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ソウルのグルメシーンでは『チョンシク』『ミングルズ』とコンテンポラリーな韓国料理にも注目が集まっていますが、伝統的な韓国料理が魅力を失っているわけではありません。
その代表格が、この『羅宴(ラヨン)』。伝統的であるからこそ、若い世代には新鮮に映る“韓食正餐”を体験してきました。
平均予算:ランチ 15,000~20,000円、ディナー 20,000~30,000円 / 「ミシュランガイド ソウル 2019」3つ星
伝統的であるからこそ新しい“礼と格式で準備した韓食正餐”
韓国を代表するホテルの一つ「ソウル新羅ホテル」の23Fに、この『ラヨン』はあります。
韓国料理として「ミシュラン」初めて三つ星を獲った記念すべきレストランで、2015年はNo.38、’16年はNo.50、’17年はNoと着実に「アジアのベストレストラン50」にもノミネートしています。
地下鉄「トンデイック(東大入口・Dongguk Univ. 332/동대입구)」駅からすぐのところにホテルのエントランスはあるのですが、敷地が広くそこからの道のりも長いことが特徴です。
と言っても、ここを利用する方は、たいていタクシーなどでの利用でしょうが。
ソウルきっての名門ホテルの23階から眺める絶景
エレベーターで23階まで上がると、まずウェイティングルームが目を引きます。
最近は、良いお店でも省略されることも多いスペースですが、フォーマルな食事ではやはりあってほしいものです。
この『ラヨン』が韓国レストランにおいては、グランメゾン級だという店の格式がうかがえます。
席に着くと、抜群の眺めです。さすが一流ホテルの高層階!といったところでしょうか。
食前にシャンパンをいただきましたが、白や赤を含め、ワインのラインナップも秀逸です。
焼酎( ソジュ)やマッコリなど韓国を代表するアルコールも、もちろん豊富に揃っていますが、やはりインターナショナルで評価されるお店は、何料理であろうと、優れたワインリストを持っていることは必須のようです。
食材の良さが目を見張る前菜
ランチコースのメニューは、『礼』(98,000韓国ウォン)と『羅宴』(170,000韓国ウォン)の2種類。
メインとご飯ものは、2~3種から選ぶプリフィクスで、今回は『礼』のほうを選んでみました。
前菜を待つ間のスナックに、ナツメのチップスとメセンイという海藻で作ったおせんべいが。気軽にポリポリ食べ始めたのですが、これが美味い。
ブラインドテストで食材を厳選したナツメを使ったチップスと海藻でつくった煎餅だそうです。
食事自体が入らなくなるくらい、ついつい食べすぎそうなので、なんとか自制。
緑茶も上品な味でした。
前菜の一皿目は、「生人参と長芋のすり流し」。
山芋の下に人参が潜んでいますが、茶わん蒸しのようなふんわり加減です。
二皿目は、「鮑の味噌水刺身」。
ふんわりと軽く火入れした鮑が、韓国らしいナムルの上に乗ります。
そして、「ニベのチヂミ」。
これまで食べてきたチヂミとは違い、まるでオムレツのようなまろやかさが印象的です。
メニューブックにも記載されていたのですが、この『ラヨン』では食材は韓国全国から厳選され直接仕入れた旬のものだけが使われているとのこと。
前菜の上品さがただようまろやかなテイストからも、そのコンセプトが徹底されていることが伝わってきます。
最高ランクの韓牛を使ったメインと、鮑を丸ごと使った釜飯
そういこうしているうちに、コースも佳境を迎え、メインに。
この日は「ロース焼き」「網焼きプルコギ」「カルビの蒸し物」があり、シンプルに「ロース焼き」を選んだのですが、これが絶品。
霜降りのしつこさはないのですが、柔らかくジュッと口の中に肉汁が溶けていきます。
スタッフに聞くと、国内産の韓牛でも1++という最高ランクの牛ロースの中でも最も柔らかいコッサルという部位を使用しているとか。
この肉を専用熟成庫で寝かして、一番美味しい状態で焼いているそうです。
ご飯ものは、「鮑塩混ぜ釜飯」で。これもまた美味也。
古いものはいつも新しい。そんな一回転した現在の伝統料理のかたち
最後は爽やかにスイカのソルベを使ったポンチに続き、韓国伝統の小菓子とお茶で〆。
韓国料理というと、どちらかと言うとB級的な旨さだと思っていたのですが、この“礼と格式で準備した最高の韓食正餐”を標榜する『ラヨン』のランチを体験してみて、かなりイメージが変わりました。
伝統的な調理法を基本にしながら現代的な要素も取り入れた韓国料理と言ってしまえば簡単ですが、その伝統の可能性を感じさせるものです。
「繊細かつ上品」。それを極めていくと、非常にナチュラルなテイストになるようです。
そのナチュラルさは、ある意味では現在のイノベーティブな料理の最先端が追求するスタンスに近くなっていきます。
古いものはいつも新しい。そんな一回転した現在の伝統料理のかたちが、ここソウルでもあったようです。
『羅宴/La Yeon(ラヨン)』店舗情報
営業時間:ランチ 12:00~14:30 ディナー 18:00~22:00
定休日:無休
電話番号:+82 2 2230 3367
住所:Hotel Shilla 35F, 249 Dongho-ro, Jung-gu, Seoul
オフィシャルHPはこちら
ドレスコードと店の雰囲気
きちんとしたホテルレストランなので、それなりの格好を。
韓国語はもちろん英語でのコミュニケーションはまったく問題ありません。スタッフにもよっては日本語ができる方もいました。
予約の仕方
電話はもちろん、オフィシャルwebからの予約フォームもあります。
店の地図
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