Foodies Asia食にこだわる“フーディー”に

 

各地域のテーマごとに鉄板と新鋭や穴場などを紹介する、[my best+αシリーズ]。

この4～5年で国際的な舞台でも存在感を増してきた、韓国のハイエンドなグルメシーン。
中でも面白いのは、「アジアのベストレストラン50」や「ミシュラン・ガイド」で評価されやすい、いわゆるイノベーティブ系が、こぞって韓国料理のルーツに自覚的で、コンテンポラリーコリアンだったり、モダンコリアンだったりと、あくまで「韓国料理」であることを自称していることでしょうか？
そこが、フレンチやニューノルディック、イタリアンなどが和食と、ある程度は明確に線引ができる日本のグルメシーンとの違いかな？と思いますが、実際のところ、非常に層の厚い「韓国料理」が生まれている状況は確かです。

このページでは、ソウルにあるオススメのガストロノミックな韓国料理店を、コンテンポラリー、モダン、オーセンティック、精進料理と4つのカテゴリーに分けて紹介したいと思います。

 

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ソウルでおすすめ！コンテンポラリー韓国料理レストラン

イノベーティブというには、化学的な調理を売りにするレストランは、ソウルでは少なめ。

なので、もっとも現代的なレストランと言えるのは、『ミングルス』をはじめとした『ノーマ』以降の感覚――その土地のルーツを活かしながら、いかに現代的な料理に昇華するかという試みにチャレンジしているお店でしょう。

同じく、ソウルのガストロノミックなシーンを牽引した『ジョンシク』や、新鋭の『ジュオク』などにも注目。

・オススメ店①：『Mingles（ミングルス）』

平均予算：ランチ 10,000～15,000円、ディナー 20,000～30,000円 ／ 「ミシュランガイド ソウル 2019」2つ星、「アジアのベストレストラン50 2019」No.13、「La Liste 2019」TOP1000入り

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この店を率いるミングー・カン氏は、今や押しも押されぬ韓国を代表するスターシェフ。国際的な注目度もうなぎのぼりです。

「アジアのベストレストラン50」では2016年以降、10位台をキープ。ミシュランも、ずっと1つ星でしたが、2019年度版で2つ星に昇格しています。

フランス料理とか韓国料理とか伝統に即したカテゴリーに当てはまらないだけに、若干不利だと思っていたのですが、着実に評価を固めています。

そういった評価にとどまらず、一皿一皿の密度がこの上なく高いのが真骨頂。

話によれば、シェフは伝統の精進料理の修行も行っていたそう。

さらに、ずっとやりたかったという自家菜園も実現。

そういった鍛錬から、食材一つ一つへの理解度が増し、例えばシンプルなキムチだったとしても、それを皿に載せる意味が明確になっているようにも感じました。

そもそも「生産者とのつながり」をコンセプトとし、スペインの熾火焼きの名店『エチュバリ』などで研鑽を積んでいたシェフなので、素材の活かし方がうまいのは当然とも言えますが、それがさらに進化しているということ。そりゃ、旨いわ。

店は、2019年6月、アックジョンの奥、閑静なエリアに移転。さらに高級感を増しているようです。

 

 

 

 

・オススメ店②：『Joo Ok（ジュウ・オク）』

予算：ランチ 7,000～10,000円、ディナー 15,000～20.000円　／　ミシュラン1つ星

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コンテンポラリーな韓国料理で『ミングルス』の対抗馬となるなら、最右翼はこの『Joo Ok Restaurant（ジュオク）』でしょう。

2019年6月、満を持して「ザ・プラザ ホテル ソウル」に移転したシン・チャンホシェフ率いるコリアン・コンテポラリー・キッチンです。

『ミングルス』を引き合いに出したくなるのは、その古きを掘ることによって、新しさを生み出すスタンス

この『ジュオク』の場合は、味のアイデンティティは、韓国料理の基礎となるジャン(醤)と、独自の発酵技法で編み出した約30種類のお酢、自家栽培のエゴマをコールドプレスで絞り出したエゴマ油です。

「Joo Ok」とは韓国語で「宝石」を意味するのですが、この店にとってその宝は、こういった食材・調味料というわけです。

それらを駆使しながら、オーセンティックかつコンテンポラリーな料理に仕上げていくところに、抜群のセンスを感じます。

「ミシュランガイド」ソウル版で2018年以降、一つ星をキープしているという国内での評価にとどまっていますが、今後アジアレベルでの名店になりそうな気配をひしひし感じる注目店です。

 

 

 

 

