Contents
中国第3の都市・広州。「食は広州に在り」とまで称された食の都の現在はいかに?
広州のグルメ事情、名物料理は何? おすすめ高級レストランなど、食にまつわる概略をご紹介します。
introduction:中国広州グルメ概略
「食は広州に在り」――あまりに有名で、あまりに重みのあるこのキャッチフレーズが示すことは2つあると思います。
まずは、広東料理に関しては何を食べても美味しいということです。まずいものを探すほうが難しいのではないでしょうか。
100年近い歴史を持つ老舗の酒店はもちろん、適当にストリートフードを食べても美味しいのです。
・広州の名物料理は何?
中華の4大料理に数え上げられる広東料理をおいて他にはないでしょう。一般的に薄味で、素材のうま味を生かす料理が特徴。中華の中では現代的だと捉えられることも多くあります。香港でも上海でもミシュランの3つ星は広東料理店です。
軽食として有名な「飲茶(ヤムチャ)」や「ワンタン」は、そもそも広東語。日本語でも英語でもそのまま通じるほど、世界的に広まった証でしょう。
「広東人は飛ぶものは飛行機以外、泳ぐものは船や潜水艦以外、四つ足は机と椅子以外、二本足は人間以外なんでも食べる」といった半ばジョークがよく引き合いに出されるように、食材の豊富さは特筆モノ。燕の巣、フカヒレはもとより、イヌ、蛇などまで食材として市場で売られています。
その中では、チキンやガチョウをはじめとした鶏料理には定評があります。しっかりした広東料理店では、ハトの丸焼きなども一般的にメニューに入っています。豚料理では、広東風の叉焼も美味しく、大きな宴会では子豚の丸焼きなどが味わえます。
・広東料理の現在
「蘇州に生まれ、杭州に住み、広州で食べる」ということわざにも似た言葉が伝わるように、伝統的に中国の中では食の都として知られる広州。
ただし、近代以降、トップレベルのレストランは香港のほうが多いというのが常識ではありましたが、香港との関係の変化、経済の発展とともに徐々に地殻変動が起こり始めるのかもしれません。
洗練された高級中華は、ハイアットなどのラグジュアリーホテル内のダイニングに集中しています。
街場のレストランは、比較的伝統的な味を伝えているレストランが多いように思えます。
・その他各国料理の現在
広州は、既に美味しいものがある土地の料理があるせいか、上海や香港に比べると、欧州料理や日本料理などインターナショナルな料理に関しては見劣りがします。
一部の高級ホテルチェーンのダイニングにはハイレベルな店が出てきましたが、まだ始まったばかり。
例えば、広州ならではのフランス料理シーンなどは生まれていないと思います。
約1,400万の人口を抱え、近代化が進んでいる都市とすれば、新しい動きに対しては出遅れている感も否めませんが、上に書いたように、もともとの広東料理のレベルが高すぎるのです。
うまく発展していけば東洋のバスクというような、内外ともに認める美食都市になるポテンシャルが高い街の一つであることは変わりないでしょう。
各ランキングガイドでの評価
・ミシュランガイド
2018年6月28日付けで、初の広州版ミシュランガイドが発行になりました。
『炳甠公館』、『炳胜私厨』、『玉堂春暖』(White swan hotel)、『江–由輝師傳主理』(マンダリンオリエンタル)、『丽轩中餐厅』(リッツカールトン)、『利苑(越秀文店)』、『恵食佳』、『愉粤轩』(Four Seasons Hotel)が1つ星を獲得。
そして20店のビブグルマン掲載店が誕生しています。
・アジアのベストレストラン50
過去にノミネートされた店舗はありません。『好酒好蔡研究工作室』あたりが入っていても違和感がないのですが、審査員自体があまり広州には行っていないのかもしれないと邪推してみたくなります。
・La Liste
『好酒好蔡研究工作室』『炳甠公館』『江–由輝師傳主理』『林記燕翅鮑』『Hui Shi Jia Restaurant at Bingiang』の5軒がベスト1000内にランクインしています。
注目店には17店、Food Gemにも1店掲載されていて、次の広州グルメの流れを作る原石がこのリストの中に眠っているかもしれません。
各ランキング・ガイドの特徴についてはこちら
・Foodies Asiaでの掲載記事
中国語で予約をするのが不安な方は、代行予約サービスがおすすめです▽