香港『Bo Innovation/厨魔 (ボー・イノベーション)』プログレッシブ・チャイニーズ ☆

香港『Bo Innovation/厨魔 (ボー・イノベーション)』プログレッシブ・チャイニーズ

 

分子ガストロノミーを駆使し、再解釈した広東料理でミシュラン3つ星を獲得した『Bo Innovation/厨魔 (ボー・イノベーション)』。
シェフのキャラも含めた過激さとは裏腹、斬新さとうより安定感が魅力のスタイリッシュなレストランでした。

香港『Bo Innovation/厨魔 (ボー・イノベーション)』プログレッシブ・チャイニーズ

平均予算:ランチ 15,000~20,000円、ディナー 20,000~30,000円 /「ミシュラン 香港 2021」2つ星


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自らを「デーモン・シェフ(厨魔)」と呼ぶ、香港3つ星獲得の革命児

いったい何なんだ、このシェフは?!

私がこの『Bo Innovation(ボー・イノベーション)』の存在を知ったのは、映画『 99分,世界美味めぐり』だったのですが、そこに登場する総シェフのアルヴィン・ランさんは、コメントを発する際に「fuckin’~、fuckin’~」と繰り返し、見た目は青く染めた髪に、肩には「厨魔」というタトゥー。

シェフというより、音楽プロデューサーか何かのような業界人風です。この風貌に、つい映画館で吹き出してしまったのですが、強烈なインパクトだったことには変わりなく、これは行かなくちゃ、絶対に面白そう、たとえ料理がまずくても面白い店だろうとなったわけです。

・ホテルレストランが強い香港において、路面店でミシュラン3つ星を獲得した快挙

香港『Bo Innovation/厨魔 (ボー・イノベーション)』プログレッシブ・チャイニーズ

実際にうかがってみたら、店は多少インダストリアルなテイストは取り入れているものの、モダンでスタイリッシュなインテリア。

意外にまっとうな店だなぁなんて思ってしまったのですが、考えてみれば、当たり前です。ミシュランの3つ星店ですから。

さすがにアンダーグラウンドなライブハウスのような店に、3つ星は付かないでしょう。そうでなくても、ホテルレストランが強い香港において、路面店がこれだけの評価を得られていることだけでも相当なレアケースです。

香港『Bo Innovation/厨魔 (ボー・イノベーション)』プログレッシブ・チャイニーズ

料理を一言で説明すると、分子ガストロノミーのテクニックで実現した新広東料理といったところでしょうか。『エル・ブジ』以降な感じですね。『ノーマ』な感じはさほどありません。

ただ、世の中の移り変わりのスピードは怖いもので、分子ガストロノミーという言葉だけ聞くと、なんだか一昔前のもののような気がしてしまいます。ファッションなどのほうが顕著でしょうが、少し前に大流行したものほど、ほんの少し時が経っただけで古さを感じさせてしまうのがトレンドという魔物だったりします。

もちろん分子ガストロノミーのテクニックは現在でも有効だと思いますし、普遍性を持たせられているかどうか、定番として昇華させられているかがシェフの腕の見せ所でしょう。

 

 

 

・分子ガストロノミーのテクニックで実現した新広東料理

ランチのコースは「Tasting Menu」のみ。8皿で850香港ドル(約12,000円)です。

4杯のワインペアリングは、620香港ドル(約9,000円)。3つ星価格ですね。

それでは、一気に紹介します。

香港『Bo Innovation/厨魔 (ボー・イノベーション)』プログレッシブ・チャイニーズ

アミューズは、香港の代表的なストリートスナックの「鶏蛋仔(ガイダンジャイ)」。ふつうはスイーツですが、これは中にネギと唐辛子が入っていて「料理」にしていました。

香港『Bo Innovation/厨魔 (ボー・イノベーション)』プログレッシブ・チャイニーズ

前菜は、ホタテにグリーンピース。色鮮やか。

香港『Bo Innovation/厨魔 (ボー・イノベーション)』プログレッシブ・チャイニーズ

海老+ビーフン。高級感のある仕上がりになっていました。

香港『Bo Innovation/厨魔 (ボー・イノベーション)』プログレッシブ・チャイニーズ

シグネチャーディッシュともいえる、「モレキュラー(分子)小籠包」。ぷるんぷるんで、口に入れると確かに味は小籠包。

香港『Bo Innovation/厨魔 (ボー・イノベーション)』プログレッシブ・チャイニーズ

フォアグラもスペシャリテ。青リンゴのムースがソース代わりです。

香港『Bo Innovation/厨魔 (ボー・イノベーション)』プログレッシブ・チャイニーズ

中国の白酒「マオタイ(芽台)」をエスプーマで。メインの前の口直し的な役割をきっちり果たしていました。

香港『Bo Innovation/厨魔 (ボー・イノベーション)』プログレッシブ・チャイニーズ

日本風にいえば「甘鯛の鱗焼き」。

香港『Bo Innovation/厨魔 (ボー・イノベーション)』プログレッシブ・チャイニーズ

デザートは2段構え。

2皿目は液体窒素で。

香港『Bo Innovation/厨魔 (ボー・イノベーション)』プログレッシブ・チャイニーズ

 

・斬新さというより安心感が印象的

全体の印象として、さほど斬新さは感じなかったのですが、予想以上に安定感があったことに驚きました。

世代やこういった料理の経験値によって印象は人それぞれかもしれませんが、楽しみ方としては、歴史遺産のような感じ向き合うことでしょうか。

ときどきYMOなんかを聴くと、今の音じゃないけど、良いものは良いと感動するのですが、そんな感覚で愛し続けたいレストランでした、私にとっては。

 

 

 

 

『Bo Innovation/厨魔 (ボ・イノベーション)』店舗情報

営業時間:ランチ <月~金曜>12:00~15:00  ディナー <月~木曜>19:00~midnight <金・土曜・祝日>18:00~midnight
定休日:日曜
電話番号:+852 2850 8371
住所:J Residence, Shop 8, J Senses Entrance on Ship Street, 60 Johnston Rd, Hong Kong
オフィシャルHP(英文)はこちら

香港『Bo Innovation/厨魔 (ボー・イノベーション)』プログレッシブ・チャイニーズ

ドレスコードと店の雰囲気

ドレスコードは「スマートカジュアル」で。食事の間も含めて、英語か広東語が話せる方なら、まったく問題ないでしょう。日本人客も少なからずいますが、日本語でのコミュニケーションは難しいと思います。

予約の仕方

予約はオフィシャルHPから(広東語、英語)。
英語での予約が苦手な方は、予約代行サービスを利用するのもいいと思います。
日本語可!『厨魔(ボー イノベーション)』をグルヤクで予約する

店の地図

 

 

 

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