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パスタ+メイン以降は、イタリアン、フレンチ、カントニーズと駆け抜ける自由さ
5皿目は、ラビオリ。これがスペシャリテだということ。あ、イタリアンがルーツのシェフだったんですね。
聞いてみると、シェフはカナダ出身で、香港に来る前はイタリア料理店で働いていたとか。
2010年には、イタリアの料理コンテストで「Young Chef of The Year」も受賞。この「ラビオリ」は、そのコンテストの受賞メニューだそう。
メインに入るのでしょうか、6皿目は、スズキのグリル。
各種ビーンズの香りが印象的。
次は肉料理ということで、カトラリーのセッティングが変わります。
ライヨールのナイフが置かれると、きちんと肉を食べて欲しいと考えている店だということがわかり、安心します。
メインは鴨。ぎしっりと詰まった感がある身だったので、フランス産かと思ったら、香港産とのこと。
国内で、こんな美味しい食材を生産しているんだ、香港は?!と驚きました。
7皿目のプレデザートは、豆腐のムース。
豆腐をスイーツにする発想は、香港的ですね。実は、一番印象に残っている料理はこれでした。
メインのデザートは、パッションフルーツとバニラアイス。
小菓子は、香港&フランス&イタリアの混成軍。
もっとも一皿のなかに、インターナショナルな感覚が詰まっていたのはこれかもしれません。
ディアスポラかつ自由な文化で育った出自
カナダ生まれの香港人には、少し興味があります。1997年の中国への返還を前にして、それを嫌った人の多くはカナダに移住。
なので、カナダには、華僑という大雑把なくくりではない、香港人のコミュニティがあります。そこで住む人たちも、ある種のディアスポラ(何らかの事情で故郷を離散した人びと)と捉えられるでしょう。
このChris Keungシェフもそういった環境のなかで育ったのでしょうが、この『リバティ』の料理には、一般的なディアスポラに付きまとう悲劇的なムードはほとんど感じられません。
むしろ、軽やかに国境を駆け抜けていくイメージです。
現実問題として簡単なことではないですが、国籍なんて自分で選べばいいんだ?
自分の勝手な解釈ですが、離れた土地で暮らしていたからこそ、そんなバッグボーンにある「インターナショナルな感覚」が反映されていたような気がします。
エレベーターを下り、香港の雑踏のなかにふたたび戻っても、なんだか気分は軽くなったままでした。
自由。難しいことだけど、やっぱいいな、と。
『MIC Kitchen』店舗情報
営業時間:19:00-23:00
定休日:日曜
電話番号:++852 5186 3282
住所:S26/F Stanley 11, 11 Stanley Street, Central, Hong Kong
オフィシャルHP(英文)を見る
ドレスコードと店の雰囲気
ドレスコードは特にありませんが、いわゆる「スマートカジュアル」が無難でしょう。食事の間も含めて、コミュニケーションは英語か中国語が話せる方なら、まったく問題ないでしょう。
予約の仕方
予約は電話かオフィシャルHPから(中国語、英語)。あるいは、日本語で予約したい場合は、代行サービスが便利です。
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