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備長炭を使った本格焼き鳥で、香港に焼鳥の美味しさを伝えた『YARDBIRD(ヤードバード)』。
予約を一切取らず、サービス料もなし。
それでいて、お洒落で美味しいダイニングというスタイルの新風を香港に吹き込んだ先駆者でもありました。
平均予算:ディナー 7,000~10,000円 /「ミシュラン香港 2021」1つ星
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日本でないからこそ生まれた、新感覚の焼き鳥店
美味しい。
もちろん味だけを日本の名店の比べると、『鳥しき』のような至高の存在を持ち出すのは酷ですし、『バードランド』や『蒼天』、『くちばしモダン』のレベルまで達するにも、もう一息という印象。
でも、楽しい。
それは日本の焼鳥店とは違う魅力に思えます。「ヤードバード」とは、囚人や社会的安定性に欠けていてあちこちを転々としているニワトリという意味なのですが、まったく逆の雰囲気を持つアイロニーも興味深く映ります。
焼鳥バルとしてのクオリティは国際レベル
ツボを得た日本酒に加え、センスの良いカクテルなどのランナップ。
バルのようなインテリア、ロックがかかる雰囲気に若いスタッフがテンポよく仕事をこなしていく小気味良さ。インターナショナルな“YAKITORI”のロールモデルの一つになるようなお店であることは確かです。
オープンは2012年。のちに『RONIN』も開いたカナダ出身のマット・アバーゲル氏による店です。
NYの『MASA』を経て、香港の高級日本料理店『ZUMA』でエグゼクティブシェフをしていた彼が、備長炭をつかって仕上げる本格的な焼鳥はすぐに話題を呼び、連日満席の人気店に。
批評家筋にもインパクトは大きかったようで、「アジアのベストレストラン50」では2013年にNo.46に、’14年はNo.45にランクイン。
もう一つ、この店が香港において革新的だったのは、一種のバル・ブームを先導したことでしょう。
予約を一切取らず、サービス料もなし。それでいて、お洒落で美味しいダイニングは、香港のSOHOに新しい風を吹かせました。
この店の成功がなければ、いまや超人気店になっている『Little Bao』も
『RONIN』でも話題を呼ぶ、カナダ出身のマット・アバーゲル氏の原点となる店
料理は、日本食の伝統にリスペクトを払いつつも、時折、顔をのぞかせる変化球がツボにはまりました。
むしろ、ハイエンドな創作日本料理店にいた経歴からすれば、創作性のほうがお手の物なのかもしれませんが、ネギや大葉の使い方などといったレベルで、派手になり過ぎないように意識はしているのでしょう。
そして、この七味も秀逸。日本で親しんでいる一般的なものと比べると、海苔と大葉の存在感が強めなのですが、香りが強調されて焼鳥のタレとの相性もバッチリ。
瓶ごと持ち帰りたい衝動に駆られましたが、そんな気持ちをスタッフの方を悟られたのか、パック入りの七味をお土産にくれました。
香港では珍しいサービス料がないシステムなのですが、サービスは抜群。予約を取らないということも、考え方を変えれば、待てば食べられるのはフェアなやり方なのかもしれません。
『YARDBIRD(ヤードバード)』店舗情報
平均予算:約6,000~10,000円
営業時間:18:00-0:00
定休日:日曜
電話番号:+852 2547 9273
住所:
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ドレスコードと店の雰囲気
ドレスコードは特にありません。おしゃれな雰囲気ですが、焼き鳥屋です。コミュニケーションは英語か広東語が話せる方なら、まったく問題ないでしょう。日本人客も多いので、スタッフによってはある程度日本語で対応してくれることもあります。
予約の仕方
予約は受け付けていないので、直接店へ。並ばずに入るには、早い時間帯、遅い時間帯がおすすめです。
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