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カナダ出身の香港人シェフによる、注目のインターナショナル・フュージョン。イタリアン、フレンチ、広東料理を自由に駆け抜けるスタイルに、身も心も軽くなりました。
*この記事は、旧店名『Twenty Six by Liberty(トゥエンティシックス・バイ・リバティ)』時代に訪れた際のレポートです。
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香港の個店では珍しい眺めのいいレストラン
アグレッシブな広東料理で、香港ミシュラン3つ星を獲得している『ボ・イノベーション』出身のシェフ(Chris Keung氏)が、面白げな店をやっていると聞いたので、行って来ました。
『Bo Innovation/厨魔 (ボー・イノベーション)』
研鑽を積んだ店のテイストから、勝手に広東料理ルーツのイノベーティブかと思っていたら、インターナショナルだったのが、驚きでした。
要所要所に広東料理のエッセンスが入るというイメージ。
多国籍は結局無国籍、みたいなものとか言い出すとややこしくなりますが、香港はそもそも租借地という、ある種、国という観点でいうと、どこでもない土地。
インターナショナル・キュイジーヌというのは、それはそれで香港らしさと言えるかもしれません。
店自体のオープンは2015年。中環から徒歩で5分ほど、飲茶の老舗『陸羽茶室』や1つ星のローストグース店『一樂燒鵝』などがある、スタンレイ通りのビルにあります。
エレベーターで26階にあがるのですが、中環のホテル系ではない個店で、これだけの抜けのいい眺望は希少でしょう。
ご存知の通り、香港の中心地はビルが密集していて、窓の外は隣のビルの壁なんてことも多いので、窓は開かず、見せないインテリアを追求している店が多いのですが、ガラス張りのこの開放感は、それだけで「リバティ」という店名を納得させます。さすが26階。
メニューは、8皿+アミューズ+小菓子のデギュスタシオン・コースのみ
営業はディナーのみ、コースもデギュスタシオン・コースの一本です。
値段は、8皿のコースで800香港ドル(約11,000円)。追加料金で、ラビオリの際に北海道産ウニを選択できるようですが、「日本でいっぱい食べてるから遠慮します」と言ったら、スタッフは残念そうな表情。日本産の食材への信頼は篤いようです。
グラス数が違う、ワインのペアリングコースもあります。香港では持込料が安めのレストランが多いのですが、コルケージチャージは高め。
ワインにはこだわりがあるようです。素直に、店にあるものを飲んだほうが、美味しく楽しめそうです。
アミューズは、香港でよく見かけるストリートフードのユーモア。
前菜は、軽やかなイノベーティブ風
前菜1皿目は、スープ。
タコとジャガイモのポタージュ。華やかなプレゼンテーション。
2つ目はサラダで、キュウリ。
エディブルフラワーが見た目のアクセント。
4皿目は、タイのカルパッチョ。今度は、違った種類のトマトを使い分けています。
多皿構成のコースにしては、一皿のポーションは大きめですね。
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