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【食レポ】ディナー(2017年10月)
台湾のコンテンポラリーなガストロミーの分野で先駆者とも言える『RAW』は、本当に予約の取れない一段階上の存在になってしまいましたので、台北で今行っておくべき旬のレストランとしては、『GEN CREATIVE(旧ROOTS CREATIVE)』とともに真っ先にリストに上がってくるお店だと思います。
ちなみに、『anan』の台湾特集(2017年 4月12日号)では、この『MUME』を「台北一予約が取れないレストラン」と紹介していましたが、まだギリギリ大丈夫だと思います。
さすがに台北に旅行している真っ最中に「今晩行くか」と思っても入れない可能性が高いですが、平日なら1週間後、週末でも2-3週間後の予約なら、取れることが多いと思います。
と言っても、数ヶ月先まで予約でいっぱいな店に、いつなってもおかしくない存在ですので、まさに「今が行き時」でしょう!
入り口のバーに感化され、食前酒はオリジナルカクテルで。
オリジナルカクテルの「Sweet Revenge」。
ベルモットベースでほんのり甘く、ほんのり苦いこのカクテルを飲みながら、メニューを選びます。
・最近では珍しいメニューはアラカルトのみ
この店のメニューの特徴は、基本的にアラカルトであることです。
おまかせコースに慣れきっていたので、予約時に問い合わせたら、「コースは、イベントなどの時にしかやらない」とのこと。
最近のハイエンドなレストランでは、かえって珍しく、新鮮に映ります。
英字のメニューを睨み、スタッフにオススメを聞きながら、決めていきます。
1品目は「レバーブリュレ」、次に「MUMEサラダ」、そして「ホワイトアスパラガス」。暑い日だったので、デザートはさっぱりと「キュウリ」。
このメニュー名を見れば、お気付きの方もいらっしゃると思いますが、調理法ではなく食材を重要視するところに、店のスタンスが伺えます。
レバーをクリームブリュレ風に仕上げた『LIVERBRÛLÉE-ChickenLiverParfait,SeasonalHerbs』。
レバーパテも彼らの手にかかれば、コンテンポラリーでインターナショナルな仕上がりに。
20種以上の食材をカラフルにまとめたサラダ『MUMESALAD-20+TypesSeasonalVegetables,FermentedBlackBeans』。
「それもそのはず」と簡単に表現しまっていいのかは悩みどころなのですが、リッチー・リンさんは、デンマークの『noma』やオーストラリアの『Quay』、香港の『NUR』で研鑽を積んだシェフ。
自分の店を持つ際に、ルーツである香港でもカナダでもなく、台湾の食材に興味を持っていたので、台北に『MUME』をオープンさせたのです。
・ニュー ノルディック キュイジーヌを独自に進化させた華やかなプレゼンテーション
在籍していたどの店も、西欧料理の中では食材を生かす名店ですので、目の前に供された料理も、その流れを汲んでいることが伺えます。
『MEMU』のオフィシャルHPのビジュアルイメージや、梅のラテン語を店名に使っていることなどから、花のカラフルなイメージが印象的ですが、これも『noma』スタイルの系譜を感じさせます。
ただ、好感が持てるのは、その表面をなぞるだけはないところ。師たちが試みていたことの本質を捉え、今現在ある場所の強み(=台湾の食材)を、どう表現していくか?というスタンスを十分に感じられる料理が並びます。
実際、『MUME』で出される料理の90%以上は、台湾の食材で作られているとのこと。
旬のホワイトアスパラガスを使った「WHITEASPARAGUS-Uni,PineNuts,Citrus,BrownButter」。
旬の食材の滋味を活かしつつ、華やかに仕上げた逸品ですね。
ワインは、良質なサードワールドが中心。ポルトガルのグリーンワインなどがリストされているところにセンスを感じます。
存在感はありつつも、ワイン自体が立ちすぎて、料理を殺さないバランスが、セレクトのポイントかもしれません。
「CUCUMBER-YogurtMousse,CeleryGranita,LemonVerbena」。キュウリを使ったデザート。ヨーグルト、レモンを加え、爽やかに。
中国語・英語で予約をするのが面倒な方は、こちらが便利です。
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