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2020年10月にリリースされた『大阪・京都+岡山版』を皮切りに『東京版』『北陸版』と、ミシュランでは「グリーンスター」という新たな指標が導入されました。
持続可能なガストロノミーを実践するレストランに対して贈られるこの規準に認証されたレストランは、現在のところ、日本国内では59店。
現状をご紹介します。
サステナブルな取り組みを評価する「ミシュラン グリーンスター」とは?
ミシュランが始めた「グリーンスター」は、フードロスの削減、森林活性化に寄与、環境に配慮する生産者の支援、絶滅危惧種の保護など、飲食店の立場からできる取り組みを積極的に推進しており、持続可能なガストロノミーを実践するレストランに対して贈られるものです。
2020年10月にリリースされた『京都・大阪+岡山版』から導入されているので、もっと早く記事にしても良かったのですが、何となく後回しになっていました。
というのも、このミシュランの「グリーンスター」に対して、私自身は総論賛成、各論保留といったスタンスでして。
そりゃ、サスティナブルなほうがいいに決まっている、そこに踏み込んだことには、最大の賛辞を送ることはできます。
では、じゃあ、実際にサスティナブルな食とは何?それはどう定義するの? また評価はどれだけできるの?という部分では、まだなんだかしっくりきていないのです。
東京はフレンチのみ、京都・大阪は日本料理のみ
例えば、東京の2021年度版でグリーンスター認証されたレストラン6店は、すべてフレンチか、フレンチを出発点としたイノベーティブです。
一方で、京都・大阪の2021年度版で認証された6店は、すべて日本料理です。
認証されたお店は、持続可能性に対して意識的なのは確かなのでしょうか、うーん、よくわからんです。
ここが入ったのなら、もっとあるような気もしますし。
現状では、ですけどね。
やはり地方が強いグリーンスター認証店
もう一つの視点としては、これまでにグリーンスターの対象となった東京・京都・大阪・岡山・北陸(富山・石川・福井)で、もっとも認証店が多いのが石川県の10店ということです。
続いて、岡山・富山県の8店。
サスティナビリティという観点では、現実的に大都市より、地方のほうが有利だとは思いますが、多くが星獲得店やビブグルマン掲載店ではなく、注目のレストラン「ミシュランプレート」扱いのレストランであることにも触れておきたいと思います。
ミシュランプレート自体、東京版、京都・大阪版にはないカテゴリーなのですが、ミシュランの培ってきた美味しさという軸とのねじれが出そうな気がします。
ちなみに、2021年1月後半にリリースされた『ミシュランガイド 香港・澳門 2021』でグリーンスターに認証されたレストランは、1店のみでした。
首が座ってくるには、2~3年必要かも
アジア各地のミシュランを追っている立場からすると、新たなエリアでミシュランが発行されると、星獲得などの評価に、なかなか初年度からしっくりくることはありません。
納得感が出てくるのが3年目くらいでしょうか。
評価の洗練に、そのくらいの時間を要するということなら、このミシュラン「グリーンスター」に関しても、あと3年は、フラットな気持ちで付き合っていこうと思います。
日本全国でグリーンスターに認証されたレストラン
東京のグリーンスター獲得店:14店
富山のグリーンスター獲得店:7店
石川のグリーンスター獲得店:10店
福井のグリーンスター獲得店:2店
京都のグリーンスター獲得店:6店
大阪のグリーンスター獲得店:3店
奈良のグリーンスター獲得店:5店
和歌山のグリーンスター獲得店:4店
岡山のグリーンスター獲得店:8店