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「アジアのベストレストラン50 2019」では香港で3番目に高いランク、ミシュランも1つ星獲得と、昨今の香港のなかで評価と注目度では抜きん出ている『ベロン』。
パリの雰囲気をそのまま伝える店作りのなかで、オーセンティックさとクリエイティブさの絶妙なバランスを誇る、ここにしかない現代のフランス料理が堪能できます。
平均予算:ディナー 15,000~20,000円 /「ミシュランガイド香港 2020」1つ星、「アジアのベストレストラン50 2020」No.4、「La Liste 2020」No.458
パリよりパリらしいと評判のビストロな雰囲気のなかで堪能するコンテンポラリー・フレンチ
今もっとも勢いのある香港のフレンチの代表格でしょう。
「アジアのベストレストラン50 2019」ではNo.15にランクインし、広東料理の『The Chairman』(No.11)、イタリア料理の『8 1/2 Otto e Mezzo Bombana』(No.12)に次ぐ香港では3番目の好位置につけているレストランです。
キッチンで腕を振るうエグゼクティブシェフは、イギリス出身のダニエル・カルバート氏。
ネオビストロを代表するパリの人気店の一つ『BONES』などで腕を奮った後、2016年に『ベロン』を任された方です。
SOHOのなかでも雰囲気のあるElgin Stでも、一際目立つウッディーな外観。
中に入ると、白と青を基調としたインテリアと丸い照明が落ち着いた雰囲気を感じさせてくれます。
そこはまるで知識人や若者たちが集うカフェやバーが多く並ぶパリの一角のよう。
香港にいることを忘れてしまうほどの魅力的な空間づくりに、期待が高まります。
・アラカルトでシェアして食べるのが基本。日曜のランチにはコースも
前菜、メイン、デザートというオーソドックスなメニュー構成を解体して、それぞれメニューを選びながら、シェアして食べることを前提としたスタイルのため、アラカルトが中心。
日曜の昼のみ、「WEEKEND LUNCH」でランチコースを提供しています。
料金は、528香港ドル(約7,500円)+サービスチャージです。
MICHEL REDDE “LA MOYNERIE”
Pouilly Fumé 2018
ランチですが、この雰囲気に逆らえず、まずはソーヴィニヨンブランの白ワインから。
アミューズとして出てきた、プティシュー。
だと思っていたのですが、イギリスの「Welsh Rarebit」というものだというそうです。
そもそもはカジュアルスナックだそうですが、基本の味はチーズとマスタード。
このBelonバージョンは、48ヶ月熟成のコンテチーズを使ったアップグレード版で、ふわっとした生地のなかに濃厚で深みがある味に仕上げています。
ワインとバッチリ合います。
「OYSTER TARTARE」
名物メニューの一つ「牡蠣のタルタル」。空輸される新鮮な福岡産恵比寿牡蠣だそう。
牡蠣の身は細切れにして、オイスタームース、シャロット、チャイブ、レモンジュースなどと混ぜ合わせてています。
オイスタームースの使い方が新鮮なのですが、牡蠣感は薄めなので、苦手な人でも大丈夫な仕上がりですね。
「HOMEMADE NATURALLY LEAVENED BREAD WITH SALTED NORMANDY BUTTER」
「“SAUCISSON DE BIGORRE”」
こちらも名物の一つとされるサワードウパン。
ダニエルさんが毎日世話しているというサワードウ種には、大麦や味噌も入っているとか。
バターは、英仏海峡に浮かぶ、ジャージー種の牛の発祥地チャンネル諸島ガーンジー島産。風味豊かで、これも逸品ですね。
ハムは18ヶ月もののVentreche de Bigorre 。
この3つだけでも、いつまでも食べていられそう。
「SHIMA AJI “SALADE NIÇOISE”」
シマアジのカルパッチョに目が奪われてしまっていたのですが、下のサラダもよく食べるやつだなぁと考えていたら、思い出しました。
ゆで卵とポテトが印象的なニース風のサラダですね。
「’Musquée de Provence’ Pumpkin Scarpinocc」
プロヴァンス産のカボチャをふんだんにつかった冬の逸品。
詰め物のパスタはベルガモ風のカソンチェッリ。
ほうれん草もアクセントに添えられていますが、とにかくカボチャ! な潔いメニューですね。
日本語で予約したい場合は、代行予約が便利▽
・メインは香港フーディ絶賛のチキンの丸焼き
メインのチキンに備えて、シラー中心の赤に。
ALAIN CHABANON “CAMPREDON”
Languedoc 2017
あまりきれいすぎるテイストより、力強いほうが合いそうな気がしたので、南仏ラングドックというセレクトです。
「HALF/WHOLE ROASTED CHICKEN WITH “PETITS POIS À LA FRANÇAISE”」
香港地元の三黄鶏を使ったローストチキン。
ここまで「名物料理」という言葉を何回か使ってしまいましたが、本当のシグネチャーはこれですね。
冒頭に掲載した写真のように焼いたままの鶏をプレゼンテーションしてくれて、再びきれいに切り分けられて給されるのですが、ボリュームもすごいです。
ほうれん草とチキンレバーを中に詰めて焼くのが特徴なのですが、肉質の芳醇さが珠玉の逸品ですね。
付け合せは、フランスの伝統的蒸し料理「プティ・ポワ・ア・ラ・フランセーズ」。
ベーコン、ローメインレタス、ポテト、グリンピースが細かく刻まれて、バターやレモンジュース、塩であっさり軽く味付けされています。
ちなみに、この三黄鶏は『VEA』などでも使われていて、食べ比べてみるのも面白いでしょう。
「MILLEFEUILLE」
濃厚な蜂蜜が添えられた、ミルフィーユが、デザート一皿目。
小菓子は、マドレーヌ。
このあたりの安定感は、クラシカルなフレンチを作らせても腕が確かなことがにじみ出ていますね。
・『BELON』のまとめ
インテリアの雰囲気にパリの空気を感じまくっていましたが、料理はオリジナリティを感じるものでした。
クラシカルなフランス料理スタイルがいいものはそのまま、その合間に少しずつシェフらしさや変化球を混ぜていくという新旧織り交ぜたバランス感が真骨頂でしょう。
ダニエル・シェフ自身は、インタビューなどで「『Belon』ではフレンチを強く意識しているわけではない」とことあるごとに語っていますが、全面的にフランス料理への信頼、愛は感じられます。
そのあたりをご本人に訊いたら、「まあ、フレンチ一筋ですから。僕はとにかくフレンチの高度な調理技術とこだわりがとても好きで、それを活かしたいとは思っている」とのことでした。
研究熱心で、相当な完璧主義無方だとも噂で聞いていますので、これからもどんどん成長しそうな空気が漂った注目店でしょう。
『Belon(ベロン)』店舗情報
営業時間:ランチ<日曜> 12:00~14:30、 <火~日曜>ディナー 18:00~23:00
定休日:月曜
電話番号:+852 2152 2872
住所:41 Elgin St, Central, Hongkong
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予約に関して
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