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台湾きってのフランス料理だという呼び声も高い台中にあるレストラン『Le Moût(ル・ムー)』。
2008年のオープン以来、高い評価をキープし続ける、その実力を堪能してきました。
(*『Le Mout』は、2018年末をもって閉店しました)
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美しいシェフによる美しい料理の奥に潜む、ベテラン職人のような熟練の技
2014年にベスト女性シェフを獲得したランシュー・チェンさんがシェフを務めるモダン・フレンチ。
どうしても、このランシューさんがあまりに美人だという話が先に立ってしまうのですが、料理もサービスも美しいフレンチだということを強調しておきます。
参考記事:アジアのベスト女性シェフ歴代受賞店を総ざらい
でも、やっぱきれいか。
翌年に受賞した、香港の『テート・ダイニングルーム』のヴィッキー・シェフもきれいな方でしたし、ルックスが選考基準に入っているんじゃないか?と勘ぐってしまいます。
まあ、日本と比べれば、中国圏は、かつてから共働きが多い文化。女性料理人の数も多く地位も高いので、分母が違う、スタートラインが違うという考え方もできますが。
香港『Tate Dining Room & Bar(テイト ダイニングルーム&バー)』
とはいえ、この『ル・ムー』は、「アジアのベストレストラン50」では、先に挙げた女性ベストシェフだけではなく、2回目の2014年にNo.24にノミネートして以来、’15年はNo26、’16年はNo. 30、’17年はNo.28と、コンスタントに評価されてきたレストランです。
オープンは2008年なので、移り変わりの激しいこの業界で、10年近くトップレベルをキープしているのは単純にすごいことでしょう。
(2019年1月追記)
この『Le Mout』は、2018年をもって閉店しました。
『GAGGAN』のガガン・アナンドさんが言うように、レストランの寿命は10年くらいなのかもしれません。
とくにトップ・クリエイターは、そうなんでしょう。
香港の新聞で、「昨今のグルメシーンのなかで、トップレベルを維持することに少し疲れている」と語っていましたが、少し休めば、また何かやりたくなるんだろうなと、次の展開に期待しています。
アンティークを活かしたクラシカルな落ち着く雰囲気
場所は、台湾第2の都市である台中。
中央駅からは少し距離がありますが、近くに国立台湾美術館がある、文化エリアと高級住宅街がまざったような閑静な場所にあります。
1階のレセプションを通り、2階のダイニングルームに上がります。
テーブルクロスが敷かれたクラシカルなインテリアのなかに、どこか柔らかさがあるので、堅苦しい雰囲気ではありません。予算3万前後のファインダイニングとのことだったので、なぜかピカッピカなモダンな佇まいを想像してしまっていたのですが、嬉しい誤算です。
テーブル上のオーナメントも含めて設えのバランスは、絶妙ですね。
メニューは、3,500、4,500、6,500台湾ドル(約13,000~25,000円)の3コース。
予約時に、中間のクラシックコースと指定したので、ドリンクの注文だけで、進んでいきます。ワインのデギュスタシオン・コースもありますが、ランチなので、シャンパーニュ、白、赤の一杯ずつにしました。
スイーツのように美しく小気味良いアミューズから前菜
アミューズからふわっふわ。
パンに付くバターはプレーンと昆布入り。スタッフの方が、「昆布」という日本語を一生懸命思い出そうとする、微笑ましい一幕も。
前菜一品目。本物の玉子の殻です。
中は、コンソメロワイヤル。ウニ入りです。米のフリットとともに食べると、どこか茶碗蒸しっぽい安心感があったのですが、もちろんフレンチの味です。
続いて、海老とほたてのスープ。
蕪であしらった花が可憐です。このプレゼンテーションは、後半への伏線ですね。
日本語で予約したい場合は、代行サービスを使うのが便利です。
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