香港『大班樓/The Chairman(チェアマン)』広東料理 ☆

香港『大班樓(チェアマン/The Chairman)』広東料理

 

香港『大班樓(チェアマン/The Chairman)』広東料理

「アジアのベストレストラン50」では常連、ミシュランでは1つ星。なのに、華美ではなく、質実剛健を貫くミニマリスト。
いぶし銀だからこその新しさを感じる広東料理を堪能するなら、この『大班樓/The Chairman(チェアマン)』がおすすめです。

平均予算:ランチ 7,000~10,000円、ディナー 10,000~15,000円 /「ミシュラン香港 2021」1つ星、「アジアのベストレストラン50 2020」No.2

 

何も足さず、何も引かず、食材の良さをそのまま活かすミニマリスト

あの『エル・ブジ』のフェラン・アドリア氏が、「広東料理の未来を築く店」だと言ったとか、言わなかったとか。店のオフィシャルHPに掲載されていたので、おそらく言ったのでしょうが、どんなニュアンスだったかは知る由もないところがもどかしいのです。

この店の名物、蟹料理を食べすぎてハイになっていたのではないか?というウワサも聞かないわけではなく…それはそれで楽しそうなんですけどね。

香港『大班樓(チェアマン/The Chairman)』広東料理

香港には当然、広東料理の名店は数ありますが、そういった経緯で知ったお店ですので、どこか一般的な広東料理と異なる特別感を抱いていたのは事実です。

’13年はNo.18、‘15年はNo.35、‘16年はNo.27、‘17年はNo.47と「アジアのベストレストラン50」の常連でありながら、「La Liste」ではoutstanding(注目店)扱いということにも、オルタナ感が漂います。ミシュランは1つ星です。

場所は、上環から少しあがった、九如坊児童遊楽場の脇。少し奥まった場所なので静かで、近くには、和食のニューウェーブ『RONIN』などがあります。

香港『大班樓(チェアマン/The Chairman)』広東料理

店内は、非常にシンプル。中華料理店っぽさとも言えるゴテゴテした感じは苦手なので、好印象です。

 

 

 

 

シンプルに食材の良さを引き出すスープや温菜

ランチコースは、「3 courses」(218香港ドル、約3,000円)と「4 courses」(238香港ドル、約3,500円)の2つ。ベジタリアンメニューも含めて、前菜、メインは約10種のなかから選ぶ、プリフィクスです。

料金的には大差がないので「4 courses」をセレクトしましたが、やはり蟹を食べたいので、メイン料理をアップグレード。

結局は、ビール、サービス料込みで、850香港ドル(約12,000円)になっていました。蟹を食べなければ、かなりリーズナブルな料金設定です。

香港『大班樓(チェアマン/The Chairman)』広東料理

「Soup of the Day(本日のスープ)」は、豚バラのスープ。

プラムで甘みをつけていたり、豚の脂身とのバランスも計算されていますね。コクがありながら、すっきりした食後感が印象的でした。

香港『大班樓(チェアマン/The Chairman)』広東料理

前菜は、「小鳩」。烏龍茶と食用菊でマリネした鳩を、長時間かけ低温で火入れしたもの。

さっぱりした茶の香りが独特で、非常に美味しいのですが、それにしても、このそっけなさ。

デトロイトテクノのようなそぎ落とした魅力と言えばいいのか、無駄なものが一切ありません。だからこそ、こちらが勝手に想像力を膨らませるようなミニマリズムの極みです。

ただ、小骨が多いので、食べ方がどうしても汚くなります。気の置けない仲間との食事に限った逸品かもしれません。

 

名物の「酔っ払い蟹」は必食

香港『大班樓(チェアマン/The Chairman)』広東料理

で、もう一つ食べにくい、メインの蟹! 「雞油花雕蒸花蟹(蒸し花咲蟹の紹興酒と鶏油ソース)」。紹興酒と一緒に蒸すので、別名酔っ払い蟹です。

香港『大班樓(チェアマン/The Chairman)』広東料理

身は、旨みも汁もぎっしり。ほどよい火の入れ方に、調理技術の高さもうかがえます。

香港『大班樓(チェアマン/The Chairman)』広東料理

味噌もしっかり残っていて、蟹についてくる陳村粉という幅広のライスヌードルと絡めながら食べると絶品でした。

そういえば、炭水化物を摂っていませんでしたが、陳村粉でじゅうぶん満足。蟹の出汁と醤油の味、紹興酒の香りが染みて、このヌードルだけで食べに来たいくらい。

この「雞油花雕蒸花蟹(蒸し花咲蟹の紹興酒と鶏油ソース)」は時価なのですが、だいたい500~600香港ドル(6,000~8,500円)くらいのことが多いようです。

 

広東料理の未来は、シンプルな食材のよさに収斂していく?

客がはけてきたので、デザートの「Osmanthus & Wolfberry Ice-cream(キンモクセイとクコ実のアイス)」を食べながら、サービスマンと少し話し込みます。

香港『大班樓(チェアマン/The Chairman)』広東料理

『陸羽茶室』ほどではないですが、古き良き香港を感じさせるダンディーさは別として、この店の特徴をこう説明してくれました。

食材の良さを活かすのが、広東料理の本質で、それを具現化するのがポリシーとのこと。

そこがソースの味が強調された北方の中華料理との決定的な違いで、実現するために香港の新地に自社農場を持ち有機野菜を育て、取引先の畜産農家や漁師を育て、質を高めている、と。

そう言われてみると、観光客に人気の老舗などとは、味付けが華美ではありません。

蟹は別として、フカヒレもナマコもツバメの巣も、中華の高級食材はメニューに入っていません。「だって、他の料理がじゅうぶんに面白いから、やっている暇がないんですよ」とは彼の弁。それでも、しっかりと旨みがあるというテイストは、現在の香港では珍しい店に入るかもしれません。

フェラン・アドリアが言う「未来」を勝手に解釈するならば、ガストロノミーも、その原点に戻っていく、いや、進んでいくということでしょうか。それは、私には好ましいことに思えました。

 

 

 

 

『The Chairman/大班樓』店舗情報

営業時間:ランチ 12:00-15:00、ディナー 18:00-23:00
定休日:月曜
平均予算:10,000~20,000円
電話:+852 2555 2202
住所:香港 中環九如坊18號
オフィシャルwebページはこちら

香港『大班樓(チェアマン/The Chairman)』広東料理

店の場所

 

 

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