・オススメ店③：『正食堂／Jungsik（ジョンシクタン）』

平均予算：ランチ 10,000～15,000円、ディナー 15,000～20,000円

「ニュー・コリアン」を標榜し、ソウルのガストロノミックなシーンを早い段階から『ミングルス』とともに牽引してきた『ジョンシク』。

「アジアのベストレストラン50」では、2014年にNo.20でランクイン、’15年はNo.10、’16年はNo.22、’17年はNO.25。また、フレンチ勢が強い「The Best Chef Award 2017」でも着実に#141にランクインと国際的な評価も高いレストランです。

コースの特徴としては、アミューズやデザートでは伝統的な韓国料理の姿の中にワールドワイドな味付けも潜み、それ以外のメインのコースではユニバーサルな姿の中に韓国料理の味付けが潜む、そんなクロスオーバーした料理が並びます。

ニューヨークの『Aquavit』で修業をはじめ、スペインの『Akelarre』などで研鑽を積んだシェフのイム・ジョンシク氏のキャリアからも、そういったワールドワイドな感性がうかがえます。

まずはニューヨークで『ジョンシク』をオープン。そして、ソウルに同名のお店を開いたという逆輸入的な展開も興味深いお店です。

 

 

 

 

・オススメ店④：『Dosa（ドーサ）』

予算：ランチ 7,000～10,000円、ディナー 15,000～20.000円／「ミシュラン ソウル 2020」ミシュラン1つ星

 

韓国料理にリスペクトを払ったイノベーティブな欧州料理。一昔前でしたら、フュージョンと言ったほうがしっくり来るかもしれません。

『ミングルス』や『ジョオク』などが、韓国伝統料理の本質を見据えながら、いかに現代的に表現するかというアプローチにシフトしているなか、西欧料理のニュアンスをしっかりと出しているというこのポジションは意外と空いているかもしれません。

 

 

 

参考：シンガポール『Meta（メタ）』

シンガポールにある韓国人シェフのお店。韓国料理×日本料理×新北欧料理といった感じですが、もしソウルにあったら、このカテゴリーでしっくりくるでしょう。

 

 

 

 

ソウルでおすすめ！モダン韓国料理レストラン

ある文化を、現代に通じるスタイルで表現しようとするとき、いったん伝統を壊してみるか、伝統に寄り添いながら調整を加えていくか、極論してしまえばこの２つの方法があるでしょう。

ソウルの韓国料理において後者を代表するようなレストランを「モダン」なカテゴリーとして位置づけてみました。

・オススメ店⑤：『KWON SOOK SOO（クォンスクス）』

平均予算：ランチ 10,000～15,000円、ディナー 20,000～30,000円／「ミシュラン ソウル 2020」2つ星　

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場所は、狎鴎亭ロデオ駅から徒歩7〜8分のところにある2つ星獲得店。シェフは、まだ30歳前後のクォンウジュン（Kwon Woo Joong）さん。

彼の名に、スクス（熟手、料理人）という古語をかけ合わせて店名にしているところにも、伝統に寄り添いながら新たな韓国料理を目指すというような意志が感じられます。

とはいえ、やはり味の塩梅の微妙な落とし所やプレゼンテーションなどは、非常に現代的。

イノベーティブな方向を選べば、新しさを演出するのはさほど難しいことではないですが、伝統を調整するかたちでモダンな料理を実現するのは、よりセンスや技術が必要な気がします。

 

 

 

・オススメ店⑥：『品／POOM（プーム）』

平均予算：ランチ 10,000～15,000円、ディナー 15,000～20,000円／「ミシュラン ソウル 2020」1つ星　

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かつての貴族階級である両班（ヤンパン）の家庭料理を現代風に表現するシェフ、ノ・ヨンヒ氏のレストラン。

場所は、Ｎソウルタワーがある南山（ナムサン）の中腹、ソウル駅側です。長めは最高。

淀みのない端正な料理と確かな質が評価され、2017年からミシュラン1つ星を獲得している実力店です。

この店の真骨頂は、最善の食材を使い、シンプルな調理法でその素材の良さを引き出すことにあるのでしょう。

その端整で透明な味わいは、古いとか新しいとか超えた極地にあるように思わせるクオリティを誇っています。

 

 

 

・オススメ店⑦：『BICENA（ビチェナ）』

予算：ランチ 10,000～15,000円、ディナー 20,000～30.000円／「ミシュラン ソウル 2020」1つ星

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ニュークラシックを標榜する『ビチェナ』は、韓国で最も高いビル、蚕室（Jamsil）のロッテワールドタワー内の「シグニエルホテルソウル」81階にあります。

