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ランチを体験(2016年8月)
・さらりと伝統料理を再構築するセンスの良さが魅力
ランチは2種類。プリフィクス・コースの「3 COURSE SET LUNCH」(35SGD)と「omakase lunch」(80-120SGD)。
「tasting menu」などという英語ではなく「おまかせ」と付けられたメニューに、日本人心がくすぐられないわけではないのですが、そこはグッとおさえて、3皿のセットランチを選びます。
箸、ナイフ、フォークなどのカトラリーはテーブルの引き出しの中に。
まずは「ソフト・シェル・チリ・クラブ」。そう、あのシンガポール料理の代名詞『チリ・クラブ』とどう違うのか知りたくて試してみました。
パンなどのディテールには、イタリアンのテイストが垣間見えます
・シェフが食べ歩いたアジア各国の料理のエッセンスも消化
メインは、「48時間熟成の牛リブ肉 スモークした牡蠣のミルクとともに」。
「48hr beef short rib with smoked oyster milk」。
ランチメニューということもあるのでしょうか、奇をてらわずにストレートに美味しい一皿。
シェフによれば、先に上げたように自らが食べて育ってきたシンガポール料理とともに、料理人になることを決意してから食べ歩いたアジア各国の料理に影響を受けているとのこと。
この皿の付け合わせの青菜の漬物にも、そんなスタンスが表れています。
「trio of flowers – osmanthus & chrysanthemum granita with elderflower jelly」。
デザートには「花のトリオ」。ネーミングに惹かれて頼んだのですが、金木犀と菊のシャーベットに、ニワトコのゼリーを加えたもの。
それぞれの香りを生かした爽やかなデザートでした。
「おまかせコース」を食べると、また違う印象を抱くかもしれませんが、セットメニューからうかがえたのは、「モダン・シンガポーリアン」であるとともに、イタリア料理の技術がベースになっていること。
イタリア料理の象徴の一つでもある「ワイルド・ロケット」というルッコラの一種が店名になっていることからも、そのスタンスがうかがえます。
一方で、素材そのものの美味しさを楽しませる要素も入っていて、そこは日本的かな?と思えたり、漬物などは韓国的だったり。全体的には、ソフィスティケートされたテイストの奥に潜む雑多性。
ダイバーシティという意味では、『ワイルド・ロケット』は、もっとも現在のシンガポールの姿を反映したレストランなのかもしれません。
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