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【食レポ】ランチ(2019年2月)
・牛モツのサラダ、山羊のリブ肉と、タイ辺境の味を堪能
ビールを飲みながら、お通しに出てきた生野菜をかなりの量つついていたのですが、前菜にもう一品サラダを頼んでみました。
「牛のモツのサラダ」。
サラダのカテゴリーにありましたが、石製ボウルの中は、ほとんどが牛モツだったので、結果的にバランスは良かったのかも。
それにしてもハーブたっぷり。日本で、こんなにたくさんディルを入れたら、相当な高級料理でしょう。
そして、メイン。
牛のリブアイや牛タン、ポークチョップなどがあって、それを薪火で焼くとなれば、絶対に美味しいだろうなと思いつつ、「Goat Ribs:300 gm Goat ribs from Ratchaburi」という文字に目が釘付け――。
そう、山羊のリブ肉。羊ではなく、山羊です。
日本のそれなりの店で、処理が適切な状態のいいジビエを食べることが最近は多かったので、鹿にしろ熊にしろ、牛や鶏などより臭みがない肉のような気になっていましたが、久々にパンチがあります。
と言っても、臭みというより、滋味と言えるレベルなので、これはこれでオッケー。
万人にはおすすめしませんが、多少クセのある肉も好んでしまうストライクゾーンの人なら、じゅうぶんに美味しさを堪能できるのではないでしょうか?
・辺境の食文化に学ぶべきことも多い、ガストロノミーの将来
山羊は、東南アジアに限らず、太平洋地域の島々、アフリカなどでもよく食べられます。
なにせ、地方では、もっとも身近にいる家畜の一つですから。
ミルクをいただくだけの家畜だという印象を持つ方もいるかもしれませんが、タンパク源を供給する意味でも、人々とともに生きてきたものなのです。
そう言えば、どこかのメディアの肉特集で、フランスの内蔵料理が紹介され、「フレンチでは屠殺した肉は、感謝を込めてすべての部位を使い切るんです」と、どこかのシェフが語っていました。
それを読みながら、「別にフランス料理に限ったことではないでしょ? 正確には『フレンチでも』だよな」と独り言ちていた私は、かなり偏屈なオヤジでしかないでしょうが、この日の前菜に食べた内臓系は、実際に多くの地域で食べられているのです。
中国や韓国、タイなど東南アジアでも、日本でもとくに地方の郷土料理として、食べるところでは食べているのです。
ただ、いただく食材の全部を使い切るという意味合いは、確かに違うかもしれません。
フランスでも地域によって多少違う部分はあるでしょうが、キリスト教文化では、チャリティー(慈愛・慈悲)の気持ちが強いような気がします。
一方で、アジアの辺境では、単純にタンパク源となる食料が少ないからかな、とも。
どちらがどうというわけではないかもしれませんが、他に食べ物がないという切迫感から、何が生まれるのかはちゃんと感じておかないといけないな、と。
例えば、お通しで出てきた豚皮を揚げた「ケープムー」も、食べられるものは何でも食べるということから生まれたのかもしれません。
日本で豚の皮は、沖縄などの一部の地域を除いて、流通にまわすことができないのとは、対照的なのですから。
この『100 Mahaseth』、普通に牛や豚を食べていたら、単に美味しいバーベキュー店としか捉えられなかったかもしれません。
でも、少し視点を変えてみたら、近い将来の食糧問題、それとガストロノミーの関係なども頭によぎる、刺激的なお店だったということでしょう。
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