フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理 ☆☆

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

 

「マドリッド・フュージョン マニラ」の開催など国ぐるみで食に力を入れている影響もあるのか、フィリピン、とくにマニラの食がどんどん進化しています。
そういったバッグボーンのなかで、新世代の躍進を象徴する店の1つが、この『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』。伝統の味にリスペクトを払いつつ、これまでなかったくらいコンテンポラリーなプレゼンテーションをフィリピン料理で実現。
「アジアのベストレストラン50」の2018年度で注目すべきレストラン「one to watch award」を受賞した、ノリにノッてるフィリピンの新鋭に迫ります!

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

平均予算:ディナー 10,000~15,000円/「アジアのベストレストラン50 2020」No.44、「La Liste 2020」No.980

日本語可!『Toyo eatery』をグルヤクで予約する

 

イノベーティブの力を追い風に、フィリピン料理を新たな次元に進める新鋭

2017年に自分が出会ったレストランでは、タイ・バンコクの『GAA』、台湾・屏東の『AKAME』とともに3本の指に入る驚きを感じたレストランでした。

「マニラもこんなすごいことになってるのか!?」というのが率直な感想です。

端的には、ニュー・ノルディック・キュイジーヌ以降のフィリピン料理の現在形とでも言えるのでしょうが、『トーヨー イータリー』を体験したことによって、この北欧からの風が世界に果たした影響というのを理解できました。

そんな話はさておき、さっそくレポートにいってみます。

場所は、マカティのはずれ、空港の2kmほど北側の「Karrivin Plaza」内にあります。新しいレストランコンプレックスですが、メトロ「Magallanes」駅からであればタクシーで5分弱、徒歩で20分、マカティの中心部からであればタクシーで20分程度の場所なので、アクセスはそれほど良いとは言えないですね。

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

駐車場を奥にどんどん進むと、レストランやカフェが連なるエリアが見えてきます。店の前まで行くと、看板代わりにコンクリートの打ちっぱなしに刻まれたロゴに、目が留まります。

クリスマスシーズンだったので左下の「O」はリースになっていました。このあたりのディテールにまで気を配られた店だということがわかり、一安心。

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

実は、この店を選んだのは、かなり直感に頼っています。

マニラでは断トツのお気に入り『ギャラリー・ヴァスク』とコラボレーションしていたのを、fbの投稿で見ただけで、何か匂う、だったら行ってみた方が早いと、あまり前知識なしに訪れたのでした。

☆ ☆

中に入ると、4人がけテーブルが並ぶダイニング・エリアの奥に、10人がけ程度の大きなテーブルが存在感を示すコーナーもあります。2階には個室もあるとのことです。

大テーブルに案内されると、そこはシェフズテーブルでした。

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

奥には、メインのオープンキッチン、横にはパティスリー用のオープンキッチン。まさに目の前で料理がつくられていきます。

この店内の構造に関しては、やはり多少なりとも『noma』に影響を受けているのでしょうか。

メニューは、大きく分けて2つ。3皿前後の「ショートコース」と、10皿前後の「デグスタシオンコース」。

その日はそれぞれ、1,000フィリピンペソ(約2,500円)と2,900フィリピンペソ(約7,250円)です。

それほど高くはないので、迷わず「デグスタシオンコース」を選択。メインはビーフかポークか選べたのですが、私にとってフィリピンは豚が美味しい国なので、そちらにしました。

ドリンクは、ビール、カクテル、ワイン、ノンアルコールなど満遍なく揃っています。メニュー名だけでは、どんな料理が出てくるかわからなかったので、シンプルなカクテルから始めます。

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

 

シンプルに素材のポテンシャルを生かしつつ、アイデアを加えた料理の連続

「Start」。アミューズですね。マカロンかとも思ったのですが、もう少しモチッとした食感。サービスマンがていねいに、「フィリピン伝統の味を新しいかたちにしたもの」と説明してくれます。

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

少し甘みの入った味やエディフルフラワーが南国感満載。このアミューズは、当分変わらないそうなので、何味かは自分で確かめてみてください。

次は「貝」。殻がかぶされた形で運ばれてきます。

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

貝をはずすと、珊瑚に囲まれた盛り付けで身が出てきます。

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

貝から出るスープを使ってシンプルに煮たやさしい味わい。

魚醤ベースの野菜の煮物も添えられ、こちらもホッとするやさしさ。

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

次は「魚」。

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

アジ系の小魚のから揚げで、ドライトマトとチリのパウダーが味にも見た目にも効いています。

このあたりから中盤戦でしょうか。続いて「烏賊」。

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

中には酢飯が入っていて、サービスマンも「SUSHIです」と説明してくれました。

口に入れてみると、「鮓」と書いた方が正確な味わい。暑いフィリピンでは、保存効果のために伝統的に酢が多用されるのですが、現地の強めの味のその酢と発酵を利かせた烏賊は、少しドロッとした強い味で、熟れ鮓にも似た印象を受けました。

続いて「海老」。これも米を使った料理で、リゾットですね。

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

海老を中心に搾り出された、フレンチで言えばビスクのようなニュアンスで、濃厚!

