Contents
「アジアのベストレストラン50」2年目の2014年から始まった「one to watch award」も今年で8回目。
日本語では「注目のレストラン賞」と訳されるこの部門賞は、ベスト50のランク外にありながら、アジアで急成長する注目株と認識されたレストランに授与されます。
2021年度は、シンガポールの『Meta(メタ)』が受賞。
最優秀女性シェフと並んで、通常のランキングとは異なる視点で選ばれるところが面白いこの賞、歴代受賞店をすべてご紹介します。
2021年度版全リストはこちら▽
アジアのベストレストラン「注目のレストラン賞」受賞店を全網羅!
3月4日に発表されたアジアのベストレストラン50の部門賞「One To Watch Award(注目のレストラン賞)」の受賞店は、シンガポールにある『Meta(メタ)』。
「アジアのベストレストラン50」のなかでは「最優秀女性シェフ」とともに異彩を放つ、この「注目のレストラン賞」。
アカデミーによる投票で選ばれるランキングとは違った視点でのアジアの中での新鋭を知ることができるので、新しもの好きの方はとくに注目しておいて損はないアワードだと思います。
このページでは、現在までの受賞店すべてをご紹介します。
2021年受賞店:シンガポール『Meta(メタ)』
韓国料理を基本としたコンテンポラリー料理。
和久田哲也氏に指示していた経験もあり、素材の生かしたには日本料理に通じるエッセンスも孕んでいます。
『Meta(メタ)』店舗情報
コース料金:ランチ 68~88 SGD(約5,500~7,000円)、ディナー 148~188 SGD(約12,000~15,000円)
営業時間:ランチ<水~金曜>12:00~14:30、ディナー 18:00~23:00 定休日:日曜
電話番号:+65 6223 4098
住所:1 Keong Saik Rd., Singapore
オフィシャルwebページはこちら
店の地図
2020年受賞店:インド・ムンバイ『Masque(マスク)』
10コースのテイスティングメニューを提供する、新感覚のインド料理ガストロノミー。
まさかインドからこの「One To Watch Aeard」受賞店が出てくるとは思わず、ノーマークでした。
掲載された記事などを確認すると、かなり野心的にコンテンポラリーなガストロノミーのセンスを取り入れているよう。
ニューデリーの『インディアン・アクセント』以降、なかなかインドの新しい波に関しての情報は伝わってこなかったのですが、確実に新世代が育っているのは、うれしい限りです。
『Masque(マスク)』店舗情報
営業時間:19:30~20:00、21:00~21:30にスタート <Sunday Brunch>12:30~ (last seating at 14:00) 定休日:月曜
電話番号:+91 98190 69222
住所:Masque, Unit G3, Shree Laxmi Woollen Mills, Shakti Mills Lane, Off, Dr E Moses Rd, Mahalakshmi, Mumbai
オフィシャルwebページはこちら
店の地図
2019年受賞店:台湾・台中『JL Studio(ジェーエル・スタジオ)』
『JLスタジオ』のシェフ、ジミー・リムはシンガポール出身。
昨年惜しくも閉店した台中のフランス料理店『Le Mout(ル・ムー)』で7年間研鑽を積んだ後、カリフォルニア州ナパバレーにある『The French Laundry(フレンチ・ランドリー)』やニューヨークの3つ星フレンチ『Per Se(パーセ)』、コペンハーゲンの『Noma(ノーマ)』や『Geranium(ゲラニウム)』で世界に通用する料理の腕を磨き続けました。
そして、2017年に台中で『JLスタジオ』をオープン。
リム氏が選んだスタイルは、出身地であるシンガポールに古くから伝わるメニューを、現代的な解釈で提供することでした。
同氏の手による「Mod-Sin(モダンシンガポール)」と称される料理は、伝統的シンガポール料理を、プログレッシブなアプローチで成就した料理ですが、シンガポール現地でもこのスタイルを貫くレストランは珍しい存在です。
『JL Studio 現代新加坡料理(ジェーエル・スタジオ)』店舗情報
平均予算:5,000~7,000TWD(約18,000~25,000円)
営業時間:18:00-22:30 定休日:月曜
電話番号:+886 4 2380 3570
住所:台中市南屯區益豐路四段689號
オフィシャルFacebookページはこちら
店の地図
2018年受賞店:フィリピン・マニラ『TOYO Eatery(トーヨー・イータリー)』
2017年にこの店に出会ったときの率直な感想は、「マニラもこんなすごいことになってるのか!?」という驚きでした。
端的には、ニュー・ノルディック・キュイジーヌ以降のフィリピン料理の現在形とでも言えるのでしょうが、『トーヨー イータリー』を体験したことによって、この北欧からの風が世界に果たした影響というのを理解できました。
ニュー・ノルディック・キュイジーヌ以降と書きましたが、オーナーシェフのジョーディ・ナバラ(Jordy Navarra)氏は、正確に言うと、その流れと並行して歩んできたキャリアのようです。
