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西荻窪の人気ビストロ/ワインバー。
圧倒的な自然派ワインの品ぞろえと、そのワインを活かす料理のバランス感の先に見えるものは?
平均予算:ディナー 10,000~15,000円
気持ちのこもったナチュラルワインと、気の利いたビストロ料理
押しも押されぬ人気店ですが、その魅力は店の空気感にあるような気がします。
手づくりのテーブルや使い込まれた椅子が配された、センスのいい店構えということだけでなく、料理やスタッフ、そしてワインも含めた空気感ということです。
居心地のよいインテリアだけでは、こんなに落ち着いた気分になれるわけではないと思いますので。
種類が豊富なワインがあって、こだわりが詰まったフードメニュー。
オーナーの紺野真さんは、「もともと料理人として修業したわけじゃないですから」と笑いますが、その料理は、旬の素材の活かし方やスパイスなどアイデアが詰まっていながらも、ワインの合うフレンチであるツボは外していません。
ケレン味のない料理は定評があり、レシピ本も出版するほどです
簡単に言えば、「ストーリーがある」ということなのでしょう。
「ストーリー」という言葉は、料理や食材の魅力を語るときにも最近ではよく使われるようになりましたが、『オルガン』の魅力は、そういったストーリーをつくっているわけではなく、そもそもあるというナチュラルさなのかもしれません。
オーナーの紺野真さんは、ミュージシャンを目指してアメリカ留学したのち、帰国し、名門フレンチのサービスなどを経たのち、三軒茶屋に『uguisu』を立ち上げます。
後から振り返れば、『uguisu』は自然派ワインを日本に広めた聖地の一つのような存在になっていますが、それを前面に出すというより、もう少し広い意味でのカルチャーのようなものとして捉えていたように思えます。
ただドリンクを飲んで、食べ物を楽しんで、時間をつぶすだけではなく、何かが生まれるような空間としてお店。
そんなスタンスに、自然派ワインがスポッとはまったのでしゃないでしょうか?
かなり前になりますが、一度、紺野さんとワインについて、しっかり話す機会があって、非常に面白かった記憶があります。
合わせてくれたのかもしれませんが、ワインの味をソムリエ的な解説するというより、作り手のスタンス、ブドウが育っている環境などから、どうしてこのワインが面白いかを、まるで好きな映画の話をしているかのように
それを聞いて、自然派ワインはカウンターカルチャーでもあることを理解し、より好きになりました。
すべての醸造家がそうではないですが、オーガニックでワインを作ろうなんていう先駆者は相当な変わり者が多かったようで。
一般的に見ればネガティブなことも、彼からすれば「いやあ、パンクですね」と愛してしまうスタンスが清々しかったのです。
言い換えれば、ナチュラルワインのある先駆者たちは、商品をつくりたいわけではなく、アティチュードの結晶としてナチュラルワインをつくっていたのでしょう。
その遺伝子は、しっかりとこの『オルガン』にも宿っていることが感じられます。
料理のための料理、ワインのためのワインではなく、そういったアティチュードから生まれる美味しさ、楽しさを感じられる貴重なビストロ/ワインバーです。
店主・紺野真さんの著作
『organ(オルガン)』店舗情報
営業時間:17:00~24:00(L.O.23:00)、日曜営業
定休日:毎週月曜日・第4火曜日
電話番号:03-5941-5388
住所:東京都杉並区西荻南2-19-12
予約に関して
電話あるいはweb予約で。
web予約は、ヒトサラで受け付けています。
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店の地図
【東京】自然派ワインが美味しいフレンチ▽