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タイ北部の古都・チェンマイで独特な光を放つレストラン『Blackitch Artisan Kitchen(ブラキッチ アルティザン キッチン)』。
現地ではTEDへの登壇やTV出演で知られる若き理論派が、発酵食品や日本料理の研究から独自に生み出した「ここでしかつくれない料理」を堪能。
平均予算:ディナー 7,000~10,000円
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タイ北部では注目度No.1。小さなイノベーティブ・レストランが切り開く料理の可能性
タイ北部の古都チェンマイ。
その歴史とともに、観光地としての安定的な人気を誇っていることもあり、食のレベルも安定している街だと言えるでしょう。
「カオソーイ」や「ソムタム」などチェンライ発祥と言われ」るストリートフードも充実しています。
ハイエンド向けのアーバンリゾートも多いので、そのダイニングでは、洗練されたタイ料理、西欧料理、日本料理などが提供されていますし、比較的裕福な長期滞在者も多いので、彼らの需要を満たすために、フレンチやイタリアンなどの良店が点在する街でもあります。
ただ、どちらかと言うと、コンサバな印象を抱いていたのですが、そんなチェンマイのなかで、先進的な料理にチャレンジしている店として、注目を浴びているのが、この『Blackitch Artisan Kitchen(ブラキッチ アルティザン キッチン)』。
場所は、旧市街北西の角にある「ウアリン砦」から約1km強。
観光客にはあまり馴染みのないエリアかもしれませんが、飲食店が軒を連ねる一角にあります。
一階の『GELABAR』を店内に入っていき、2階に上がると、お目当ての『ブラキッチ~』。
・手作り感にあふれ、親近感が持てる空間
テーブル上のセッティングも、かわいらしいカフェのようです。
実は、ここのPhanuphon Bulsuwanシェフ(通称・ブラック シェフ)は、テレビへの出演だけでなく、タイ版のTEDで登壇するなどの理論派というウワサもあったので、少し気を引き締めて望んだのですが、心地よい肩透かしを食らった感じです。
少しリラックスしたところで、まずはドリンクから。
ドリンクメニューを見ると、ワインという感じではなかったので、地元のクラフトビールで。
・メニューはおまかせコースのみ
予約の際にメニューは「9 courses」(1,800THB≒6,500円)のみだと聞いていたので、そのまま料理が始まっていきます。
最初にアミューズ的に出てきたのが、オーストラリア産の「ベイビースキャロップ」。小さなホタテですね。
サトウキビをソースにしています。
シェフ自身が、「とりあえず食べてみて」というので、口に入れると、これ、なんと「トムヤムクン」でした。
下のクリームは、蓮のクリームだそう。ほのかな甘味とまろやかさ、トムヤンクンの酸味のコントラストが面白い小品。
そして、3皿目は、ベイビーリーフを中心としたサラダ。
かと思ったら、その下に、チキンナゲットが隠れていました。
ドレッシングはニンニク醤油のようなイメージ。日本人にはホッとする味です。
・食材の組み合わせ、発酵食品の多用。細部の宿るアイデアの数々
続いて炭水化物。「たこ焼きみたいでしょ?」と持ってきれくれたのが、「ライスコロッケ」。
鶏レバーのペーストとチリケチャップを添えられています。
魚介のメイン的な立ち位置で、出てきたのが、「カニ」。
ビーツやほうれん草、大根と一体になっている皿ですが、カニのエキスが詰まったクリームが印象的。
さらっと「美味しい!」と食べられる逸品ですが、細かく味わってみると、かなり複雑なテイストが絡まったクリームです。
もう一品甲殻類で「海老」。
付け合せは、「サツマイモの天ぷら」。飾り包丁の入れ方がおしゃれです。
こちらは、ビーンズのソースで。
ここまででもかなりバラエティのある料理でしたが、週ごとだったり、月ごとだったりとコースの料理を決めているわけではないそうです。
あくまで、そのときに入手できる食材でメニューをつくっているらしく、同じものが来月食べられるとは限らないとか。
華美なものではないですが、アイデアはぎっしぎしに詰まったこんな料理を状況に応じてつくっているなんて。
「すごいな、それ」とじわりじわりと噛み締めながら、コースはまだまだ続きます。
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・〆には日本料理の影響も
9皿のコースなので、小さめの皿といえばそうなのですが、この手のコース料理の一般的なポーションよりは、やや多め。
かなりお腹の方も満足に向かっていますが、まだ肉と締めが残っています。
肉料理は、「豚頬肉のグリル」。
なんと栗きんとんが添えられています。
ニンニクのフリットもアクセントに。
具沢山で米が見えなくなってしまっていますが、「白身魚の照り焼き丼」です。
蓮の実、マッシュルーム、タケノコなどの具とともに、黒米が、タイらしさも醸し出していました。
デザートは、「お茶のアイスクリーム」に「ライスのシュー」。
・圧倒的な知識とセンス、けれども、あくまでさり気なく
どの皿も、それほど高度なことをやってるような「どうだ!」感はないのですが、その裏には、食材の組み合わせや複雑な味わいのソースなど、数々のアイデアが散りばめられていました。
そんなことを思いながら、店内を見渡すと、瓶があちらこちらに。
このシェフ、タイでは発酵食品のエキスパートとして知られているとか。
また、料理の説明の際に、食材名などは日本語で説明してくれたのですが、かなりの回数、日本にも勉強のために訪れているそう。
ただ、どこかの店で修行するとかではなく、そこで得たアイデアを自分なりに解釈し、現在の料理に生かしているというのが、バックボーンです。
この店が面白いのは、食後感が、どちらかと言うと「ヘタウマ」なイメージだったことです。
料理でこの言葉を使うのは誤解を招くかもしれませんが、アートや音楽だと、決して悪い言葉ではありません。
過度にテクニックに走るのではなく、斬新さや楽しさのほうが先にあるというだけです。
なので、ハマれば、高度な技術がこれ見よがしに使われたものよりも、スルッと頭と胃に入ってくるとようなことがよくあるはずです。
その意味で、これほど清々しいレストランに出会ったことは、めったにありません。
そんな貴重なお店です。
『Blackitch Artisan Kitchen(ブラキッチ アルティザン キッチン)』店舗情報
予算:ディナー 2,000~3,000タイバーツ(7,000~10,000円)
営業時間:11:00-14:00、18:00~22:00(完全予約制)
定休日:不定休
電話番号:+66 81 881 9144
住所:27/1 Nimmanhemin Soi 7, Suthep, Mueang Chiang Mai District, Chiang Mai
オフィシャルwebページはこちら
予約に関して
予約は電話か、オフィシャルwebから(タイ語・英語)。
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店の地図
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