シュー。
添えられたバジルを一葉ちぎって同時に食べると、香りが一気に増します。
そして、出てきたのが、野菜の皿。
あれ、バーベキューだったっけ?とか、これ食べるの?とか少しボケてみますが、料理に使われる食材を説明するためのものです。
そうと分かっていながら、料理の鉄人の三國シェフばりに生野菜をかじりたくなる衝動を抑えるので必死。これ、絶対に美味しいということが、香りからもわかります。
コース全般にわたって、一皿ごとに逐一使われた食材の原形を、この野菜の数々で説明していってくれますが、バリ固有の野菜も混ざっているようでしたのでかなりの部分が知らない野菜でした。
ここが、この『モザイク』を理解するには重要。コンセプトは「バリの食材や香りと、ガストロノミックなフランス料理の出会い」としています。
さらにアミューズが続きます。
プチッ、ジュワーッと中がとろけていく固形ゼリー。
コーンに入っているのはサラダ。
卵の殻を器に仕立てたムース。
このあたりのプレゼンテーションの流れからは、世界的なトレンドを知っているシェフがやっているのだなということが伺えます。
パンはオーソドックス。バターが美味しいです。
日本語での予約は、代行サービスなどが便利です▽
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・世界のトップレストランと“時差のない”コース料理
ウォーミングアップのアミューズ・ブーシュとしては、手が込みまくった小品が続いた後、ようやくここからが前菜です。
スズキ科のスジアラの刺し身を使った、サラダ仕立ての冷菜。ココナツ・ミルクが南国らしさを、さり気なく演出しています。
「マグロのタタキ」。カツオではなくマグロです。意外や、今まで食べたことなかったです。
コンフィにしたウサギ肉とフォアグラが詰まった「パイ包み」。
メインの肉料理は「鳩のグリル」。味もさることながら、この攻めている感じが好きです。
ポテトは、オーソドックスに基本技術の高さを伺わせます。
ところどころに、フランス料理の基本的な技術の高さを垣間見せつつ、全体的には軽い仕上がりに今っぽい感覚を覚えます。
説明が難しいのですが、この軽さがヨーロッパの軽さではないだろうな、どちらかとNYの名店『Jean Georges(ジャン・ジョルジュ)』の食後感に近いかな?と思っていたら、シェフはアメリカ人だそう。
オーナー・シェフのクリス氏はフランスなどで修業した後、バリの人気店を経て、ニューヨークの実力店などで研鑽を積みます。2001年にはバリ島のホテル・レストランのシェフに就任し、その後、立ち上げた自らの店が、この『モザイク』です。
プレデザートには、東南アジアで人気の柑橘類、カラマンシーのソルベ。マンゴーなどが添えられています。
メインのデザートは、フォンドゥ感が楽しいチョレートケーキ、スターフルーツのソルベにインドネシア原産のフルーツ、ナガバノゴレンシが添えられます。デセールの2段構えは、スイーツ好きには嬉しいでしょう。
・インターナショナルなフレンチ、一つの正しいかたち
食べ終わった印象としては、確かにバリ島の食材は多用されていましたが、それほど強く地方色は感じませんでした。
自分が変なものを食べすぎていることも差し引いてもらったほうがいいかもしれませんが、例えば、東京でも上海でもバンコクでもマニラでも、良心的かつトップレベルのフレンチってこんな感じだよなという印象です。
この『モザイク』には、バリ島とアメリカという要素が少なからず加わっていますが、インターナショナルなフランス料理というものがあるようだったら、その最前線を行くようなレストランだと思います。
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『Mozaic(モザイク)』店舗情報
平均予算:800,000~1,500,000ルピア(約6,500~12,000円)
営業時間:18:00~23:00 定休日:無休
電話番号:+62 361 975 768
住所:Jalan Raya Sanggingan, Kedewatan, Ubud, Kedewatan, Ubud, Kabupaten Gianyar, Bali
オフィシャルHP(英文)はこちら
予約の仕方
電話、オフィシャルweb(英語、インドネシア語)などで。
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