香港『Neighborhood(ネイバーフッド)』欧州料理 ☆

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香港のソーホーでカジュアルにたたずむビストロで、突如出会ってしまった本場の味。
フランス、イタリア、スペイン各地の料理に、現在進行形の”本場の味”を実感。

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カジュアルな佇まいとは裏腹、クラシカルな本物を追求する凄技シェフ

ブルース・チャトィンという旅行作家に『どうして僕はこんなところに』という短編集があります。

内容もさることながら、このフレーズが好きで、旅が重なってくると、朝起きたとき「あれ、なんで今こんなところにいるんだっけ?」と自分自身で訳がわからなくなる瞬間があります。

それとは、逆に、「どうしてあなたはこんなところに」というのも、結構好きな感覚です。

人でもそうですし、店やものなどで、まさかこんな地域で、クオリティが極めて高い別の地域の文化に出会ってしまうこともあります。

レストランで言えば、この感覚を一番強く感じたのが、今回紹介しようとしている香港の『Neighborhood(ネイバーフッド)』でした。

前情報をほとんど持たずに行ってみたら、あまりに本場のヨーロッパの味にノックアウト。なんで、こんな濃厚なヨーロッパのエッセンスが、香港の路地裏に存在しているんだろう?と驚きました。

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その兆しはあったのかもしれません。香港の空港に着いたときです。

3日間の滞在のなかの1晩、レストランの予約を入れていないことに気づきます。

まあ、飛び込みで小籠包でも食べればいいかと考えていたのですが、facebookで知人のシェフが「いいね」を押した店がリコメンドされてきました。

その店のページを見るとカジュアルな店のようです。

そのシェフはクラシック・フレンチを追求と公言して憚りない方なので、「へえ、あのシェフがこんなカジュアルな店にも行っているのかとギャップに惹かれました。

スケジュールが空いているのだから行ってみようか?くらいの気持ちで伺いました。

 

香港のソーホー、さらに奥の奥にあるビストロ

場所は、少しわかりにくいかもしれません。なにせ、香港ピークへと連なる斜面に蛇腹の道や階段が入り組んだSOHOエリアは、旅行者にはなかなか土地勘をつかみにくいエリアです。

しかも、階段途中の小道をさらに奥に入ったところに店はあります。

駅からの距離がそれほど遠いわけではないのですが、Googleマップを使い住所で検索すると、かなり変なところを指すので、苦労しました(本文最下部の住所にリンクを張った地図には、ほぼ正確な場所が表示されます)。

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扉を開けると、かなり落とした照明の雰囲気。ビストロというよりバーに近いのかな?という先入観を持ってしまうくらいのムーディーさです。

酒がうまければいいかと、この時は思っていたのですが…。

メニューを眺めると、フレンチとイタリアンがミックスされたようなラインナップです。かなり王道。

日本で言えば、ちゃんとしたワインビストロみたいな感じですね。ポーションもどれくらいかわからなかったので、スタッフの方の「いま一番おいしいものを出しますよ」という言葉を信じて、ほぼオススメに従うことにしました。

ヨーロッパ伝統料理の旨さを凝縮

初めに出てきたのは、「ハモン・セラーノ」です。

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これが旨い。若めの熟成のもののようですが、バランスの取れた端正な生ハムでした。

生ハムは、自家製ではなく選ぶだけと言えばそれまでですが、こういったところにも料理人のセンスが出るものです。

技術のあるシェフほど、自分の手が加えられていないものをそのまま出すのは、勇気がいるとよく聞きます。それができるようになるとさらに料理人として一皮むけるという方もいます。

続いて、「トマトのテリーヌ」。

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濃厚です。

バジルとトマトというイタリアンでは王道の組み合わせですが、テリーヌにすることによって、トマトの味を凝縮した感じです。

さらに、「ブータンノワール」。

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このあたりまできて、この店、シェフがタダ者ではないことを悟ります。

このノワールのコクの深さ。さらに味の濃いリンゴとのペアリングが秀逸です。

この組み合わせは、様々なビストロなどで食べてきていますが、ああ、こういう感じが正解なんだなと思わせるものでした。

最後に「キノコのオムレツ」。

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例えば、トリュフなどで、素材を楽しむ際にはよく玉子と一緒に食べますが、あの感覚です。

キノコの香りが最大限に活かされています。

ヨーロッパ本場の味に香港で出会う感激

本場の味。最近では、この言葉を料理のセールスポイントとして使うことは少なくなりましたが、それはそれでいいものです。

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日本のビストロでも、メニューのいくつかは「お、本場を超えてる?」なんて思える、従来の基準での素晴らしいスペシャリテを持っている店も多くありますが、この『ネイバーフッド』は、出てきたすべてがそんな感じです。

とはいえ、生ハム、トマト、キノコのオムレツで言えばイタリア料理やスペイン料理、テリーヌやブータンノワールで言えばフランス料理と、汎ヨーロッパ的なボキャブラリーを持った店でもあるのですが、味の濃さ、塩(ミネラル感)の強さは、ある程度ヨーロッパ共通のものだと考えています。

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正確に言えば、古き良きヨーロッパの家庭料理や田舎料理に共通した濃度感みたいなものがあると思っているのです。

私も、この味から、以前長く滞在していたセルビアでの様々な思い出がフィードバックし、つい目頭が熱くなってしまいながら、やはりこう言いたくなったのです。

「どうしてこの味が、こんなところに」--。

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後日わかったのですが、シェフは、フランスで修行、とくにアラン・デュカスのもとに長くいた方とのことです。道理で。

今の時代、メインストリームにはならないテイストかもしれませんが、決して色あせることもない料理がここにありました。

香港の洗練された欧米料理や広東料理に飽きたら、ぜひ足を運んでいただきたい佳店です。

 

 

『Neighborhood』店舗情報

営業時間:ディナー 18:00-0:00
平均予算:10,000~15,000円
電話:+852(0) 2617 0891
住所: Man Hing Ln, Central, Hong Kongi
オフィシャルFacebookページはこちら

予約の仕方

オフィシャルHPは今のところFBのみのようなので、電話あるいはMessengerで。
英語などでの予約が面倒な方は、予約代行サービスの利用が便利でしょう。
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店の場所

 

 

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