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【食レポ】ディナー(2019年5月)
2018年10月に発表された「ミシュランガイド ソウル 2019」では2つ星に昇格。
「アジアのベストレストラン50」でも2016年以降、no.10前後をキープ。
そんな評価だけではなく、韓国伝統の精進料理を本格的に学び、凄みが増したというウワサも聞かれた『Mingles(ミングルス)』。
前回の訪問から約2年半が経ってしまいましたが、その真価を確かめてきました。
・プリフィクススタイル、2種から選べるディナーコース
メニューは基本的にプリフィクスのコースのみであることは替わりませんが、2種のコースになりました。
2019年5月現在、「Dinner Course」(150,000ウォン、約14,000円・税込)と「Signeture Course」(180,000ウォン、約17,000円・税込)。
ランチは、半額の75,000韓国ウォンで、若干省略されたコースが出されているようです。
「Dinner Course」も、メインにロブスター(+15,000ウォン)、韓牛(+20,000ウォン)を選ぶと、追加料金になりますので、2皿多い「Signeture Course」と比べて、コスパはそれほど変わらないですね。
というわけで、「Signeture Course」を注文、こちらをご紹介します。
ワインは、3杯、白→白→赤でおまかせにしました。
・より韓国色を強めたスタート
ウェルカムディッシュからの最初の流れに、まず驚きます。
3皿出てきたので、メニューとちょっとズレていますが、一連の流れとして、かなり韓国色が強くなっていました。
「Welcome dish Spring amuse bouche」→「Seasonality Seasonal ingredients from all over the Korea」
なんと、アミューズはシマアジの刺し身。
少し厚めに切られていて、身のプリプリ感が抜群です。
青菜の軽めのキムチが添えられています。
そしてイカ。肝のソースがいい塩梅です。
三部作の最後は、「タコのお粥」。
添えられた青菜のフリットも滋味深くてタイプの味です。
以前うかがったときは、あくまで西洋料理と韓国料理のフュージョンくらいの立ち位置かと思っていたのですが、現代的な韓国料理を追求しようという意思表明だと捉えています。
シェフ自身がやるべきことが明確になってきたということかもしれません。
ワインはシャルドネ。スッキリしたテイストで、海鮮との相性は鉄板ですね。
「Spring Spring small bites」
右は、通称「蟹ティラミス」。
左は、「ストロベリータルト」。リコッタチーズメインですが、豆腐で調整されているようです。
このあたりのフィンガーフードはお手の物でしょう。
「Caviar Today’s caviar dish~」
韓国南部産のキャビア。アカガイも南部産。
アスパラガスなどは、自家菜園のものだそう。
というか、この日、食べたほとんどの野菜は、この自家菜園で採れたものだと言うので、感心しました。
「Abalone & Cabbage Seon Abalone & cabbage Seon, zephi broth, steamed rice cake~」
シンプルだからこそ印象的だった「アワビと白菜」。
白菜はかるく漬けてあり、アワビのソースに混ぜられたブラックペッパーのスパイスといい感じのコントラストです。
同時にマッコリで味付けしたライスプディングも。
合わせてくれたのは、ブルゴーニュのブラン。熟成感がある白でアワビやキャビアなどとも合いました。
・ふんわり火入れされた魚や肉に、技術の高さもうかがえるメイン
「Fish Today’s fish dish~」
魚料理は、ノドグロ。
腹に野菜などを詰めてあります。醤油ベースのソースでホッとする味ですが、身のふんわり感が絶妙。
「Chicken & Truffle Organic fried Chicken, ginseng risotto, truffle」
オーガニックチキンを使ったカツにマッシュルームソース。中に大葉にくるまれたレバーが入っていました。
チーズリゾットが添えられます。
なんでも、韓国ではチキンカツが流行っているそうで、それをミングー・シェフなりにアレンジしたものでしょう。
「Egg custard & Foiegras Organic egg yolk, burdock foam, foie gras ginseng tarte」
白身卵の泡の下に、卵黄の燻製とチョリソーが潜んでいます。
スペインで修行した影響が珍しく出ている一皿かもしれません。
奥は、フォアグラのタルト。
シャキッとした玉ねぎとトロッと溶けるフォアグラのバランスが繊細です。
「Korean Beef 1++ Sirloin & Assorted Korean beef barbecue」
韓牛のサーロイン。奥にリブアイが添えられています。
ホワイトアスパラガスに添えたオレンジピールが爽やか。
ちなみに、メインの他のセレクトとしては、「Lobster ~Lobster & Organic vegetables from <Junhyuk’s Farm>~」があります。
「DINNER COURSE」の追加料金無しのメニューは「Short Rib ~Korean style braised Short Rib(Gal-bi)~」です。
「Fruit Seasonal fruits dessert」
口直し的に、「季節のフルーツ」
キュウリをベースとしたソルベに、トマトコンソメのソース。春メニューですが、夏近しといったところでしょう。
「Black garlic Cheese mousse, makgeolli(rice wine) ice cream, black garlic meringue」
デザートも2種からセレクト。
「Jang Trio」がシグネチャーですが以前も食べたので、もう一品を。
マッコリのアイスクリームにチーズムース。その上にブラックペッパーのメレンゲが載ります。
「Tea, Fritz Coffee & Sweets Tea, Fritz coee and Sweets Spring」
食後のお茶とともに、小菓子。
もち米からつくられる韓国伝統菓子だそう。
お茶は韓国伝統茶(蕎麦、桑の葉、菊の根のお茶)、コーヒーから選べます。
・肩肘張らない程度に、より高級感を醸すインテリアに
ちなみに、店内は少し改装されていました。
基本的なコンセプトは変わらないものの、要所要所に衝立などを追加し、ほどよいプライベート感も出てきました。
以前より食事や会話に集中できる雰囲気になっていましたので、周囲のゲストを見ていると、誕生日などの記念日に使っている方が増えていたように思います。
まとめ
以上、ソウルの『ミングルス』2019年5月のディナーレポートでした。
それにしても、素晴らしい料理でした。
派手さはないかもしれませんが、一つひとつの食材の見極め、それに対しての調理など、密度が非常に濃くなったと感じます。
神は細部に宿る――そんな方向性を具現化するレストランとしては、アジアのなかでもトップクラスのレストランだと実感できるクオリティでした。
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