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マレー語で「ノマド」という意味を持つ『NADODI(ナドディ)』。
南北インド、スリランカの食文化をイノベーティブなスタイルで縦横無尽に駆け抜ける料理。
そして、独創的なカクテル。
2017年春にさっそうと登場し、すでにクアラルンプールのダイニング・シーンを新しいフェーズに押し上げる原動力とも言える、壮大なコースを堪能してきました。
平均予算:ディナー 15,000~20,000円/「アジアのベストレストラン50 2021」No.99
イノベーティブなスタイルで紡ぎ出される、壮大なインド叙事詩
いやはや、クアラルンプールには、まだこんなすごい店が潜んでいたか――そんな気持ちになったのが、ツインタワー近くにあるこの『Nadodi(ナドディ)』です。
内容はイノベーティブなインド料理で、その意味では『GAGGAN』や『Indian Accent』と同じカテゴリーに入るでしょうが、これらの2店より少しソフィスティケートされたニュアンス。
ただ、カクテル・ペアリングに関しては、他のジャンルのレストランを含めて、追随を許さないほどクリエイティブなものでした。
店名はノマド、料理のコンセプトは旅
店名は「ノマド(遊牧民)」という意味。南北インド全域、ときにスリランカの食文化から影響を受けた料理を旅するように味わうのがコンセプトだそう。
皿数などにより4種あるコース名にも、そのコンセプトが活きていて、「7-MILE JOURNEY」RM360+(約10,000円)、「9-MILE JOURNEYRM」430+(約12,000円)、「11-MILE JOURNEY」RM490+(約13,500円)と、インド料理らしくベジタリアンの「11-MILE VEGETARIAN JOURNEY」RM450+(約12,500円)があります。
メニューはイラスト付き。食べていくとわかりますが、言葉だけで説明されてもわからない創作性の高い料理もありますし、インド料理に詳しくないので、このメニューが助けになりました。
では、11マイルの旅を始めましょう。長い旅ですので、サクサク紹介していきます。
メニューは、バナナの葉がイメージされたアミューズから始まります。
アミューズ2つ目。細かく刻んだ18種類のスパイスを、ザクロサトサで包んだウサギ料理。
串に立てられているのは、サテの『ナドディ』バージョンでしょう。
デザートっぽいスタイルですが、これはレッドカレー。いわゆる再構築系とも言えますが、ベースはビーツ。
シャーベットやシュガーグラスにしたビーツをカレースパイスで仕上げています。
前半のクライマックスがホタテのグリルでメニュー名は「SHELL SHOCK」。
「HEAD UP」。ホイップした卵黄のフォーム。洋風の茶碗蒸しみたい?
冷製スープの「COCO LOCO」。
ココナツ・ネクターにキュウリなどサクサクの具に、爽やかなココナツスープ。
このあたりでちょうど「旅」の半分、折り返し地点。まだまだ出会いが待っています。
南アジア全域の食文化を縦横無尽に駆け巡るメイン料理
肉料理1皿目は、ヤシの実でスモークした若鶏で「IT’S SMORKING!!」。テーブル上で蓋を空けてくれるので、燻製の香りが立ち上ります。
さらに肉「SOUR BILLY」。インド料理にやはり羊肉は欠かせません。山菜のてんぷらのように乗っているのは、ローゼルのフリット。
そして、『ナドディ』のシグネチャーでもある「NOMAD GLOVE」へ。
球体を崩すと、三段に皿に。カレー風味に味付けされた南インドのチェティナドゥ風ロブスター「Lobster chettinad」、ビリヤニ「Chemmeen Choru」、ジャフナ風のカニのサラダ「Jaffna Crab Vanai」。
これだけで、インドのかなりの地域の食文化を網羅していますが、食い合わせはバッチリ。
デザート1皿目は「POL HOPPER」。「Sodhi Ice Cream」に液体窒素で凍らせたサンボルなどが添えられ、爽やかながら酸っぱ辛いテイスト。
メインのデザートは「Texture of Milk」。メレンゲやアイスクリームなど牛乳を異なった4種のテクスチャーに仕立て上げています。
プティフールは、枝の蝶々と餃子のような貝殻。
これで旅の終了。11マイル(約18km)じゃ短いですね。
まるで「マハーバーラタ」や「ラーマーヤナ」など壮大なインド叙事詩を読んだ後にも近い食後感。千年の歴史をも超える旅を終えたような満足感に浸っていました。
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至高のカクテルペアリングの全貌を紹介
さて、あまりにメニューの量が多いので、別ページに分けさせてもらいましたが、カクテル・ペアリング。260マレーシアリンギット(約7,000円)。
アミューズの奥に鎮座していたこちらはカクテル。泡立てた卵の白身がベース。カクテル1杯のためにこれほどプレゼンテーションをやる店は、個人的には初めて出会いました。
凍らせたカクテル「ブラッディ・マリー」。味は確かにウォッカとトマトでした。ここまで来ると、カクテルか料理か境界線が曖昧になってきていますが、それがまた面白く楽しめます。
こちらもカクテル。このあたりで、何が料理で、何がカクテルか混乱してきています。
ゲル球の中にマンゴーのマルガリータ。一口でパクリと。
ホタテのグリルとともに出てきた貝殻に入ったカクテル。フルーツフレイバー。気分は一気にビーチサイド。
肉料理に合わせた端正なカクテル。ターメリックなどがアクセントとして利いています。
このくらいのカクテルが、ふつうに見えてくるので、もう感覚が麻痺してきてますね。
メインの肉料理のあと口直し的に出てきたカクテル。錠剤を入れると、泡が立ちます。処方箋のように、客の名前を書いてくれていて、芸が細かさも。
カレー、ビリヤニのタイミングで出てきたヨーグルトベースのカクテル。ラッシー的に楽しめます。
デザートのタイミングで供されたティーを装ったカクテル。紅茶ベースです。甘めなので、食後酒的な役割も果たしています。
住んでいる東京ではワイン派の私ですが、旅の思い出にはやっぱりカクテルだな、と。
料理の斬新さにも劣らないカクテルのクオリティに、バーで、このカクテルコースだけ飲ませてもらえないかな?なんて、淡い欲も出てしまいます。
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『NADODI(ナドディ)』店舗情報
平均予算:700-850マレーシアリンギット
営業時間:18:00-23:00 定休日:日曜
電話番号:+60 17-390 0792
住所:Lot 183 of, Jalan Mayang, Kampung Baru, 50450 Kuala Lumpur
オフィシャルHP(英文)はこちら
予約に関して
電話あるいはオフィシャルwebから(マレー語・英語)。
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