三重・津『朔(さく)』日本料理

 

周囲には山しかないような環境で創作性の高い日本料理を提供。

そういったお店は、日本全国に少しずつ増えてきましたが、その流れを作った一つが『朔(さく)』だと言えるでしょう。

ローカルガストロノミーの究極のかたちを、三重県美杉町に訪ねました。

三重・津『朔(さく)』日本料理

平均予算:ランチ 7,000~10,000円/「ミシュラン三重 2019」ビブグルマン  

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店の特徴

津市から西に向かった美杉町の豊かな自然のなかにある日本料理店。

三重・津『朔(さく)』日本料理

ギャラリーのような店づくり、陶芸家である奥様の作品を使ったオシャレな雰囲気ににっこり。

夫婦で耕した畑の野菜を、近隣の猟師の山肉を、雲出川の豊かな恵みをいただく、優しい料理にほっこり。

と、さらりと書き始めましたが、今年訪れたなかでは、最も印象深かったお店がここなんです。

環境だけでなく食材を含めた自然の生かし方、そこを前提とした創作性に関しては群を抜いていました。

 

辺境の予約困難店

営業はランチのみで、11:30と13:15スタートの2回転制。

6席のカウンターのみなので、なかなか予約が取りにくいのですが(2ヶ月前の1日より電話予約を開始)、2名と3名の2組の予約が入っている日などは、1名分がぽこんと空いている日があります。

今回は、平日の後半の回に空きがあったので、それを狙ってみました。

場所は、津市の中心部からJR名松線に沿うように車を走らせること約1時間。

本当にこんなところに名店があるの?と迷子になってないか不安になってしまいそうな山道をナビ通りに行くと、ぽこんと庵のような空間が現れます。

店内のメインダイニングは、一枚板のカウンター。

エアコンがないので、夏場は少し暑いかもしれませんが、借景のように開いた窓から水がしたたり落ちたりと涼を感じさせる演出をしっかりと施しています。

席に着き、コースのスタートを待ちます。

最初に運ばれてきたのは、え、石⁈

実は冷やした陶器で、クーラー代わりに触って涼みます。

最初のドリンクは、中国茶。

なんでも台湾から一本だけ三重に届いたという逸話のある白茶で、近辺で再生させた方がいるそう。

水出しではなく、炭酸水出しでスパークリングにして楽しみます。

 

前菜 5種

 

ナスのオランダ煮

モロヘイヤのソース、シークワーサーで爽やかさを。

 

ごま豆腐

ごま豆腐は、ふつうはやらない焼いて仕上げたもの。

 

サザエのゼリー寄せ

ミョウガ、パッションフルーツでトロピカルな雰囲気を。

 

ヒラメ寿司

サワラの卵の塩漬けを乗せて。

かつては、サワラのものをカラスミと呼ぶことが多かったそうで、ボラのカラスミより、きめが細かいのが特徴。

 

生湯葉

トマトのドレッシングに、バジルオイルで香りだし。

 

自家製のジンジャエール

気になっていた自家製ジンジャエールを追加。

ごろっとした生姜の存在感はありつつ、刺激は弱めの優しい仕上がりに。

 

焼き物

三重・津『朔(さく)』日本料理

焼き物は、鮎の塩焼き。

炭火で1時間じっくりと火入れした宮川の鮎。

黄身酢とキュウリを添えて。

 

蓋物

とうもろこしのすり流しに、イサキの焼き物。

とうもろこしの実の焼き物も印象的に加えられています。

 

進肴

メインの肉料理は鹿肉のグリル、この日は3才のメスの外モモ肉を使っていました。

古田さんという凄腕の猟師が獲っているそう。

付け合わせは、南瓜、なす、大根、タマネギ、ししとうで、ソースはブルーベリーソース。

 

お食事

自家栽培のお米。自然農法に近い栽培法で採れたものを、まずはプレーンで。

続いて、お焦げ。

最後に、鹿肉丼。

みそ汁は、アオサの赤出汁。

香の物あ、自家栽培の野菜のぬか漬け。

 

デザートとお茶は別室で。

三重・津『朔(さく)』日本料理

 

水菓子

裏山で採れたというニッキのゼリー。

 

干菓子

あんこ、雑穀をいろいろ。

 

 

予約方法

2ヶ月前の1日より電話予約を開始。

予約残数のメドは、オフィシャルwebに掲載されています。

オフィシャルweb予約カレンダーはこちら

 

 

メニュー

【コース】
「季節のおまかせ(9~10皿)」7,000円

<献立例>
前菜:柿酵素と邪払のドリンク/サザエと冬瓜の炊き合わせ 自然薯掛け/チンゲンサイとヒラタケの中華風 針しょうが添え/紫芋蜜煮 カリフローラのヘンプバター添え/トンボ鮪のにぎり 二身椎茸 沢ガニ
焼き物:あまご
蓋物:蕪のべっこう餡 柚子風味
鍋物:鹿肉の紅葉鍋仕立て
ご飯:かまど炊きご飯
汁物:アオサのお味噌汁
香の物:ぬか漬け
水菓子:裏山で採れたニッキの水ゼリー
干菓子:菓子とお茶

メニュー・料金はあくまで参考になります。季節や食材の入荷状況によって変わることを前提にご覧ください

 

店の地図・アクセス

JR名松線「伊勢鎌倉駅」から徒歩約20分。
津駅から車で、約1時間。

 

三重・津『朔(さく)』日本料理

 

『朔(さく)』店舗情報

営業時間:ランチ 11:30と13:15スタートの2部制
定休日:水~金曜日
電話番号:080-6928-3939
住所:津市美杉町八知 3541
オフィシャルHPはこちら

オフィシャルinstagramページはこちら

 

 

 

 

「ミシュラン三重 2019」に掲載された日本料理店はこちら▽

 

 

 



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