東京・代々木上原『Celeravird(セララバアド)』イノベーティブ ☆☆

Tokyo-Celeravird

『エル ブジ』のモラキュラー、『ノーマ』の新北欧料理などを通過した「カジュアルなモダンガストロノミー」として登場。グルメシーンに衝撃を与えたオープンから3年半が経った現在でも、オンリーワンな存在であり続けているレストラン『セララバアド』。定点観察のレポートなどで、その真骨頂を振り返ります。
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本場のイノベーティブを出発点に、日本の情感までを表現

『エルブジ』や『ノーマ』など世界の最先端のレストラン出身ということで紹介されることが多いこの『セララバアド』ですが、個人的には「日本流のリリカルなモダンガストロノミー」だと捉えています。

 

 

北欧現地で学んできたシェフが開いた店も東京で増えてきて、テクニックとしてニューノルディックキュイジーヌ(新北欧料理)を楽しみたいときの選択肢は多くなってきましたが、その理念を消化して、日本流の表現に昇華しているレストランとしては、この『セララバアド』を真っ先に挙げたいと思います。

Tokyo-Restaurant-Celeravird

例えば、『ノーマ』のレネ・レゼピらが提唱した「新北欧料理のマニフェスト」に関して、地産地消的な食材の向き合い方はよく紹介されますが、最初の項目はこんな一文。

北欧という地域を思い起こさせる、純粋さ、新鮮さ、シンプルさ、道徳を表現する

つまり、もしこの理念を日本でやろうとすると、北欧を日本に置き換える必要があります。もちろん、和食である必要はありません。

グローバルな評価を得る美術家が浮世絵を描かなければいけないわけでもないですし、音楽家が邦楽をやらなくてはいけないわけではないでしょう。

料理でもそれは同じだと思うのですが、スタイルとして現地のものをそのまま借りてくるだけではなく、どう日本らしさに、そのシェフらしさに落とし込んでいくか?がポイントになってくるはずです。

そういった意味のオリジナリティでは、群を抜くレストランの一つなのは間違いがありません。

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パーマカルチャーに感化され、『エル ブジ』で分子料理の技術を、『ノーマ』で新北欧料理の精神を習得

年に1-2回ほど、気が向いたときに訪れる関係ですが、オープン以来、コンセプトから大きく変更があったわけではないと思います。

けれども、行くたびに美味しく、世界観はタイトに、表現としての強度も強くなっているように感じてしまうのは、なぜでしょうか。

そもそもフレンチやイタリアン色がとりたてて強いわけでもなく、もちろん和食でもありませんので、なかなかジャンル分けが難しいレストランなのですが、行くたびにどこか桃源郷にいるような感覚が強くなってきています。

Tokyo-Restaurant-Celeravird
店名の由来は、宮沢賢治の童話のなかに出てくる登場人物の名前からだそうなのですが、まさに賢治の世界観のようなエスペラント的な感覚も感じられます。

また、橋本シェフいわく、『エル ブジ』の存在を知ってスペインに飛ぶ前は、石垣島でパーマカルチャー(持続可能な循環を作り出すための環境デザインのこと)をレストランに落とし込むにはどうすればいいかを考えていたそう。

それらを聞いたときに、『エルブジ』のモラキュラー(分子料理)のテクニックも、『ノーマ』の新北欧料理の精神も、それ自体が目的なのではなく、プロセスとして捉えている方なんだなと実感しました。

年々、深化し続ける稀有なレストラン

日本各地に潜んでいる食材のセレクト、営業時のオペレーションなど、ディテールが向上するに連れて、そのアプローチが、少しずつ研ぎ澄まされてきているということなんでしょう。

Tokyo-Restaurant-Celeravird
2017年春に始まったランチで訪れた際には季節感がよりダイレクトに反映されて感動。

これも、厨房で何か変わったというより、表現したいイメージに近い食材などが集まるようになったという、日々のコツコツとした努力の結晶でしょう。

2018年の夏にディナーで訪れた際は、テーブルに置かれたメニューが、童話のような物語になっていることに驚きました(その後、通常のメニューも出てきます)。

味だけでなく、世界観もタイトになってきています。

と、年々、深化が続いていることも楽しいお店。この手のイノベーティブなレストランは、1度行ってしまうとわかった気になって、なかなか次に繋がらないことが多いのですが、

Tokyo-Restaurant-Celeravird

文字通り、予約の取れない人気店

ちなみに、18席しかない小さなレストランということもあり、煽り文句ではなく、言葉通り「予約の取れない店」として知られています。

私自身は、直前のキャンセルなどがあったのか、ネット予約のカレンダーに偶然空きを見つけたときに予約しています。直前のほうが狙い目ですね。日々の生活では散々だったとしても、こういう運だけは、持っているみたいで、私。

どうしても行きたい方は、キャンセル待ちに登録しておくのが、一番の近道だと思います(それでも、近くはないですが…)。

Tokyo-Restaurant-Celeravird

 

2ページ:ディナー(2018年夏メニュー)のレポート >

3ページ:ランチ(2017年春メニュー)のレポート >

 

 

『Celeravird(セララバアド)』店舗情報

営業時間:ディナー 18:30 open 19:00 start/ランチ 11:30 open 12:00 start
定休日:日・月曜日
電話番号:03-3465-8471
住所:東京都渋谷区上原2丁目8−11 TWIZA上原
オフィシャルwebはこちら

予約に関して

言葉とおり「予約の取れない店」。現実的には、キャンセル待ちを狙うしかないでしょう。店に連絡しキャンセル待ちの旨を伝えれば連絡がもらえることがあります。またはweb予約などをこまめにチェックしてみましょう。

 

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