そして、ここにもパンチの利いた酢が使われ、独特の味に仕上がっています。

そして「鮑」。蒸し物です。

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

瓜系の野菜のピクルスが挟まれたところに、これまたフィリピンらしさを感じます。

 

 

外国語での予約が苦手な方は、予約代行サービスの利用が便利です
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クライマックスは、フィリピン料理の真髄をストレートに

そういえば、料理に夢中で、すっかり飲むのを忘れていました。終盤戦なので、赤ワインに変更します。

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

メニュー表には載っていなかった、口直しの野菜の酢の物。

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

それを一口で摘んだ後に、メインの「魚」が出てきます。

スズキ系のものだそう。

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

レアに火入れされたこともあるでしょうが、そもそも南国で獲れた魚のせいか、日本のような締まった身ではなく、ふわっとした印象。

これはこれでアリでしょう。マスタードの入ったマヨネーズが、うまくそのあたりのバランスを整えているのかもしれません。

最後は「豚」。串焼きでした。

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

甘口のタレを使い、部位を変えて仕込まれた豚を堪能できます。

付け合せのタレも、酢がベースになったものです。なしでも十分美味しいのですが、付けたときのタレの甘さと酸っぱさのミックスが、日本人にとっては面白い感触です。

同時に、丼も出てきます。

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

フレンチやイタリアンのコースを食べるイメージで挑むと、米、炭水化物を使った料理が多いなぁと一瞬思ってしまうのですが、あくまでフィリピン料理だと思えば納得です。

そういう食文化なのですから。

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

プレデザートで、パイナップルのソルベが出てきた後、メインのデザートはチョコレート・タルトとココナツアイスをセレクト。

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

プティフールも充実の4品で、ここまで外れなく、美味しくいただけました。

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

 

イノベーティブというジャンルだからこそ、かけがえのないスピリッツが美味しさの次の次元に導く

本当に満足なコースでした。フーッとため息を付きながら、大テーブルの間仕切りに使われた木のオーナメントがふいに目に入ります。

その木には、キノコがちゃんと付いているのです。かたちとしてきれいだと思っただけかもしれませんが、キノコ好きから見ると、この「わかってる感」もたまりません。

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

冒頭に、ニュー・ノルディック・キュイジーヌ以降と書きましたが、正確に言うと、その流れと並行して歩んできたキャリアのようです。

オーナーシェフのジョーディ・ナバラ(Jordy Navarra)氏は、イギリスの伝説的レストラン『ザ・ファット・ダック(The Fat Duck)』で料理人としてのキャリアをスタート。

その後、香港の『ボー・イノベーション(Bo Innovation)』で研鑽を積み、2014年マニラに『ブラック・シープ(Black Sheep)』オープン、そしてこの『TOYO EATERY』を至りました。

それはともかく、ニュー・ノルディック・キュイジーヌにしろ、イノベーティブにしろ、とかくテクニックの話になりがちです。美味しいのは当たり前として、これはどうやってつくったんだろう?というようなことに目が行きがちです。

でも、この『TOYO』でコースを食べて気づいたのですが、それは側というか器でしかないんだということです。それだけにかえって、何を伝えたいかというメッセージや気持ちが強くないとうわべだけのものになってしまいます。

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

音楽をわからない人には伝わりづらいかもしれませんが、私はEDM(エレクトリック・ダンス・ミュージック)が大っ嫌いです。単に機能的に踊りやすい構造だけを追求して90~00年代のエレクトロと呼ばれたテクノミュージックにミュージシャンやDJたちが必死に込めていたスピリッツを無化してしまったからです。

ニュー・ノルディック・キュイジーヌもテクニックなどのうわべだけを見ると、得てしてそういった形骸化に陥りやすいジャンルだと感じ始めてきました。

けれども、それはシェフそれぞれのものでいいのですが、そこにスピリッツがあれば、非常にグッと来るジャンルになりえるんだということを改めて認識した一晩でした。この『TOYO』にはフィリピンの料理を進化させたい、そんな気概がぎっしり詰まっています。

 

 

 

 

Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』店舗情報

営業時間:ディナー 18:00-23:30
平均予算:5,000~10,000円
電話:+63 91 7720 8630
住所:Ground Floor, Karrivin Plaza, 2316 Chino Roces Avenue, Magallanes, Makati City
オフィシャルFBページはこちら

フィリピン・マニラ『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』コンテンポラリー・フィリピン料理

予約の仕方

オフィシャルHPは今のところFBのみのようなので、電話あるいはMessengerで。
英語対応は可能ですが、日本語で予約をしたい場合は予約代行サービスの利用が便利でしょう。
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店の地図

 

 

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