Contents
「アジアのベストレストラン50」でもトップを争う、あの『傳』の長谷川在佑氏が料理監修を務めるのが長野の宿場・奈良井に生まれた『嵓(kura)』。
普段は滞在客のみに提供している、その野心的な料理が週末の昼なら一般客でも味わえます。
平均予算:ランチ 3,000~5,000円
店の特徴
日本最長の宿場町として、今もその当時の面影を色濃く残す奈良井宿。
風光明媚な古い街並みが、国内外の観光客に人気のエリアですが、少しずつ新しい流れが生まれているようです。
その一つが、「約二百年の建物で、百の物語を味わう」をコンセプトに2022年4月にオープンした『BYAKU Narai』。
4つの蔵を改装し、生まれた全16室の客室は、用途も間取りも異なる4棟の歴史ある建物の構造を活かした個性的で多様。
そういったコンセプトなので、街の景観は全く変えていないところにも、これからの観光のあり方の一つを示しているように思えます。
『傳』の長谷川在佑氏による料理監修
滞在する空間だけでなく、提供する食事にもストーリーが込められています
料理監修は、あの『傳』の長谷川在佑氏。
先日、前橋で『フロリレージュ』の川手シェフの監修の『the RESTAURANT(ザ・レストラン)/白井屋ホテル』に伺ったので、こちらも行っておかなくちゃ不公平かな?と。
はい、行くための単なる言い訳です。
近くを通る機会があったので、少し贅沢しようと。
もともとの建具などを使いながらモダンにリフォームされたレセプションで、名前を告げ、ダイニングスペースに向かいます。
カウンター席とテーブル席があって、カウンター席に腰を下ろします。
借景が旅情を誘います。
食事は滞在者優先で、週末の昼のみ食事客にも開放されています。
「嵓 御膳」(2,900円)がグランドメニューのようですが、「一休レストラン」で偶然ランチコース(5,500円)が出ていたのを見かけて、予約してみました。
このあたりのメニューは流動的かもしれませんので、各予約サイト、オフィシャルwebサイトなどで確認してから、伺ってみてください。
話を戻して、このランチコース、概ね8品の構成のディナーコースから6品をピックアップされたショートコースのようです。
机に置かれたメニュー表の裏には、主要な生産者の本拠地がマッピングされています。
周辺120kmくらいにある、信頼できる生産者の食材を使っているとのこと。
メニュー自体は、それぞれののコンセプトが書かれていて、特徴的だと思うので、そちらも紹介していきます。
「ここにしかないもの」を追求する料理の数々
まずはドリンクを。
紫蘇ジュース
ノンアルのワインやビールはないとのことだったので、紫蘇ジュースで。
ほかにりんごジュース、冷たい紅茶、三年番茶などがあるそうです。
清香(せいこう)
旬菜と出汁の邂逅が成す「清香」
まずは心身を清らかに
ツートーンカラーのとうもろこし「大和ルージュ」のすり流し。
紅と黄の実が付くそうで、すり流しにしても、ほのかに赤が浮かび上がります。
器は、杉の森の蔵から出てきたもてなし用の器を、平沢地区の職人が塗り直したもの。
暮らし
信州の暮らしに馴染み深い
定番料理を「嵓 kura」流に
この日のランチでは、このカテゴリーはスキップ。
水明
陽光に輝く「水明」のごとく、
澄んだ水で育った銀体の魚を
シナノユキマスと鯉の造り。
ユキマスは溜まり醤油、鯉はニッキ油で味付け。
伝承
奈良井の祭りや冠婚葬祭、
大事な食事に供される鯉を「伝承」
鯉は造りで出たこともあって、ここはスキップ。
里山
大地の恵みをひとつひとつ
炊き合わせた「里山」の゙野生
手前の夏野菜の冷製テリーヌがきれいに映えます。
上には、揚げなす かぶ ビーツ かぼちゃ、右にはブロッコリー、ほおずき 大根など。
人参ソースか、味噌パウダーをドレッシングとして。
嵓シシ
古語において肉の意味を持つ「シシ」
命をいただく感謝。
「シシ」といメニュー名にイノシシが豚を想像していたのですが、肉料理は、信州プレミアムビーフでした。
3日間ほどかけて低温調理で含め煮のように仕上げていくそう。
付け合わせは、万願寺唐辛子、つるむらさき、里芋。
響
「嵓 kura」のおもてなし「響」
水でつながる土鍋ごはん
豚は、こちらで出てきました。
プレゼンテーションで見せてくれた土鍋のオレインポークと大和ルージュの炊き込みご飯。
肉たっぷり。
茶碗によそって、再び出してくれます。
漬け物は、きゅうり、みょうが、夕顔。
Mizu-Gashi
美味しさも旬も一歩先へ。
「水菓子」を「Mizu-Gashi」に。
清水牧場のヨーグルトのアイスクリームとシャインマスカット。
もしかしたらランチですので、カジュアル版かもしれませんので、「一歩先」までいくかどうかはわかりませんが、めちゃくちゃ美味しいコクのあるアイスクリームでした。
ランチだけでもおすすめ
奈良井宿の古い町並みの真ん中という立地、リノベートされた心地よい空間、ほど良い距離感のサービス、そしてストーリーとワンアイデアを加えながら、美味しさは決して外さない料理。
一回のランチだけでは「凄み」のようなものまでは感じませんでしたが、非常に納得感のあるコースでした。
木曽福島~奈良井あたりでご飯を食べるとき、蕎麦や郷土料理以外ではイタリア料理の『バーゼ(base)』一択だったのですが、良い選択肢ができたな、と。
「嵓 御膳」でも、秋にはきのこ、冬にはジビエなどの地元食材を取り入れていくとのことなので、季節ごとに訪れるのも楽しいと思います。
メニュー
【週末のランチ】
「嵓 御膳」2,900円
「ランチコース」5,500円
*メニュー・料金はあくまで参考になります。季節や食材の入荷状況によって変わることを前提にご覧ください。
予約方法
電話かwebから。 web即時予約は、一休・食べログで受け付けています。
「BYAKU Narai」の宿泊を予約する▽
「約二百年の建物で、百の物語を味わう」
そんなコンセプトのもと、4棟の歴史的建造物を御宿にリノベート。
全16室の客室は、用途も間取りも異なる4棟の歴史ある建物の構造を活かした個性的で多様な部屋として、泊るたびに違った物語を体感できます。
Expediaで予約する るるぶで予約する 一休で予約する じゃらんで予約する
店の地図・アクセス
JR中央本線「奈良井駅」より徒歩5分。
『嵓(kura)』店舗情報
営業時間:ランチ 11:30~14:30(L.O.13:30)
定休日:月~木曜
電話番号:0264-34-3001
住所:〒399-6303 長野県塩尻市奈良井551
オフィシャルwebはこちら
関連記事▽