イギリスの伝説的レストラン『ザ・ファット・ダック(The Fat Duck)』で修行した後、香港の『ボー・イノベーション(Bo Innovation)』で研鑽を積み、2014年マニラに『ブラック・シープ(Black Sheep)』のシェフを経て、この『TOYO EATERY』をオープン。
それはともかく、ニュー・ノルディック・キュイジーヌにしろ、イノベーティブにしろ、とかくテクニックの話になりがちです。美味しいのは当たり前として、これはどうやってつくったんだろう?というようなことに目が行きがちです。
でも、この『TOYO』でコースを食べて気づいたのですが、それは側というか器でしかないんだということです。それだけにかえって、何を伝えたいかというメッセージや気持ちが強くないとうわべだけのものになってしまいます。
『Toyo Eatery(トーヨー イータリー)』店舗情報
営業時間:ディナー 18:00-23:30
平均予算:5,000~10,000円
電話:+63 91 7720 8630
住所:Ground Floor, Karrivin Plaza, 2316 Chino Roces Avenue, Magallanes, Makati City
オフィシャルFBページはこちら
店の地図
2017年受賞店:韓国・ソウル『TocToc(톡톡/トク トク)』
2013年4月にソウルの狎鴎亭(アックジョン)にオープン。
アッと言う間に、韓国内の旬の食材の魅力を引き出した料理を提供する店として、評判となっていたのですが、その名を国外にも轟かせたのが、2017年春のことでした。
それが、この「注目のレストラン賞」受賞だったと言えるでしょう。
もともとシェフのキム・テチュンさんは音楽家としてのキャリアを積むために来日したのですが、日本滞在中に料理の魅力に目覚め、料理専門学校に入学。
その後、『ランベリー』などのフランス料理をはじめイタリア料理、日本料理の一流店で様々な料理技術を身につけたとか。
ここからは料理を味わった上での憶測ですが、日本での経験から技術だけでなく、食材を活かす術を身に付けたのでしょう。
韓国国産の食材を活かしながら、コンテンポラリーな料理に仕上げるの真骨頂です。
『TocToc/톡톡(トク・トク)』店舗情報
平均予算:8,000~15,000円
営業時間:ランチ <火~日>12:00~15:00(L.O.14:00)、ディナー <火~土>17:30~22:00(L.O.21:00)<日>17:30~21:30(L.O.20:30) 定休日:月曜
電話番号:+82-2-542-3030
住所:A. 3F, Rodeo Bldg., 33, Dosan-daero 51-gil, Gangnam-gu, Seoul
オフィシャルwebページはこちら
店の地図
2016年受賞店:日本・東京『florilege(フロリレージュ)』
3回目の受賞は、日本から。
既に実力人気とも東京を代表するフランス料理店が大胆にリニューアル、日本の優良な食材を駆使したイノベーティブなレストランに変貌を遂げた直後の受賞でした。
その後の活躍は言うまでもなく、2018年の「アジアのベストレストラン50」ではNo.3までランクアップ。
アジアを代表するレストランへと変貌を遂げています。
また、この「注目のレストラン賞」自体も、言葉通りに次の時代を築く、新鮮な風を吹かせる才能に与えられる賞だというコンセプトがくっきりしたように思えます。
『florilege(フロリレージュ)』店舗情報
営業時間:ランチ 12:00~13:30 ディナー 18:30~20:00 定休日:水曜
電話番号:+81 (0)3 6440 0878
住所:東京都渋谷区神宮前2丁目5−4 SEIZAN外苑
オフィシャルHPはこちら
店の地図
2015年受賞店:韓国・ソウル『La Yeon(羅宴/ラヨン)』
2回目の受賞はソウルにある韓国宮廷料理店。
現在では、ミシュラン3つ星を毎年キープしている名店中の名店というイメージですが、つい数年前まで、アジアレベルでは、フレッシュな新人扱いだったというのも、グルメシーンの移り変わりの早さを感じさせます。
『羅宴/La Yeon(ラヨン)』店舗情報
営業時間:ランチ 12:00~14:30 ディナー 18:00~22:00 定休日:無休
電話番号:+82 2 2230 3367
住所:Hotel Shilla 35F, 249 Dongho-ro, Jung-gu, Seoul
オフィシャルHPはこちら
店の地図
2014年受賞店:香港『Tenku RyuGin(天空龍吟)』
記念すべき最初の「One to Watch Award」受賞店は香港の『天空龍吟』。
ご存知、日本料理の革命児『龍吟』の香港支店です。
今から振り返ると、確立した名店じゃん?と思わせるところも面白いですね。
『Tenku RyuGin 天空龍吟』店舗情報
営業時間:18:00~21:30 定休日:無休
電話番号:+852 2302 0222
住所:101/F, International Commerce Centre, 1 Austin Road West, Tsim Sha Tsui, Kowloon, Hong Kong
オフィシャルHPはこちら
店の地図
「アジアのベストレストラン50」関連記事