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2019年に金沢・片町にオープンしたイノベーティブレストラン。
「国やジャンルを超えた自由な探検」をコンセプトとし、どこか無国籍感が漂う空気感に、“アジア”の現在形が垣間見えます。
平均予算:ディナー 15,000~20,000円
店の特徴
アジア全域のクリエイティブなレストランを紹介する、そんなコンセプトを持つサイトを主宰しながら、日本国外に行かなくなって、早2年。
当然、ことあるごとに、ソウルに行きたい、台北に行きたい、バンコクに行きたいと思うのですが、最近ではそれをもっとも強く感じたレストランが、金沢のこの『ア レストラン』です。
知っている方なら、え?と思うかもしれません。
クラブっぽいおしゃれさがあり、内容もコンセプチャル。
なおかつ、地域の食文化をリスペクトしながら、分子ガストロノミーなどの要素も取り入れています。
けれども、そういった先進性は、日本よりも、アジアの急速に発展する都市のレストランのほうが多いのです。
他の記事に何度か書いていますが、アジアはノスタルジックだから、カオスだから、安いから好きだという考えは否定しませんが、そこには、上から目線が含まれています。
実際は、もう日本なんて置き去りに進化している部分も多く、そこも含めてアジアなのです。
だから、バンコクに、シンガポールに、こんな空気感のレストランがあったなぁ、ああ、行きたい!と感じるんです。
メニューはコース1本、ペアリングでバリエーショ
基本は、おまかせコース1本ですが、オプションとして、ワインペアリング(6〜7杯)付 と、ノンアルコールペアリング(5〜6杯)付があります。
アルコールを飲んでもよかった夜だったのですが、提供自粛にも慣れてしまっていましたし、ノンアルコールのほうが面白そうなお店な気がしたので、そちらで。
まずは、別注で、ノンアルコールスパークリングから。
ラングドックのスパークリングです。
フィンガーフード
フォアグラのアイスに黒トリュフをまぶしたブリオッシュ。
イタリアのナチュラルウォーター。
この季節のスペシャルな食材として、ミヤマシダをプレゼンテーション。
コゴミにも似た山菜ですが、アップルなどフルーツの香りもします。
部位によって味が違うので、各部位を全部使った料理を提供してくれるとのこと。
ミヤマシダ
白えびのフリットとベーコンも添え、さっそく件のミヤマシダをフリットで。
塩でいただきます。
日食
日食をテーマにしたモクテル。
キューリとローズマリーのベースに、竹炭のパウダーに混ぜ込んで闇を、オレンジを太陽に見立てています。
Taco de Puerro 炭 サボイキャベツ
サボイキャベツで包んだタコス。
豚肉の頭、頬肉、豚足など パクチーなどを中に、炭のソースにチリの風味を加えて。
ノンシュガースポーツドリンク
ノンアルコールのジンのようなテイストですが、イメージはスポーツドリンクだとか。
メキシコのマルゲリータ塩で味を決めています。
アオリイカ
旬のアオリイカを様々なスタイルで。
下にすり身とゲソなど、上には身、間には、コルトゥーラを挟んで。
ソースはイカの白子とタイの白子から。
水
水ではありますが、氷にフレーバーを付けて、融けていくと味が変わる趣向。
メジマグロ
大人になれば本マグロに育つメジマグロ。
藁焼きで、燻製香をまとわせて仕上げています。
ミョウガ、白髪ネギ、長ネギ、夏みかんとともに。
白檀トニック
お香にも使われる白檀をトニックで。
舌平目 花山椒
舌平目と花山椒。
黄身酢とナッツ、糸唐辛子でアクセント。
SUKIYAKI
能登牛のすき焼き風。
割下に加え、卵黄のソースに春菊のオイルで、香りづけ。
ネギとシイタケの泡と卵に見立てた湯葉を添えています。
NEGIWI
すき焼きに合わせてネギのドリンク。
キウイの府レイバーで、飲みやすくしてあります。
トロットロに焼いたネギを遠心分離器でジュースにし、残った繊維はチップスにするという力作。
口直し
口直しには、加賀太胡瓜のグラニテ。
パクチーとライムを混ぜ込み、セビーチェのソースをかけて。
龍の瞳 季節のもの
粒がコシヒカリの約1.5倍大きいブランド米「龍の瞳」に季節のお惣菜を添えて。
小釜で炊いてくれます。
おかずは、きんぴら、葉わさび、太胡瓜の梅肉ぞえなど。
ニホンノコメビヨンドコメ
米を使ったリキュールを新たな解釈で。
のとひかりっ娘
石川県で少量栽培されているいちご、「のとひかりっ娘」のデザート。
ピスタチオ、カスタード、いちごのクリームがメイン。
のむヨーグルト
デザートに合わせたオリジナルモクテルも出てきました。
のむヨーグルトを、マスカルポーネを使って再構築したドリンク。
アルガンオイル アイスクリーム
モロッコの南西部に生育するアルガンツリーのオイルを使ったアイスクリーム。
まとめ
各皿には、アイデアやストーリーが詰まり、面白い仕上がりにはなっていますが、その分、全体的な統一感は薄めかもしれません。
別に悪く言っているわけではなく、それがまたアジアっぽいんです。
一直線なストーリーというより、コラージュのような多様性。
ちなみに、ヘッドシェフは日本料理人としてキャリアを積んできた方ですが、海外勤務の経験も長かったそう。
さらに、アンドレ・チャンなどアジアのトップシェフなどとのコラボディナーを開催するなど、海外への視点をもったレストランです。
北陸の京都ともいえる金沢ですが、インバウンド客を見込んでいたからだとしても、こういったレストランが存在していることに、この街は国際都市なんだなぁと実感します。
メニュー
【ディナー】
「ディナーコース」 12,100円
*料理10皿
「ディナーコース(ワインペアリング付) 」 20,570円
*料理10皿+ペアリングドリンク6〜7杯
「ディナーコース(ノンアルコールペアリング付)」18,150円 (サ込)
*料理10皿+ノンアルコールペアリングドリンク5〜6杯
*メニュー・料金はあくまで参考になります。季節や食材の入荷状況によって変わることを前提にご覧ください。
予約方法
電話かwebから。 web即時予約は、一休レストランで受け付けています。
店の地図・アクセス
各線「金沢駅」より車で10分。
金沢駅よりバスで15分(片町・香林坊降車)。
『ア レストラン(A_RESTAURANT)』店舗情報
営業時間:ディナー 18:00/19:00一斉スタート
定休日:日~火曜
電話番号:076-255-0088
住所:〒920-0981 石川県金沢市片町2丁目23−12 中央コア2階
オフィシャルwebはこちら 食べログの情報を見る
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