2017年にロッテワールドタワーに移転したのと同時に、同年から始まった「ミシュランガイド ソウル」でも1つ星を獲得しています。

3つ星を獲得している『GAON（ガオン）』の姉妹店で陶器メーカーの廣州窯（クァンジュヨ）グループが運営するレストランで、韓国的な優雅さが感じられる食器も全て廣州窯のものが使われているそう。

店名の「ビチェナ」は、「ビウゴ（空にする）」「チェウゴ（満たす）」「ナヌンダ（分け合う）」の頭文字をとったもの。
それが表しているように、現代的なアレンジも施しつつ、基本は伝統をブラさず、韓国料理の本質を貫く方向性を貫いています。

 

 

外国語での予約のやり取りが面倒な方は、代行予約が便利です▽

 

ソウルでおすすめ！オーセンティック韓国料理店

オーセンティックと言っても、古いという印象は皆無。
宮廷料理の中でもトップエンドとも言える“韓食正餐”を突き詰めていくと、日本の懐石料理にも通じる透明感が特徴で、若い世代や未体験の方々には新鮮に映るのではないでしょうか。

・オススメ店⑧：『羅宴／La Yeon（ラヨン）』

平均予算：ランチ 15,000～20,000円、ディナー 20,000～30,000円 ／ 「ミシュランガイド ソウル 2019」3つ星　

韓国を代表するホテルの一つ「ソウル新羅ホテル」23Fにあるこの『ラヨン』。

韓国料理として「ミシュラン」初めて三つ星を獲った記念すべきレストランで、2015年はNo.38のランクイン以降、「アジアのベストレストラン50」でも常連です。

さすが一流ホテルの高層階！抜群の眺めです。

この『ラヨン』では食材は韓国全国から厳選され直接仕入れた旬のものだけが使われているとのこと。

前菜からメインまで上品さがただようまろやかなテイストからも、そのコンセプトが徹底されていることが伝わってきます。

 

 

 

・オススメ店⑨：『Gaon（ガオン）』

平均予算：ディナー 30,000～40,000円 ／ 「ミシュランガイド ソウル 2019」3つ星　

日本語可！『ガオン』をグルヤクで予約する

「ミシュランガイド ソウル」3年連続3つ星獲得！狎鴎亭にある超高級韓定食店。

 

 

 

 

・オススメ店⑩：『韓食空間／HANSIKGONGGAN』

平均予算：ランチ 7,000～10,000円、ディナー 10,000～15,000円 ／ 「ミシュランガイド ソウル 2019」１つ星　

ミシュラン1つ星の韓定食レストラン。

『ミングルス』のミングー氏をはじめ、多くの若きシェフたちから「オモニ（お母さん）」と慕われ、伝統的な韓国料理の師となっている存在です。

 

 

 

 

 

ソウルでおすすめ！韓国精進料理店

歴史という意味では、精進料理はこの上なく伝統を持つジャンルですが、ベジタリアンフードとしては最先端でもあります。
そんな一回転したトレンド感が面白い分野です。

・オススメ店⑪：『山村／Sanchon（サンチョン）』

平均予算：ランチ 3,000～5,000円、ディナー 7,000～10,000円　

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ソウルの精進料理と言うと、1つ星を獲得している『鉢孟供養（パルコンヤン）』の名前が真っ先に挙がるかもしれませんが、この『山村（サンチョン）』も引けを取りません。

扉をくぐると、「ここは極楽浄土か?!」と見紛うような一軒家風の店内には、仏像や鐘楼など寺院アイテムが所狭しと配置され、雰囲気満点。

料理は、比較的に技巧を凝らすというより、素材を生かしたテイストのものが多く、一般的なベジタリアンにも馴染みやすい料理です。

実は、本来の寺刹食では使わないネギ、ニンニク、ニラなどの刺激のある野菜も使っているライトな精進料理とも言えますが、事前にリクエストすれば、これも抜いた料理も可能です。

 

 

 

・オススメ店⑫：『鉢孟供養／BALWOO GONGYANG（パルコンヤン）』

平均予算：ランチ 3,000～5,000円、ディナー 7,000～10,000円　

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ミシュラン1つ星をキープし続けている「韓国仏教文化事業団」運営の精進料理専門店。

ソウルでも人気の観光地・仁寺洞（インサドン）の「テンプルステイ統合情報センター」の５階にあります。

料理はすべてコースで提供。季節ごとに内容が替わります。

精進料理なので肉や海鮮は一切使用していないのですが、食べ応えも十分。

店内は全室個室なのもポイント。ディナーは2名以上のみ予約可能ですが、ランチはお一人様でもOKなので、一人旅でも個室でゆっくり味わえます。

その分、席を確保するのが難しい時期もありますので、予約がおすすめ。