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「アジアのベストレストラン50」では2019年にNo.39に初登場、ミシュランも1つ星を獲得。
シンガポールのイノベーティブ系レストランの新鋭として抜群の注目度を誇るのが、この『nouri(ヌーリ)』です。
平均予算:ランチ 7,000~10,000円、ディナー 15,000~20,000円 /「ミシュラン シンガポール 2019」1つ星、「アジアのベストレストラン50 2021」No.73
シームレスな世界を体現する、シンガポール・イノベーティブの注目店
料理もさることながら、店の佇まいに、ちょっとした驚きを覚えました。
ギリギリに予約して、滑り込みで席が確保できたということもあるのでしょうが、同じテーブルの横、私が座っている本当に隣で調理しているのです。
数々のオープンキッチンの店などには伺ってきていますので、キッチンや調理過程の多くが見れる環境には慣れているほうだとは思いますが、ここまでのものは初体験。
料理自体も、“シームレス”という言葉がぴったりな気がしています。
・シンガポールのイノベーティブ系レストランの中でも注目株
場所は、チャイナタウンのアモイストリート。
「アジアのベストバー50」でNo.4にランクアップしたカクテルバー『Native』など、注目の飲食店が続々と出店しているストリートです。
オープンしたのは2017年6月で、もともと『Bacchanalia』を一ツ星獲得店に育て上げたイヴァン・ブレム・シェフが指揮を執るお店です。
開業1年でミシュラン1つ星を獲得、さらに2年で「アジアのベストレストラン50」のNo.37にランクイン。
シンガポールの新しめのレストランの中では、順調にアジアレベルで評価を伸ばしている注目店だと言えるでしょう。
・ディナーメニューはおまかせのみ、ランチはいくつかのバリエーション有り
席に案内されると、メッセージカードが――。
そこに書かれていたのは、「あなたが癒すものが、あなたを癒す」というフレーズ。
なんだか意味深だなと思いながら、とりあえずはメニューをめくります。
ディナーメニューは「CHEF’S TASTING MENU」で、7皿だと180SGD(約14,500円)、5皿だと150SGD(約12,000円)。
ドリンクのペアリングは7皿用は120SGD、5皿用は90SGD。日本酒のペアリングも出ています。
ちなみに、ランチだとセットメニューがあり、メインのチョイスでそれぞれ「Seafood」54SGD、「Meat」62SGD、「Vegetable」46SGD。
ランチでもおまかせコースがあり「5-COURSE OMAKASE LUNCH MENU」108/138SGD。
手前が、ブリュレのオリーブオイルがけ。茶碗蒸しみたいなイメージで食べてほしいとのこと。
そして右上の鳥のブロース。これもちょっと和食っぽいテイスト。
最初からデカデカとしたパンが出てきたのに、驚きます。
少量ずつでしたが、ボリュームあったら定食ですね。
続いて、海老とアワビの冷製サラダ仕立て。酢漬けした大根もアクセントに。
続く料理が、なんと日本のマコモダケ。
上には、飛子がまぶされているので、これだけだと和食になりますが、ソースがシンガポールらしいカレークリームということで、日本ではないことが舌で実感できます。
さて、この後はどんな展開が待っているのでしょうか。
・ソースという液体の上に浮かぶメイン食材
そして、「海老のリゾット」。一番印象に残った料理かもしれません。
海老の火入れは、かなりレアめ。そして、レモンの酸味もちょっと強め。
海老の手前と奥ではリゾットの仕上げを微妙に変えているので、食べ比べるのも面白い皿でした。
コロッケ。2腫のココナツカレーがグラデーションをつくり、グリーンハーブがその外を囲んでいます。
メインは和牛のグリル。
ソースというかスープというか、もはやジャクソン・ポロックの絵画のようになっています。
・関係性を表現して、シームレスな料理に
こうやって写真を並べていくとわかりやすいですが、味はそれぞれの皿で変えているものの、前菜からメインまで盛り付けの構成が似ています。
そして、ソースなど液体~半液体のなかにメインの食材が浮かんでいるところでも一致しています。
これはどんな世界観を提示したいんだろう?と思っていたところに、シェフが挨拶に来てくれたので、少しだけ話を訊けました。
この店をやるにあたって考えたのは、料理は人と人とを繋げるものであり、料理で表現したかったことも、その関係性だったとか。
人間が料理を作り出した原点に興味を持ち、いかに食が世界を繋ぐか。
現在は、フランス料理、イタリア料理、日本料理のようなカテゴリーが存在しているけれども、人間は皆同じだとするなら、その原点を見てみれば、誰が食べても美味しいプリミティブな料理をもっと探ってもいいんじゃないかというようなことを言っていました。
例えて見るなら、この液体の中に浮かぶような料理の数々は、ある意味で境界が溶け合うような世界観の反映なのかな?とも思えます。
国や文化を超えるボーダレスより、さらに細分化されたシームレスな世界。
そう考えていくと、現在アジアで注目を浴びているイノベーティブ系のレストランとは一線を画した独特な料理表現へと歩みだしているとさえ感じさせるレストランでしょう。
口直しのマシュマロの曖昧な食感にも、なにか意味があるように感じてしまいます。
そして、デセールの「マンゴーのソルベ」も、ココナツの液体に浮かんでいました。
『nouri(ヌーリ)』店舗情報
コース料金:ランチ Set Lunch 46~62(約3,800~5,000円)/OMAKASE LUNCH MENU 88~138 SGD(約8,000~11,000円)、ディナー Tasting Menu 150 SGD(約12,000円)
営業時間:ランチ<火~金曜> 11:30~15:00(L.O. 14:30)、 <月~土曜>ディナー 18:00~0:00(L.O. 22:30) 定休日:日曜
電話番号:+65 6221 4148
住所:72 Amoy St, Singapore
オフィシャルwebページはこちら
予約に関して
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店の地図
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