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和歌山でクラシックフレンチを追求し続ける『オテル ド ヨシノ』。
フレンチ好きの間では「和歌山詣で」という言葉が生まれる発端になったこの名店が目指すものは?
定点観測で迫ります。
平均予算:ランチ 10,000~15,000円、ディナー 20,000~30,000円/「ゴエミヨ 2020」明日のグランシェフ賞
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同時代を生きるクラシック・フレンチ
平成も終わり、令和も始まった今、昭和を代表する批評家の言葉を持ち出すのもなんですが、小林秀雄にこんな言葉があります。
「美しい花がある、花の美しさという様なものはない」。
中学だったか高校だったか、教科書で知った言葉ですが、今でもずっと引っかかっています。
この言葉を料理になぞらえていうなら、「フランス料理が美味しいのではなく、美味しいフランス料理」がある、とでも言えばいいでしょうか。
和歌山の『オテル・ド・ヨシノ』を訪れるたびに、そんなことを思いながら、目の前の絶品に向き合っているという話です。
どういうことかと言うと、私の根本的な考え方として、歴史を紡いできた文化に対して優劣をつけたくはないということです。
食文化であっても、どの国、どのエリアのものに対してもリスペクトを払いたいのです。
なので、フランス料理が良いだとか、日本料理がすごいだとか、タイ料理がブームだとか、そういったことは商売上のマーケティングの話であって、その中で、いかに良いパフォーマンスをしているか、自分にフィットしているかにしか興味がないということです。
・古典を追求するからこその現代性
JR和歌山駅から一駅南に下った宮前駅が最寄り。
国体の際に竣工された「和歌山ビッグ愛」の12Fにあります。
周囲に高いビルはありませんので、店からの眺望は最高。市内はもちろん、空気が澄んだ日には、和歌山湾も一望できます。
店に関して説明すると、いまや食通の間では「和歌山詣で」という言葉が生まれていることが象徴しているでしょう。
それほど日本を代表するクラシック・フレンチを代表するレストランの1つと見なされているレストランということです。
ほぼすべてのゲストに挨拶をしているシェフですので、うかがう度にいろいろ話すのですが、最近では「クラシックなフレンチをやる人間が少なくなって、それが希少性、個性となって、わざわざ足を運んでくれる人がいるのは嬉しいこと」と言っていたのが印象的でした。
当初はクラシックをやることが異端であるような状況に対しては歯切れが悪かったのですが、自分の立ち位置をしっかりと認識できたのでしょう。
そう、私もそれをいつか伝えたいと思っていたのですが、本人の口から出てきたことが嬉しかったのです。
例えば、「アジアのベストレストラン50」の常連にバンコクの『ナーム』や『ボラン』といった私も大好きなタイ料理店があります。
面白いのは、彼らが志向している料理が、非常に古典的だということ。現在では伝統的と言われるタイ料理からも忘れられているようなレシピを再発掘していたりするほど、徹底して古典です。
そういった店が「ベストレストラン」の常連で、バンコクのなかでもヒップなレストランだと捉えられているわけです。
同じように、クラシック・フレンチも徹底すれば、それはそれで価値がありますし、一回転して、現代的なスタンスになることもあるのではないか?と。
それができる存在は、そう多くはいませんので、やはりこの『オテル・ド・ヨシノ』は唯一無二のレストランであり続けるでしょう。
メニューについて
ディナー・ランチとも3つの価格帯のコースが基本です。
<ディナー>
「MENU TERROIR(ムニュ テロワール)」7,000円
「MENU DEGUSTATION(ムニュ デギュスタシオン)」10,000円
「MENU CHEF(ムニュ シェフ)」16,000円
<ランチ>
「MENU PLASIR(ムニュ プレジール)」3,700円
「MENU MARCHE(ムニュ マルシェ)」5,600円
「MENU SAISON(ムニュ セゾン)」8,800円
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手島シェフの著作
『hotel de yoshino(オテル・ド・ヨシノ)』店舗情報
営業時間:11:30~14:00(L.O)、17:30~21:00(L.O)
定休日:月曜・火曜
電話番号:073-422-0001
住所:和歌山県和歌山市手平2-1-2 和歌山ビッグ愛 12F
オフィシャルwebはこちら
予約に関して
電話で受け付けています。
店の地図
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