タイ・バンコク『Ku Bar(ク・バー)』カクテルバー ☆

Bangkok-Ku-Bar

2017年2月にオープンし、翌年の「アジアのベストバー50」2018に早くもランクイン。アジアの食材を使ったクリエイティブなカクテルで、廃墟のようなビルを豊穣な空間に変えてしまう、イノベーティブな感覚満載で要注目のカクテルバーです。バンコク中華街のはずれ、わかりにくい場所ですが、ぜひ探し当ててください!
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廃墟の中の楽園のようなバー

メモしておいた住所にたどり着くと、そこには隠れ家という言葉が霞んでしまうくらいの廃墟のようなビルが佇んでいます。

20世紀末にアムステルダムやベルリンでたまに通っていたスクォットハウスでも、もっと小ぎれいだったような…いや、そもそもここで良いのか?と不安になりますが、階段脇に小さな表札がありました。こんな暗さじゃ見えないって。

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階段を登り、系列のワインバーがある2階を通り過ぎ、3階にたどり着くと、暗闇のなか、現代美術のオブジャが置かれていました。ギャラリーか? バーらしきドアが見つかりません。取っ手のついたドアを空けたら、そこはトイレだった……。

気を取り直して、木の壁があったので、触ってみたら、動きました。なんだ、ここがドアだったのか。開けると、確かにバーらしき空間が広がっています。

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ミニマルを極めた店内

このバーを知ったのは、「アジアのベストバー50」にランクインしていたからです。No.49。バンコクでは6店舗ラインナップされていますが、しんがりが『ク・バー』。けれども、そこに掲載されたグリーンのカクテルの写真1枚に、何か独特な雰囲気を感じ、行く気になったのです。

 

店内はかなりミニマルです。白いシンプルな大理石のバー。BGMは店の雰囲気に合わせたのか、現代音楽的な静寂なノイズミュージックがかかっています。

アジアの食材を活かしたクリエイティブなカクテル群

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棚に置かれたのは数本のボトル。とはいえ、メニューを見せてもらうと、シグネチャーが10種ほどあり豊富です。ほぼ月替りとのこと。

このシグネチャーが興味深いものばかり。基本的には、地元の食材が活かされたメニューが多数。

メロンやライチなどの果物だけでなく、チャイ、セロリ、卵黄、豆乳/黒ゴマなどなど食材が書かれたメニューは、カクテルバーというより、イノベーティブなレストランのそれのようです。

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しかも、アジアでは一般的な食材ばかりであるところに、嬉しくなります。

バンコクの店ではありますが、この店があるのは中華街のはずれ。東アジアの食材も“身近なもの”だと捉えていいでしょう。

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メインバーテンダーは、アヌパス・プレマヌワット(Anupas ‘Kong’ Premanuwat)さん。

話してみると、現在は上海の『スピーク・ロー』や『ソバー・カンパニー』、渋谷『SGクラブ』などを経営している後閑さんのNY時代の教え子だったそう。

それを聞いて、なるほど!と膝を打つのでした。

 

『スピーク・ロー』後閑氏直系のクリエイティビティ

よくよく見てみると、ある程度は『スピーク・ロー』っぽいカクテルもありますが、ほぼ独自に地元の食材などを使ってアレンジしているカクテルがほとんどでしょう。

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この系統を私は、イノベーティブなレストランのカクテル・バージョンだと考えています。

例えば、食糧事情に困ったエリアがあった場合、食べ物そのものを与えるのか、食べ物作りのノウハウを与えるのかという議論があります。理想はどちらもバランスよく与えることなのですが、極論すればこの2つの解決策しかありません。

20世紀の職人的な料理界では、スタッフ教育に関して、前者が強調されていました。決められたレシピを正確につくることを教え込むのです。ただ、現在のイノベーティブな料理界では、それだけでなく、レシピ自体をつくることも求められます。

映画『ノーマ、世界を変える料理』を観てみると、厨房のシーンでは、スタッフが技術の習得に励むのでは、新しいレシピのアイデアを持ち寄ってミーティングしているところが多く映し出されていました。

もちろん実際の日々の中では、ルーティーンが8割でこういった場面が2割とかの割合で仕事をしているのでしょうが、この2割のクリエイティビティ・ワークがあるかないかは大きな違いでしょう。

カクテルの分野でも同じような流れになっているのでしょう。既にできているカクテルのレシピを覚え込むだけではなく、そのレシピの考案の仕方まで習得すれば、新たな風景が見えてきます。

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バンコクの廃墟のようなミニマル空間で、そんな豊穣なDNAに触れることができました。それはちょっと嬉しくなってしまう出会いです。

 

『Ku Bar(ク・バー)』店舗情報

平均予算:800-1,500タイバーツ(約3,000~5,000円)
営業時間:19:00-24:00 定休日:月~水曜
電話番号:+66 2 067 6731
住所:3rd floor, 469 Prasumen Road, 10200 Bangkok
オフィシャルHP(英文)はこちら

予約に関して

電話あるいはオフィシャルfacebookから(タイ語・英語)。外国語でのやり取りが面倒な方は、代行予約サービスなら日本語でコミュニケーションが取れます。

 

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